イベントレポート

PHOTONEXT2025で富士フイルムが「X-half」を展示

datacolorからはスマホ連動のカラーメーターも

フォトビジネスおよびプロフォトグラファーを対象としたイベント「PHOTONEXT 2025」が6月10日(火)、翌11日(水)とパシフィコ横浜で開催された。主催は株式会社プロメディア。

本稿では各社のカメラ機材や撮影支援ツールに焦点を当てて会場の様子をレポートする。

富士フイルム、X halfとビジネス向けinstaxを披露

富士フイルムブースでは、ラージフォーマットサイズのイメージセンサーを搭載するGFXシリーズやX halfに加えて、ビジネス向けのチェキサービスや各種印刷サービスを紹介していた。

特に人気を集めていたのが、直近で発売されたX halfの実機展示だった。製品を一目見ようとする来場者が列を作るなど、関心の高さがうかがえた。

X half
X halfの背面

GFXの展示エリアでは、実際のウエディング撮影を想定したシチュエーションを体験できるコーナーを設けた。展示機種にはGFX100、GFX100S II、GFX100RFが並び、それぞれの特徴を実際に確認できる構成となっていた。

ビジネス向けソリューション「instax Biz」も紹介された。個人でも利用できるサービスで、名刺代わりに自身のSNSのQRコードや名前を添えて配布するパターンもあるという。

例えばスポーツイベントでは、チームロゴや選手写真が入ったファンイベントの記念品として活用できる。テーマパークやフェスティバルでは、会場限定デザインでの販売などが考えられる。いずれも動画コンテンツやポイントアプリへの誘導も考えられるという。

100W出力の「GODOX V100」が注目集めたKPI

KPIブースのGODOXエリアでは、100W出力を誇るクリップオンストロボ「V100」が来場者の関心を集めていた。

V100の特徴の1つが、取り外し可能なサブフラッシュ「SU-1」を搭載していること。1台のV100で2つの光源による撮影が可能となる。また、グローバルシャッターを搭載するソニーのミラーレスカメラ「α9 III」との組み合わせでは、1/80,000秒の高速シャッターに対応する点も特筆すべき点だ。

会場では撮影機材だけでなく、レンズの展示も行われていた。1930年代に開発されたカール・ツァイス・イエナ製「Biotar 75mm F1.5」の描写力と魅力を継承・発展させたというMeyer Optik Gorlitzの交換レンズ「Biotar」が、ソニー「FX6」に装着された状態で見ることができた。

新規取扱ブランドのPortkeys製品としては、カメラコントロール機能を搭載した外部モニターを展示。HDMI出力機能を持ちながら、操作系をワイヤレス通信で行うことで、リアルタイムで映像を出力しつつモニター側で露出などの操作が可能となっている。ハイアングル撮影などカメラ側での確認が困難な状況でも、手元での操作ができる。展示された製品の1つ、Portkeys LH7Pは7型タッチスクリーンモニターで、1,000nitの明度を持ち昼間の屋外でも視認性を確保する。フルHDで4Kオーバーサンプリングにも対応し、ウェーブフォーム、ピーキング、ARRI False Colorなどを表示する機能を搭載している。

Portkeys LH7P
DC電源のほか、バッテリーでも駆動にも対応

よしみカメラ、スマホ連携のカラーメーターを初披露

よしみカメラブースでは、datacolor社のライトカラーメーター「LCM200」が展示された。カラーメーター、露出計、照度計の機能を1台に集約したデバイスで、スマートフォンとBluetooth接続して使用する。操作はiOSもしくは、Android端末に対応した無料の専用アプリを通じて行う。

従来の露出計と比較して大幅にコンパクト化を実現しており、約78×70mm、重量わずか38g(電池なし)という胸ポケットに収まるサイズを実現した。電源は単4電池が2本。

最大の特徴は、露出とカラーメーターの2つの測定を同時に行える点だ。リアルタイムに測定結果が反映され、最大4台まで同時接続が可能なため、多灯ライティングが必要な現場での活用が期待される。また1/4インチネジ穴を備えており、ライトスタンドに取り付けての使用も可能となっている。

三脚穴のほか、3.5mmシンクロケーブルジャックも搭載

露出計機能についても、カメラ内蔵の露出計では背景の明暗差が大きいシーンで適正露出を得ることが困難な場合があるが、LightColor Meterは被写体の反射に左右されず直接光と散乱光を測定するため、高精度な露出測定が可能だという。

同製品は6月下旬より順次発送予定で、販売価格は7万7,500円となっている。

本誌:佐藤拓