写真展PICK UP

赤道直下の11カ国を巡る旅。小澤太一「赤道白書」本日開幕(後編)

毎日19時30分からライブトーク配信も

『赤道白書』の写真展で巡った11カ国の旅では、本当にたくさんの人に助けられました。言葉が通じなくても人は親切にしてくれるし、ちゃんと写真を撮らせてもらえたりしたのはありがたいことでした。たとえば今回の写真展のDM(ポストカード)に使用した写真は、ガボンというアフリカの国で、たまたま町で出会った男性が家に招待してくれたことが縁で、このウェディングドレス姿を撮らせてもらうことになりました。

コンゴ共和国という国では、「サプール」というおしゃれな男たちが町中を歩いているところをかなり迫って撮影することもできました。サプールって見た目はちょっといかつくて、僕も最初はドキドキしましたが、思い切って話をしてみると(しかも片言ですが……)とても撮影にも協力的でいいコミュニケーションを取ることができました。

一方でトラブルにも巻き込まれました(涙)。

ケニアでは謎のスパイ容疑で留置所に何日もぶちこまれたし、ウガンダではホテルの部屋からカメラやレンズ、パソコンに現金がスーツケースの中からなくなってしまったし、未承認国家のソマリランドでは、なぜか裁判まですることになり……なかなか旅ってうまくはいかないものです。

そんな悲しい話は写真展に展示してある写真からは微塵も感じられませんが、今回の写真展にあわせて作った同名の写真集では、旅でのエピソードを文章として書いてみました。そちらを読みながら写真を見ていただくことで、また違った見え方をするかもしれません。

展示期間が終わったらおしまい……という写真展と違って、写真集は後から見返すこともできるので、できれば写真展と写真集って両輪のように、2つセットで考えられたら理想かな、と思っています。今回のプロジェクトでは旅も長かったこともあり、全部で240ページの写真集を作ってみました。写真と写真を並べることで広がる表現、つまりは組写真、これは写真を撮るだけとは違う面白さがあります。こちらは写真展会場で販売しますし、今後は<小澤太一オフィシャルサイト>で販売します。
https://www.kozawataichi.com/private-work/

また、それぞれの国ごとのエピソードや、展示に出せなかった秘蔵のボツ写真なども使って、オンラインでのギャラリートークを毎日19時30分より20時まで(9月10日のみ、1時間のスペシャル回)で、写真展会場からYouTubeによるライブ配信をします。取り上げる国を毎日ひとつずつ変えながらトークをしていく予定です。

9月6日(火)サントメ・プリンシペ民主共和国
9月7日(水)コンゴ民主共和国
9月8日(木)エクアドル共和国
9月9日(金)ケニア共和国
9月10日(土)ソマリランド<1時間予定>
9月13日(火)コロンビア共和国
9月14日(水)インドネシア共和国
9月15日(木)ガボン共和国、コンゴ共和国
9月16日(金)ウガンダ共和国
9月17日(土)ブラジル連邦共和国

※視聴URLは決まり次第、キヤノンギャラリーサイトの小澤太一写真展ページにてお伝え致します。写真展と合わせて写真集とライブ配信もお楽しみください!
『赤道白書 毎日配信』(9/6)。以降の日はこちら→9/7(水)9/8(木)9/9(金)9/10(土)

小澤太一「赤道白書」

会場

キヤノンギャラリー銀座
東京都中央区銀座3-9-7

会期

2022年9月6日(火)~9月17日(土)

開催時間

10時30分~18時30分

休館日

日曜、月曜休館

作家プロフィール

1975年、愛知県名古屋市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、河野英喜氏のアシスタントを経て独立。雑誌や広告を中心に、子どもからアーティストや女優、某国大統領まで、幅広い分野の人物撮影が活動のメイン。また、写真雑誌の執筆や撮影会の講師・講演など、活動の範囲は多岐に渡る。ライフワークは「世界中の子どもたちの撮影」で、年に数回は海外まで撮影旅行に出かけ、写真展も多数開催している。身長156cm、体重39kgの小さな写真家である。キヤノンEOS学園東京校講師、公益社団法人日本写真家協会会員。