デジタルカメラマガジン

写真の感性と観察眼を磨くために。書籍『風景写真の7ピース』発売

写真家の思考やアプローチを7つの要素から解説

小社では、2人の風景写真家が写真力を高めるヒントをひもといていく書籍『風景写真の7ピース 撮影イメージがひらめくアイデアノート』を7月17日に発売しました。価格は税別1,700円です。

写真を撮るための感性を磨くために

本書は、単なる撮影技術の指南書ではなく、写真を撮るための感性を磨き、自由に自分らしく写真を楽しんでもらうことを目的とした書籍となっています。

書き手は、柄木孝志さんと木村琢磨さんのお二人。どちらも風景写真を撮影している写真家です。

柄木さんは、鳥取に暮らしており、その魅力的なロケーションを伝えるために撮影を続けています。木村さんは岡山で生まれ育ち、独自の世界観やアプローチで捉えた風景を撮影しています。山陰と山陽を拠点に、異なるイメージの風景写真を生み出している2人の写真家がいかに1枚の写真を仕上げているのか、そのアイデアをまとめた1冊です。

この2人の写真家がどういうイメージを描き、写真を通じて何を伝えようとしているのか。実際に撮影された写真とともに、試行錯誤・創意工夫のプロセスを7つの要素(パズルのピースのようなアイコンで示しています)に分解して解説しています。

写真家の頭の中をのぞける構成:撮影プロセスを7つのピースに分解

本書の内容は視点や構図の考え方のほか、光や色をどのように捉えるのかといった被写体を観察する力につながるポイントや、思い描いたイメージを実現するための機材の取り扱いなど、多岐にわたっています。

本書の主な内容・構成

・写真の構想を練って独自のイメージをつくるための「視点」「構図」の考え方
・環境や被写体の様子を観察して魅力を引き出す「光」「色」「季節」の捉え方
・思い描いたイメージを写真として具現化するための「シャッター」「レンズ」の扱い方

誌面は初心者から中級者以上の人まで、さまざまな観点で読み進められるように構成されています。基本的にはひとつの見開きごとに大きな写真と、ひとつのテーマで撮影のアイデアを解説してますので、その大きな筋をつかむだけでも、写真を撮るためのアイデアが刺激される内容となっています。

また、さらに深く読み込みたいという人向けに、各写真を7つのピースに分けて解説。写真家の細かな視点や構図、露出調整の意図や考え方といった、実際にその写真をつくりあげていく上で繰り広げられているアプローチ・プロセスを知ることもできる内容となっています。

掲載写真の撮影意図は7つのピースで分解して解説。写真家が現場で何を見て、どう撮影したのか、そのプロセスをたどることができます。
撮影テクニックはイラストや図解、比較写真などを用いて初心者でも理解できるように解説しています。わかりやすく撮影技術を学べます。

書き手からのメッセージ

「写真の“楽しさ”をあらためて伝えたい」――柄木孝志さん

自分の撮る写真に個性がない、自分の撮る写真が面白くない……、そんな悩みに直面している人も多いかと思います。写真を趣味にされている人にとって、一番大切なことは何か。それは「楽しむ」ということ。培った技術で自分らしい表現の作品を撮影できたときの喜びこそが、写真を続けられる源であり、上達の秘訣です。そんな時間の積み重ねが、写真を撮るということの楽しさを教えてくれるのだと感じています。私たちのスタートもまさにここから。この1冊には、そんな自分らしさを見つけ出すヒントがたくさん詰まっています。「習うより慣れろ!」ここで得たヒントを頭の中に忍ばせて、いざカメラ片手に撮影へ。本を読んで出掛けたあなたは、きっとこれまでよりも撮影が楽しいと感じていることでしょう。

柄木孝志
株式会社LANDSCAPE DESIGN代表。JR西日本の多媒体でのキービジュアルを担当するなど写真家として幅広く活動するほか、国や各自治体などと連携しながら、写真を通じた地域活性化事業にも注力。プロデューサーとしても数多くの受賞歴あり。東京カメラ部2013年10選。

「好きと思えるものを撮影して“個性”を育てる本」――木村琢磨さん

私たちの周りにはたくさんの景色が広がっていますが、ファインダーを通して見る景色は自分を表現するキャンバスとなります。写真を撮る上で撮影スキルも必要ですが、大切なことは自分がどんな写真を撮りたいのかイメージを持つこと。そして写真撮影を楽しむことで「自分らしさ(=個性)」が生まれ育っていきます。私も自分が「好き」と思えるものを信じて撮影してきた結果、いまの自分の「個性」があります。この本には自分がこれまでに経験してきたこと、体験してきたことを詰め込んでいます。これから写真を始めてみたいと思っている人にもおすすめできる1冊に仕上がっています。本を読んだ後に見るいつもの景色はいつもと違って見えるはず。この本があなたのアイデアノートの1ページになることを願っています。

木村琢磨
1984年岡山県生まれ。地元の広告写真スタジオで経験を積んだのち独立。写真という言葉にとらわれないスタイルで主に地元岡山県の景色を被写体に作品を制作。12mの超ロング一脚やドローンを使った空撮などの特殊撮影も手がける。テレビ番組の撮影協力やカメラ雑誌への寄稿も多数。

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