写真展告知

中条望写真展:サゴッタ 11歳の女の子が過ごす難民キャンプ

バングラデシュの首都ダッカモハマドプールに、イスラム教の象徴的な三日月を描いた旗が靡く、周囲を歩くと僅か数分で済んでしまう小さなエリアが有ります。

ここは1972年から存在するスラム街の様相をした難民キャンプ、名をGENEVA CAMPと言います。わずか220×350mの小さな範囲に5,500家族、数にして40,000人を超える人たちが劣悪な環境下での暮らしを余儀なくされています。

彼らはビハール難民と呼ばれていますが(ロヒンギャ難民とは対照的に)国際法の難民条約で難民として認定されておらず国連難民高等弁務官事務所UNHCRが公的な支援を行っていません。歴史的には1971年パキスタンからのバングラデシュ独立運動の際、パキスタン軍への協力を行った人々でパキスタン軍降伏後は弾圧の対象となり多くの資産と権利を奪われ今日に至ります。現状、彼らGENEVA CAMPの人々はいうなれば制限された無権利状態の、法的に曖昧な存在であると言えます。その存在を裏付けるように彼らの身分を示すIDカードはバングラデシュ市民と同様の市民権を認めたものではありません。

そんな彼らの許に通い続け6年になりますがいつも私を受け入れてくれる家族と女の子がいます。女の子はサゴッタ11歳。家族と合計9名でここに暮らしています。いつ訪れても快く迎えてくれて必ず見送りに来てくれるサゴッタ、振り返り後ろ髪を翻し路地に消えていく様を自分の妹のように感じていました。今作はそんな彼女とGENEVA CAMPで暮らす人々の生活を纏めたものです。

出展作品数:カラー 約60点

写真展情報

オリンパスギャラリー大阪

開催期間

2018年12月14日(金)~12月20日(木)

開催時間

10時00分~18時00分(最終日は15時00分)

所在地

大阪市西区阿波座1-6-1 MID西本町ビル

休館

日曜日・祝日

オリンパスギャラリー東京

開催期間

2019年1月18日(金)~1月26日(土)

開催時間

11時00分~19時00分(最終日は15時00分)

所在地

東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル地下1階

休館

木曜日

作者プロフィール

1984年三重県生まれ。
同志社大学卒業。
在学中よりアジアを中心とし難民・スラム・内戦・辺境・震災といった状況に生きるマイノリティーに寄り添い取材を続けている。
写真展(個展)に「友人たちのポートレート:ASIA のMinority ~難民キャンプ・スラム・辺境から~」(2016年 3月 オリンパスギャラリー東京/ 大阪)/「続・友人たちのポートレート:ASIA のMinority ~難民キャンプ,スラム, 辺境から~」(2016 年6 月 AMS 写真館 京都)等がある。