ライカカメラジャパン、二子玉川店を23日にオープン


 ライカカメラジャパンは23日、東京世田谷区に「ライカ二子玉川店」をオープンした。ライカの直営店は、銀座、ロンドン、パリに次ぐ4店目。

ライカ二子玉川店が所在する玉川高島屋ショッピングセンター南館黒と赤を基調としたソリッドな店内
ライカ二子玉川店の都丸直亮店長赤が写真関連、木目(黄)が双眼鏡など自然観察の展示
ゆったりした空間の中、カウンターやラウンジで説明を受けることができる

 ライカ二子玉川店は、40周年を迎えた玉川高島屋ショッピングセンター南館に出展。営業時間は10時〜21時。ライカ初の直営店、銀座店は路面店だったが、今回は大規模SC内での開店となる。

 売り場面積は銀座店とほぼ同等の60平方m前後。3名程度のスタッフが常駐し、現行製品のほぼすべてを手にとることができるのも銀座店と同じだ。ただし内装のコンセプトは銀座店とは若干異なる。初の直営店だった銀座店は、オリジナルの内装を模索した店舗だったという。その後ライカは販売店に関するコンセプトを固めて、ロンドン、パリ、モスクワ(この店舗のみ直営店ではない)に適用してきた。二子玉川店もその流れを汲み、フォトグラフィー(カメラ・レンズなど)の什器を赤と黒、自然観察(双眼鏡など)の什器を木目と黒に定める世界共通のデザインを採用したという。

 また、通路側の壁を取り払ったオープンスタイルのため、銀座店に比べて「ふらりと立ち寄られるお客様が多い」(都丸直亮店長)とのこと。銀座店ではライカの世界観をすでに共有している客層が多いとすれば、二子玉川店ではライカになじみが薄い客層を呼び込める可能性があるとしている。

 実際、銀座店ではブラックやシルバーのM型ライカが主役だが、二子玉川店では、特別色のD-LUXシリーズやC-LUXシリーズなどに興味を覚えるライトユーザーが目立つという。取材中にも多くの女性が店内に訪れており、ライカのアンテナショップとしての役割を担いそうだ。

 店内には、発売前のX1とS2を中央に展示。納期の遅れをアナウンスしたM9は在庫がなかった(23日夕刻に行なわれた関係者のレセプションでは展示してあった)。

 珍しいところでは、オリーブカラーのD-LUX4サファリを展示。6,000台限定で今秋に発売した製品で、量販店などで本物を見る機会は少ない。専用のキャリングバッグとともに展示してあった。価格は12万2,000円。

X1S2
M9は23日に展示してあった(26日の取材日は在庫切れ)トリエルマーM 16-18-21mm F4 ASPH.(42万7,350円)とユニバーサル広角ビューファインダー(9万6,600円)
オリーブカラーの限定D-LUX4。限定6,000台。左のバッグが付属するD-LUX4の化粧箱。ライカ製品の多くはこうした銀色の箱に入っているという

 さらに二子玉川店では、M型の新しいエルメスエディションを参考展示している。かつてライカカメラAGの筆頭株主がエルメスだった頃のMPエルメスエディションと異なり、今回はM7がベース。発売時期、価格、付属品など詳細は未定とのこと。展示品は0.72倍のファインダーを搭載し、ライカビットを装着していた。レンズはズミルックス35mm。このモデルについても来客からの質問が多いという。

参考出品のM7エルメスエディション。発売時期、価格とも未定両脇には付属品と見られるアイテムもあった

 店内では写真集やプリントの販売も行なっている。主な作品はエリオット・アーウィット氏のものなど、銀座店2階のライカ銀座ギャラリーで展示のあった作品。また、店舗側面に大きなモノクロプリントを掲示するほか、ライカの写真用DLPプロジェクター「プラドビット D-1200」によるスライドショーなども行なっている。

 都丸店長は「同じフロアの紀伊国屋書店様と共同フェアを開催したり、レイアウト替えによる試行錯誤など、SC内ならではの取り組みを行なっていきたい。より広いライカブランドの認知に繋がれば」と語っていた。

写真集の展示コーナー。ちなみに同店の隣は紀伊国屋書店だった
銀座店のように定例の写真展は行わないが、店舗側面に写真を展示する企画を行なっているという


(本誌:折本幸治)

2009/10/26 15:13