ミラーレス機、レンズ交換式デジカメ市場の3割に
調査会社の株式会社BCNは、全国大手家電量販店のPOS(売上)データを基にしたデジタルカメラ市場の状況報告を行なった。
デジタル一眼レフカメラがほとんどを占めるレンズ交換式デジタルカメラの市場では、好況が続いており、前年同期に比べ、台数が6割増となった。売上金額でも3割増となっており、平均単価も7万円台を維持している。
2010年に入ってから好況が続くレンズ交換式デジカメ市場 |
この好調さの主因が、ミラーレス機の販売増加にある。今年前半は10%台が多かったミラーレス機の台数シェアは、6月以降は30%を越えている。
メーカー別ではNEXシリーズを投入したソニーのシェアが増加しており、1桁台だったシェアが9月は21.1%に達した。「キヤノンとニコンの2強時代から、ひょっとすると3強時代になる可能性もある」(BCN)というほど勢いがある。10月時点での台数シェアは、キヤノンが34.7%、ニコンが27.7%、ソニーが15.4%となっており、右の台数シェアグラフをみると、NEX投入と同時にソニーのシェアがぐっと伸びている。
右のグラフが、ミラーレス機のシェア。今年中盤に大きく伸びた | 右のグラフが、レンズ交換式カメラの台数シェア。6月よりソニーのシェアが大きく伸びた |
一方、レンズ一体型のコンパクトデジカメ市場は、台数は伸びているものの、単価の下落が激しく、金額ベースでは市場が縮小している。
コンパクトデジカメは、半数以上の機種が1,400万画素以上で、レンズのズーム倍率も向上しているが、平均単価は2万円を切っており、上昇のきっかけがつかめていない。
コンパクトデジカメ市場のシェアは、10月時点で、キヤノンが18.4%、パナソニックが16.4%、ソニーが15.2%、カシオが13.9%で、4強の熾烈な争いが続いている。
下の棒グラフで、青い棒が台数、えんじ色の棒が金額を表わす。台数は持ち直したものの、金額ベースでは前年割れが続く。上の棒グラフは平均単価 |
左は画素数、右はレンズ倍率のグラフ。機能は向上している | コンパクトデジカメのシェア動向。月ごとに順位が変わる激しい争いだ |
レンズ交換式デジタルカメラでは、ミラーレス機の販売動向と、キヤノン/ニコンの2強による対抗策が注目される。レンズ一体型では、競争の激化による単価の低下を、どのようにして食い止めるかが課題となるだろう。
2010/11/10 14:30