写真展告知
上田義彦写真展:風景の記憶
2019年9月17日 07:00
旅をして写真を撮る。車で移動中。列車の窓から。見知らぬ土地でふと立ち止まり、
思わずカメラを取りシャッターを夢中で切る。
カメラを下ろしその風景をじっと眺めていると、きまって懐かしいという感覚が僕の中に生まれてくるのを不思議に思う。
それは、「かつて見たことがある」、「かつて出会ったことがある」ということではない。初めて見る風景なのに、懐かしいという感覚。それは自分の記憶ではなく、いってみれば風景の記憶、場の記憶なのだと思う。
その場所が永い時間ずっと持ち続けていたもの、それを感じ思わず写真を撮らされているのだろう。この感覚は、写真そのものがもつ特殊な力と良く呼応するように思う。
記憶を記録する。だから僕たちは思わず風景にカメラを向けるのだろう。
被写体となった場所と真摯に対峙し、その場がまとう目に見えない気配を写し撮った上田氏の作品世界を、サイズやメディアなどエプサイトならではの表現で体感いただけます。上田氏とエプサイトが創り上げる新しい「風景の記憶」にご期待ください。
会場
エプソンスクエア丸の内
東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1・2階
開催期間
2019年9月27日(金)~10月30日(水)
開催時間
10時00分~18時00分(最終日は14時00分まで)
休廊
日曜日
※会期中の祝日、10月14日(月)22日(火)は開館
作者プロフィール
写真家 多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授
代表作に、ネイティブアメリカンの神聖な森を撮影した『QUINAULT』、前衛舞踏家・天児牛大のポートレート集『AMAGATSU』、生命の源をテーマにした『Materia』シリーズ、30 有余年の活動を集大成した『A Life with Camera』など。近著には、Quinault・屋久島・奈良春日大社の3つの原生林を撮り下ろした『FOREST 印象と記憶 1989-2017』、一枚の白い紙に落ちる光と影の記憶『68TH STREET』がある。エプサイトでの写真展は、2000年の「Blue Blue」、2006年の「at Home -家族の記憶 1993~2005-」以来、今回で3回目。