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野口智弘が写す多摩川の風を感じる写真展

「川風 −River Breeze−」

昨年、KKAG(東京・東神田)で初の個展「Slow Waltz」を開催した野口智弘が、約1年ぶりにCO-CO PHOTO SALONで写真展を行う。前作はGRの開発者であった時代も含めて、海外で写された街スナップで構成された。慌ただしい日常の中にひっそりと潜むスローなテンポを写した作風が並んだ。

2作目となる本展はそれとは対照的に、本人が生まれ育った場所を写したものだ。ステートメントには以下の言葉が添えられている。

「自分の生まれ育った場所を撮ることは、とても個人的な作業ですが、ささやかな使命のようなものを感じます。昨年、海外の旅先スナップの写真展をやりながら、ぼんやりと次の目標は自分の原点をまとめておくことかなと思いました。平穏な日常のありがたさを考えさせられる2022年という年に、かけがえのない平凡という共通項で、響き合えるものがあれば嬉しいです。今の光と風が未来のノスタルジー。」

写真とはカメラ(自分)を媒介としたメディア。撮影者が何を見て、何を感じたのか? それを他者に委ねる作業だ。海外であれば、ストレンジャーとしての視覚になるが、地元が被写体となれば、それはより私的なものとなる。それを野口は原点と記したのだろう。写真には多摩川の六郷橋から大師橋を経て海老取川合流地点までが写されている。急げば小1時間の短い距離を、半世紀以上をかけてゆっくり気ままに歩いてきた記録がそこにある。

プロフィール

野口智弘(のぐち ともひろ)
1959年 東京都大田区生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リコー入社。カメラ事業部で商品企画、マーケティング、事業運営などカメラビジネスに⻑く関わる。中でもGRはほぼ全機種に関わり、ミスターGRとして親しまれる。写真ギャラリーRING CUBEの設立や企業SNSの運営など、コミュニケーションも幅広く手掛ける。その後、株式会社アマナで写真関連企画を経て、2021年独立。現在は、ゆでたまご代表として、企業のブランド&コミュニケーションの支援をする傍ら、セミナーや執筆活動にも取り組む。

2021年4月 写真展「Slow Waltz」開催 於:KKAG(東京)
2021年7月 写真展「Slow Waltz」開催 於:ギャラリーsolaris(大阪)

野口智弘写真展「川風 −River Breeze−」

会場

CO-CO PHOTO SALON
東京都中央区銀座3-11-14 ルート銀座ビル4階

開催期間

2022年6月17日(金)〜6月23日(木)

開催時間

11時00分〜18時30分
※最終日は17時まで

休廊

日曜日