ニュース

撮影地への移動中も、待機時間も。カメラマンのためのカロッツェリア新製品解説

会場の様子

パイオニアは、「2026年夏 カロッツェリア新商品」のメディア向け体験会を6月12日(金)にベルサール秋葉原で開催した。シリーズ史上最高音質を追求した4,000台限定の「サイバーナビ LIMITED EDITION」など、2026年夏の新製品が紹介された。

カロッツェリアは、パイオニアがカーナビやカーAVなどを展開するブランドで、2026年に40周年を迎える。世界初の市販GPSカーナビを世に送り出したメーカーでもある。撮影者にとって気になる、カーナビや周辺機器の最新事情をレポートする。

シリーズ史上最高音質を追求した限定モデル

夜明けを待つ長い車中や、天候回復を待つ山の駐車場——カメラマンには待機時間がつきものだ。その時間を豊かにするオーディオ機能も今回の発表の柱となっている。

カロッツェリア40周年の節目に登場する「サイバーナビ LIMITED EDITION」は4,000台の限定生産モデルで、シリーズ史上最高音質を追求したとしている。

デリカ D:5に装着されたサイバーナビ LIMITED EDITION(AVIC-CQ912IV-DC)
音楽CDの約6.5倍の情報量を持つという高音質のハイレゾ音源の再生にも対応する

日清紡MUSESブランドの高音質オペアンプを採用するなど、ハイクオリティなパーツを惜しみなく投入したという。発表後、すでに一部モデルは新規受注を停止するほどの反響があったとしている。

サイバーナビのオーディオ基板

スマホナビとは一線を画す測位性能

カメラマンにとって、撮影地へ向かう道中のナビゲーションは重要だ。林道や山岳路では電波が不安定になりやすく、スマートフォンのナビアプリが自車位置を見失う場面も珍しくない。

2026年夏にカロッツェリアが発売する新製品のラインアップ
サイバーナビはその中でも、サイズやネット通信機能など異なる6機種を展開する

パイオニアによれば、サイバーナビのGPS測位は1秒間に10回で、歩行者利用を前提に設計されたスマートフォンの約10倍にあたるという。さらに6軸ジャイロセンサーなどを組み合わせたハイブリッドセンサーを搭載しており、首都高の大橋JCTのようなトンネルかつループ状の道路や、GPS信号が途切れやすいカーブが多発する山中の道でも自車位置がずれないとしている。

地図データの質も異なる。サイバーナビの地図データには「道幅が広い」「ヒヤリハットが多い」といった道路固有の情報が組み込まれており、同じ目的地であっても異なるルートを提案することがあるそうだ。

サイバーナビの地図画面。事故などが多い「ヒヤリハット地点」なども表示できる

幅5.5m未満の細い道でもルートの色を変えて表示し、目的地の駐車場入り口まで案内を継続する。「目的地周辺に着きました」と途中で案内を打ち切ることはないという。撮影地の奥にある小さな駐車場まで初めて向かう際にも、心強い機能といえる。駐車場の入り口データも備え、反対車線で入れないなどといった細かな配慮もされているという。

渋滞情報についても、リアルタイムデータに加えて過去の蓄積データを活用する。「1月1日の初日の出の時間帯はこの道が混む」といった傾向も反映でき、数時間先を見据えたルート提案が可能としている。

駐車中も安心を。ドライブレコーダーに新モデル

カロッツェリアのドライブレコーダーには意外なルーツがある。過去のサイバーナビに搭載されていたAR機能の映像を「記録してはどうか」という発想が原点で、そこから衝撃検知によるイベント録画機能が生まれたという。

ドライブレコーダーのラインアップ

今回発表された新モデル「VREC-DH610D」では、走行中はHDRで、そこから駐車監視モードに入るとWDRへ自動で切り替わる画像処理機能を搭載した。明暗差の激しい環境と暗所撮影それぞれに最適な処理を自動で使い分ける仕組みで、同社として初めての試みだという。画質へのアプローチはカメラユーザーにも興味深い内容といえる。

市場では買い替え需要が本格化する一方、製品の多様化で「どれを選べばいいか分からない」というユーザーが増えているとのこと。今回の新モデルは駐車監視機能を標準装備し、64GBのSDカードも同梱することで「これ1台で安心」を標榜する。新車の純正ドライブレコーダーから市販の高画質モデルへの載せ替え需要も増加傾向にあるという。

カロッツェリア40周年、あの「光るボックス」が帰ってくる

クルマのリアウインドウ越しに青く光るボックススピーカー——1980年代に青春を過ごした世代なら、あの光景を覚えているのではないだろうか。後席のリアトレイに鎮座し、夜の街で存在感を放ったあのアイテムが、「TS-X40」として新たによみがえる。

カロッツェリア40周年を記念して登場した本製品は、当時の光るボックススピーカーに着想を得ながら、現代の車両にも調和するデザインと高音質設計を両立したモデルだ。過去のイベントで「昔使っていた」「また出してほしい」という声が多く寄せられたことが製品化のきっかけになったという。当時を知る世代には懐かしく、若い世代には新鮮に映るレトロデザインに仕上げている。

イルミネーション部分はハーフミラー仕様で、点灯時は青く輝き、消灯時はシルバーのロゴが静かに浮かび上がる。ネジ穴をあえて隠さない無骨な仕上げは当時へのオマージュで、現代風のブラックパネルと組み合わせることで、いまの車内にも違和感なく収まるスタイルに仕上げている。

さらに実用面でも見どころがある。リアの高い位置に設置されるという特性が、空間オーディオが表現する「音が上から降ってくる」感覚の再現にも適しているという。懐かしさだけでなく、最新の音響体験とも相性がいいというのは、なかなか粋な組み合わせといえる。

新製品ラインアップ

サイバーナビ

「サイバーナビ LIMITED EDITION」のラインアップは以下の通り。いずれも6月発売予定で、希望小売価格はオープン価格となっている。店頭予想価格は23万円前後〜29万円前後。

6モデル合計で4,000台の限定生産となっている。

  • 9V型 AV一体型メモリーナビゲーション ネットワークスティックセット:AVIC-CQ912Ⅳ-DC LIMITED EDITION
  • 9V型 AV一体型メモリーナビゲーション:AVIC-CQ912Ⅳ LIMITED EDITION
  • 8V型 AV一体型メモリーナビゲーション ネットワークスティックセット:AVIC-CL912Ⅳ-DC LIMITED EDITION
  • 8V型 AV一体型メモリーナビゲーション:AVIC-CL912Ⅳ LIMITED EDITION
  • 7V型 AV一体型メモリーナビゲーション(200mmワイド):AVIC-CW912Ⅳ LIMITED EDITION
  • 7V型 AV一体型メモリーナビゲーション(2D):AVIC-CZ912Ⅳ LIMITED EDITION

ディスプレイオーディオ

ディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」は5月発売で、希望小売価格はオープン価格となっている。

  • 10.1V型 HD/Bluetooth/USB/チューナー・DSPメインユニット:DMH-SF1000

ドライブレコーダー

吊り下げ型1機種と一体型3機種のを6月に発売する。希望小売価格はいずれもオープン価格。

  • ドライブレコーダー(吊り下げ型・370万画素WQHD):VREC-DH610D
  • ドライブレコーダー(一体型・4K):VREC-DZ810DⅡ
  • ドライブレコーダー(一体型・フルHD):VREC-DZ410DⅡ
  • ドライブレコーダー(一体型・フルHDコンパクト):VREC-DZ210DⅡ

デジタルミラー

録画機能を持たず、後方視界のサポートに特化したモデルとしてラインアップに加わる。6月発売で、希望小売価格はオープン価格となっている。

  • デジタルミラー(11V型IPS液晶・フルHDカメラ):MSD-DM300
本誌:佐藤拓