ペンタックス、「K-x」発表会で“コレジャナイロボモデル”を発表
K-xを手にした穂のかさん |
ペンタックスは17日、同日発表のデジタル一眼レフカメラ「K-x」の発表会を都内で開催した。
会場ではK-xの発表に加え、オーダーカラー受注システム「PENTAX K-x 100colors,100styles.」の紹介も行なった。また、ゲストとして元F1レーサーの片山右京氏、女優の穂のかさん、コラムニストの泉麻人氏を招いてのトークセッションも実施した。K-xについて詳しくは、別記事を参照されたい。
タッチ&トライコーナーを設置。カラフルなK-xを展示していた | 「DA L 55-300mm F4-5.8 ED」を装着したK-x(左)と「DA 55-300mm F4-5.8 ED」を装着したK-m(右) |
DA L 18-55mm F3.5-5.6 ALを装着したところ | DA 15mm F4 ED AL Limitedを装着したところ |
DA 40mm F2.8 Limitedを装着したところ | D FA 50mm F2.8 Macroを装着したところ |
DA 21mm F3.2 AL Limitedを装着したところ | DA 70mm F2.4 Limitedを装着したところ |
モードダイヤルにムービーモードを追加。K-m(右)のヘルプボタンには各種機能を割り当てるユーザーが多かったことから、K-x(左)ではグリーンボタンに変更したという | K-x(左)とK-m(右)。背面にライブビューボタンを新設。削除ボタンはK-7と同等の位置にあたる左肩部分に移動した |
マイクはモノラル | スピーカー |
単3電池を採用 |
■どこにも負けない自信がある
HOYA取締役執行役最高執行責任者の浜田宏氏 |
発表会の開始にあたって、HOYA取締役執行役最高執行責任者の浜田宏氏が挨拶した。「こういった形で発表会をするのはペンタックスとして5年ぶり。K-xはペンタックスとしても非常にまじめにつくったカメラですし、スペック的にも胸を張れるカメラです」とアピールした。
「ペンタックスの良いところは、とにかく性能や品質にこだわり、モノづくりに非常にまじめであるところ。お客様に本当に愛していただけるものを作れるし、作ってきた。その一方で時代やお客様のニーズをあまり考えず『いいものを作れば売れるだろう』という面もあって、このふたつがあまり整理整頓できていなかった。私たちがこの1年取り組んできたのは、いいものを作るのは当たり前で、組織の中にマーケティングマインドを植え付けるという作業。今回これが結実し、どこにも負けない自信があります」(浜田氏)
■K-xは「いい写真を撮りたいすべての人に向けた一眼レフ」
市場動向については、HOYAペンタックスイメージングシステム事業部事業部長の井植敏彰氏が説明した。井植氏は2009年7月までの国内におけるデジタル一眼レフカメラの出荷台数を提示し、2009年2月以降は回復基調にあると説明。また、需要は落ち込み気味ではあるものの、潜在的にはデジタル一眼レフの所有意思を持つ消費者がまだまだいる市場であると分析した。そのうえで、近年の一眼レフ購入者層の変化にも触れ、「それまで一眼レフに触れたこともない、初めて一眼レフを購入する層」が増加してきているとの調査結果を示した。
HOYAペンタックスイメージングシステム事業部事業部長の井植敏彰氏 | デジタル一眼レフカメラの出荷台数は回復傾向にあるという |
調査結果によると、「デジタル一眼レフカメラが欲しい人ランキング」と「余暇の過ごし方に写真撮影を挙げた人ランキング」の2位はそれぞれ30代と20代の女性だという。また、購入者層の変化に伴い、最近の調査では、一眼レフに対して購入価格、手ブレ補正の有無、本体サイズ、重量といった要素を重視する傾向があるとした。
「最近のユーザーは、カメラ付き携帯電話の普及もあり、写真を撮るということに慣れていらっしゃる。多種多様な写真撮影シーンの増加によって、写真を撮る回数が増えてくると、より良いカメラが欲しくなってくるのではないか」(井植氏)
初めて一眼レフカメラに触れる層が増加した | 「購入価格」、「手ブレ補正機能の有無」、「本体サイズ・重さ」を重視する傾向があるという |
写真を発表する機会が増えたことで、「よりよい写真」を撮りたいという欲求が高まっていると分析 | 購入動機としても「よりよい写真が撮りたかった」がトップ |
日常を撮りたいという欲求が増えている | 写真のタイプ分類 |
また井植氏は、世代を問わずブログを書く習慣が浸透することにより、「写真を見る機会」や「写真を披露する機会」の増加にともなって、「写真を批評する、または批判される機会」も増加し、「よりよい写真を撮りたい欲求」が高まってくるとも分析。その上で、K-xのコンセプトを「いい写真を撮りたいすべての人に向けた一眼レフ」と説明した。
「『いい写真』の傾向も変わってきていて、最近の潮流としては、なんでもない身の回りの日常風景や、普段のお子さんの写真といった、『日常をゆるく撮る』という写真の評価が上がってきています。K-xは、『みんなでいい写真を撮る』ためのカメラです」(井植氏)
続いての製品説明は、HOYAペンタックスイメージングシステム事業部副事業部長兼開発統括部長の北沢利之氏が担当。K-xのキーコンセプトを「ミドルクラス並のカメラ性能」、「かんたん、手軽」、「多彩な写真表現」と説明したうえで、K-xと他社製品の性能比較表を提示し、K-xの性能をアピールした。
HOYAペンタックスイメージングシステム事業副部長兼開発統括部長の北沢利之氏 | K-xのキーコンセプト |
他社のエントリークラスとミドルクラスとの比較 | センサーの変更による解像度の向上をアピール |
カスタムイメージにはK-7で搭載した「ほのか」を装備 | 同じくホワイトバランス調整の「CTE」やHDR合成機能も備える |
銀塩のクロスプロセスをデジタル処理で表現する | パラメータをランダムに変更し、撮影する度に異なる色味の写真が撮れる |
クロスプロセスとデジタルフィルターの組み合わせも提案した |
■「変化球も時には必要だが、ものづくりはきっちりやる」
オーダーカラー受注サービス「PENTAX K-x 100colors,100styles.」の発表も行なった。井植氏によると、マーケティングにあたっては非常に幅広い層が「よい写真を撮りたい」という欲求を持っていることで、セグメンテーションが困難になっていたという。「この際ノンセグメンテーションのマーケティングをやってみようと考えました。ひどい色だなあと思われる方もいらっしゃると思いますが、それもありだと考えております。非常に楽しい取り組みをご紹介できたと自負しています」(井植氏)
メインカラー3色のほか、100通りの組み合わせが一堂に会した | 各組み合わせは受注生産 |
また井植氏は、製品作りやプロモーションに関して、今後も新発想や変化球を重視するのかとの質問には「イエスノーでいえばノー。変化球も時には必要だとは思いますが、ものづくりの部分をきっちりやるというのははずしたくはないです」と回答していた。
ボディカラー20色に対して各5色のグリップカラーを用意する。Webサイトでは組み合わせのカラーシミュレーターも公開し、注文は取扱店で受け付ける。詳しくは関連記事をご覧いただきたい。
■「K-x コレジャナイロボモデル」は100台限定で販売
武笠太郎氏と坂元嘉種氏が手掛ける、ザリガニワークスの木製手作り玩具「コレジャナイロボ」とコラボレーションした「K-x コレジャナイロボモデル」も発表した。赤、青、黄色、白のカラーを各パーツに配し、内蔵ストロボの部分には油性マジックで手描きした顔が配置されているというもの。「コレジャナイロボ」がそのままカメラに変形したようなイメージで制作したという。
武笠太郎氏(左)と坂元嘉種氏(右) | K-x コレジャナイロボモデル |
デザイン案 | プロモーションデザイン |
「コレジャナイカメラ」の話は、ペンタックスがザリガニワークスに持ち込んだという。
「初めは冗談だと思っていたのですが、お話を伺ううちに本気だということが伝わってきて、『じゃあ、作りますか』ということで、デザインを進めていきました」(武笠氏)
ザリガニワークスの製品として、ペンタックスのオンラインショップで取扱う。限定数は100台。機能については通常のK-xと差異はない。コレジャナイロボの顔は、武笠氏が一つ一つ手描きで描き込んでいくとのこと。
「顔がいやな場合は拭けば落とせますので、トリコロールカラーのかっこいいカメラとしてお使いいただけます」(武笠氏)
■「誰にでも扱えるツールが登場するのは正常進化」
トークセッションでは、元F1レーサーの片山右京氏が登場。登山家でもある片山氏は、自身で撮影した写真も披露した。写真は普段からよく撮っているものの、本格的な一眼レフに関しては全くの素人だったという。
「井植氏と個人的な親交があったということもあり、今回はF1イタリアグランプリへ行くときにK-xを借りて使ってみたんです。レストランのシャンパングラスをちょっと接写してみて、『こんなに撮れるんだ』という風にいろんな楽しみがわかってくると、だんだんはまりそうな気配はありますね」(片山氏)
片山右京氏 | ブルーのK-xが贈られた |
また片山氏は、一眼レフに対して「扱いづらい」というイメージを持っていたとも語った。
「私は機械が好きだけど弱くて、録画予約なんかも子どもに頼んだりしているくらいなんですが、(K-xを今回使ってみて)こんなに簡単に撮れるのなら、もっと早く手を出せばよかったかなと。使う人が素人でも、人に優しくて、誰にでも扱えるツールが出てくるならば、それは正常な進化だと思います」(片山氏)
■穂のかさんと泉麻人氏も参加
女優の穂のかさんとコラムニストの泉麻人氏も駆けつけた。両名が選んだカラーのK-xを手に、普段撮影している被写体や、K-xを使って何を撮影したいかという内容。2人には、選択したカラーのK-xがその場でプレゼントされた。
普段もよく写真を撮るという穂のかさん。先日までロケで滞在していたカナダでは、2,000枚以上写真を撮ったという | 泉氏は取材用にペンタックスのコンパクトデジタルカメラを所有。趣味も兼ねて街のスナップを中心に撮影している |
「全部の組み合わせでカタログを拝見して選んだときにも迷ったのですが、今日初めて実物を見て、また目移りしてしまっています」(穂のかさん)
「カクテルのバイオレットフィズのようなイメージですごくきれいな色合いだったので選びました。ただ、すべてのカラーが揃っていると、別の色も欲しくなりますね。日替わりで変えたくなります」(泉氏)
2009/9/18 13:12