イベントレポート

【CP+】2m越えのロング三脚を展示したスリック

トラベル三脚の新モデルなど

ライトカーボン E84 FAロング

CP+2018ケンコー・トキナーブースのうち、スリック三脚コーナーでひときわ目立っていたのが、全高212cmになる「ライトカーボン E84 FAロング」三脚だろう。

値段を抑えたカーボン三脚「ライトカーボンEシリーズ」にあるパイプ径28mm、4段三脚の「ライトカーボンE84」(全高約172cm、エレベーター下げ時約140cm)のロングモデルで、エレベーターを伸ばした全高が212cm、エレベーターを使わずとも付属の雲台まで185cmの高さが得られる。

説明員氏の身長177cmとのことなので、その高さを見比べてほしい。最大パイプ径は28mm、重量2kg、最大耐荷重は5kg。発売時期、価格とも未定だが9月までには発売できればとのこと。

スタンドポッド7-II 5段/6段

自立式一脚である「スタンドポッド7」に5段に「スタンドポッド7-II 5段」と「同6段」もお目見え。全高を160cm程度に抑え、反転脚式にして縮長を5段は45.5cm、6段は41.1cmと短くして、より持ち運びしやすくなった。

写真では現行製品のスタンドポッドGX-N(縮長71cm)と並べているが、大幅に短くなっているのが見て取れると思う。

脚部の幅が男性の肩幅より狭く、パイプ椅子程度の幅であるため、入学式や卒業式などで本格的な三脚を使用しづらい状況でも使用しやすいという。

スタンドポッドは一脚部分単独で使うこともできる。また、全天球カメラでの使用にも向いているという。

最大パイプ径は25mm、重量、発売時期、価格は未定。

AL-TIM

収納時に脚部が反転するトラベラータイプの三脚として、スリックには「エアリー」シリーズがあるが、パイプ径を23.4mmとひとまわり大きくした「脚部反転式AL-TIM」も見ることができる。全高157cm、縮長47cm、重量1.59kgで最大耐荷重は3kgと、ミラーレス機やエントリーモデル一眼レフに向く。

脚の開脚構造は開脚レバーをいちど操作するだけで開閉できる独自の「ハライチシステム」を採用。素材もスリック独自の「AMT(アルミ・マグネシウム・チタン)合金」を用いている。

雲台は専用の高精度自由雲台。発売時期や価格は未定。

このAL-TIMシリーズにはさらに、アルカスイス規格クイックシューに対応したカウンターバランスつきオイルフリュード雲台を備えた「AL-TIM 340 Video」も。全高146cm、縮長51cm、質量1.65kg、最大耐荷重3kg。

これら新しいモデルにはスリックのイメージカラーであるブルーがデザイン的に用いられているのも特徴だ。

スリック経緯台

本格的な天体撮影時には脚部と望遠鏡の鏡胴(もしくは撮影機材)のあいだに「架台」とよばれる器具を用いるが、その際に上下方向と左右方向に動きを調整するものを「経緯台」と呼ぶ。

写真用三脚に対応した「スリック経緯台」は、各部に蓄光塗料を用いた「LUMINOUS (ルミナス)TRIPOD ASTRA(アストラ)プロ700DX」とともに展示。夜間の撮影時に蓄光塗料部分が光るために、周囲のひとたちや撮影者に三脚の存在を示しやすい。

着脱式のグリップ部分や石突にも蓄光塗料が用いられている。これらグリップや石突は別売も望みたい。

高精度微動3Way雲台

昨年も参考出品され、さらに改良された「高精度微動3Way雲台(仮称SMH-700)」も展示されていた。3Wayの動作とノブによる微動で、正確な構図を得ることができる。

秋山薫

(あきやまかおる)1973年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科ロシヤ文学専修修士課程修了。月刊カメラ誌編集部、季刊カメラ誌編集長を経験。 Kindle電子書籍のカメラ本『ぼろフォト解決シリーズ』の撮影、執筆、編集を中心におもにカメラ・写真関連記事の編集者・写真家として活動している。