イベントレポート

“軽キャン”は写真体験を高めるか? ジャパンキャンピングカーショーで見たもの

撮影において最も重要な瞬間といえば、「シャッターを切る瞬間」といえるかもしれない。しかし、せっかくカメラが好きで、写真が好きならその“前後”だってもっと効率よく、そして楽しみたいではないか。そのヒントを探しに、1月30日(金)から2月1日(日)にかけて幕張メッセで開催されていた「ジャパンキャンピングカーショー2026」を訪れた。このページではその様子をご紹介したい。

ジャパンキャンピングカーショーは、広大な展示ホールに400台以上が集結する、アジアでも最大級というキャンピングカーの祭典だ。出展社数は200社超。商談を目的に訪れる来客も多く、当サイトで馴染みのある展示イベントとはまた異なる雰囲気も感じられた。

取材の主な目的は“軽キャン”。いわゆる軽キャンピングカーと呼ばれるもので、軽自動車をベースに車内外を改装したモデルだ。撮影地までの移動手段、現地でのちょっとしたPC作業、それから車中泊といった“撮影前後”のアレコレをサポートしてくれる強い味方になるのではないかと、筆者も個人的に憧れを抱いている。

多彩なラインアップのキャンピングカー

ひとくちにキャンピングカーといってもその種類は多種多様だ。それぞれの特徴について細かい説明は省略するが、イベントでは「フルコンバージョン」「バスコンバージョン」「キャブコンバージョン」「バンコンバージョン」「軽キャンピングカー」「トラックキャンパー」「キャンピングトレーラー」といった種別で車両が展示されていた。

例えば「フルコンバージョン」。こちらはエンジンやフレーム、駆動系などのみ自動車メーカーから仕入れ、あとはボディの外装から内装まですべてをキャンピングカーメーカーがゼロから作り上げるという大型モデルだ。居住性が高く、さながら“移動するホテル”のような豪華さが特徴。価格帯は2,000万円前後の車両が多かった。

会場には「第14回キャンピングカーアワード」を受賞した中村獅童さんが愛用するキャンピングカー「ボーダーバンクス」が特別展示されていた。

中村獅童さんが愛用する「ボーダーバンクス」

いわずもがな、各自の目的に応じてキャンピングカーのタイプを選ぶことになる。今回の想定は、1人での撮影旅、余裕で荷物を積めること、作業スペースが欲しい、車中泊がしたい、だ。それを実現するのに“軽キャン”が適しているだろうという見立てである。入り組んだ道を進むこともあるだろうし、小さい車の方が何かと都合が良い可能性も高い。

大きいキャンピングカーへのあこがれもあるが、まあ、軽キャンであれば予算も抑えられるし……といったところだ。

会場にはいろんなタイプのキャンピングカーが展示されていた

気になった“軽キャン”

会場で話を聞いていると、軽キャンの奥深さがよくわかってきた。ベースとなる車両は? どんな内装にする? サブバッテリーを積む? といったことを、自身の目的と予算に応じて検討していく。考えれば考えるほどに沼にはまっていきそうなほど、そのバリエーションは多岐にわたる。

実際に購入を検討する際は、車両のナンバーも気にすることになるだろう。軽商用バン(4ナンバー)なのか、あるいは特種用途自動車(8ナンバー)になるのか。その違いによって税金や、内装の制限も異なってくるようだ。

ここで筆者が会場で見たモデルを、いくつか紹介していこう。

まず訪れたのは、オートワンキャンパーのブースだ。神奈川県で軽キャンピングカー製造販売を営む同社は、蓄電や充電のシステムを充実させた「給電くん」というシリーズを展開している。

見学したのは「給電BASE」というタイプ。スズキの「スペーシアベース」という車両をベースに、4人乗り1人就寝に対応したモデルだ。“1人就寝”としているのは、そもそものベース車両が助手席しかフラットにならない仕様である、という理由もあるらしい。

展示車両はソーラーパネルを積んでおり、そこからサブバッテリーに充電できるようにしていた。これなら、出先での電源問題への不安を解消できるだろう。

給電BASE
屋根にソーラーパネルを搭載していた
こちらが内装。1人で就寝するタイプ

続いては、茨城県水戸市に本社を構えるルートシックスのブース。ここで見た「シーク」というモデルが、筆者個人的にはもっとも印象に残った。

ベース車両はホンダのN-VAN。ピラーレス仕様のため、ドアを開けると開放感がある。荷物の出し入れがしやすそう。内装はシンプルかつ機能性が高い。ルートシックスは内装のオプションを豊富に用意しているのも特徴なのだそうだ。

こちらの展示車両にはポップアップルーフのオプションが施されていた。ここにも2人就寝できるため、つまり4人乗り4人就寝に対応する。展示車両はサブバッテリーを積んでいないタイプで、ポータブル電源の使用を想定している。

「シーク」というモデル。ピラーレスのため開放感がある
内装は豊富なオプションを用意する
ポータブル電源を格納した様子
ポップアップルーフ

ルートシックスのブースからもう1台。こちらはホンダのフリード クロスターをベースにした「リエラ」というモデルだ。元々が5人乗りのミニバンとなるため、軽自動車よりも大きく、そして広く使える。

こちらは別付けのエアコンを後部座席上に備えており、そのため屋根上に室外機を取り付けている。軽キャンよりもう少しゆとりが欲しい、という要望も多く、ミニバンタイプのキャンパーの展開も増えてきているようだ。

「リエラ」というモデル
軽キャンよりも室内を広く使えそう
別付けのエアコン。車内に積んだサブバッテリーから電源をとっている
エアコンの室外機は屋根上に

岡モータースのブースでは、「ミニチュアクルーズ」というシリーズの車両を見学した。同社の特徴は内装の質の高さ。家具職人が作っており、“きしむ音がない”ようしつらえているという。マットの質も良く、これはたしかに快適そうだなという印象をうけた。

内装の品質の高さがうかがえる
シートマットは厚みもあり快適そうだ

“ポタ電”メーカーのブースも

ポータブル電源のEcoFlowのブースでは、車のバッテリーの余剰電力を活用する「Alternator Charger」の解説を行っていた。走行時にオルタネーターで蓄えた余剰電力を、ポータブル電源に流し込むコンバーターの役割をするというもので、シガーソケットと比較して充電効率が飛躍的に向上する。Alternator Chargerにポータブル電源を接続して使用するのだが、車のバッテリーが上がってしまったときには、ポータブル電源から逆に車へ電気を流して、エンジンを始動するといったことも可能という。

Alternator Charger
EcoFlowのポータブル電源

Jackeryのブースでは“小型”のポータブル電源が目を引いた。容量288Whの「300D」は、重量が2.5kgと軽量で、付属のショルダーベルトで持ち運びにも適したモデル。“手のひらサイズ”を謳う「100 Plus」は、ポータブル電源というには衝撃的な小ささで、場所をとらないため予備的に車に積んでおくのもよさそうだ。

300D
100 Plus

“軽キャン”への憧れ、いっそう強く……

はじめて訪れたキャンピングカーショーだったが、そのスケールの大きさに圧倒された。大小さまざまな車両は見てて飽きず、「この車だったらこんな使い方ができそうだな……」という妄想も膨らむばかりであった。

今回のテーマとした軽キャンだが、撮影旅との相性は抜群に良さそう。そして内装や装備など、とにかく選択肢が豊富にあり、自分好みの「基地」に育てていく楽しみが無限に広がっている。

ただし大型のキャンピングカーとは違い、トイレなど課題として残る部分もまだある。そのあたりは、近年いろんなところに開設しているRVパークなどの活用を検討していくのも有効だろう。

「シャッターを切る瞬間」以外の楽しみ方、まだまだ探求していく余地がありそうだ。

RVパークを紹介するブースも
本誌:宮本義朗