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「2025年度ライカ・オスカー・バルナックアワード」の受賞結果が発表
アメリカ・メキシコの国境地帯を取材したアレハンドロ・セガラ氏など
2025年10月10日 15:33
ライカカメラ社は10月9日(木)、「2025年度ライカ・オスカー・バルナックアワード」の受賞者を発表した。一般部門はベネズエラ人写真家アレハンドロ・セガラ氏によるシリーズ作品「The Two Walls」が、新人部門はドイツ人写真家セルゲイ・ドゥヴェ氏のシリーズ作品「Bright Memory」が選出された。
ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)は今年で45回目を迎えた国際的な写真アワード。2025年度の一般部門は約50カ国・120名以上の写真業界の専門家によって推薦された300件を超える応募作品の中から選出。新人部門となるニューカマーアワードは、17カ国の国際的な教育機関および大学との連携により決定した。
なお、授賞式は「ライカI」誕生100周年記念行事の一環として行われた。
一般部門の受賞作品となるアレハンドロ・セガラ氏の「The Two Walls」は、アメリカとメキシコの国境地帯を取材したモノクローム写真で構成。「移民や難民申請者たちの声なき声に光を当て、現地の過酷な状況を共感のまなざしをもって描き出して」いるという。
1989年にベネズエラで生まれたアレハンドロ・セガラ氏。2014年には、ベネズエラの首都カラカスにある不法占拠された高層ビルを題材にした「The Other Side of the Tower of David」でニューカマーアワードも受賞している。
ニューカマーアワードの受賞作品、セルゲイ・ドゥヴェ氏の「Bright Memory」は、自身の家族と、家族の旧故郷であるトランスニストリアの深いつながりを描いた作品。1990年にモルドバからの独立を宣言したが国際的に承認されておらず、ロシアの支援のみを受けている地域で、作品には郷愁や分断を抱えながらも営まれる日常の暮らしが写し出されているという。
セルゲイ・ドゥヴェ氏は1999年にモルドバで出生。1歳の頃に家族とともにドイツ・ハノーファーへ移住し、ドイツの幼稚園や学校で教育を受けながらも、自宅ではロシア語を話し、ロシア文化とともに育ったという。
なお、受賞作品およびファイナリストの作品は世界各地のライカギャラリー、写真フェスティバルで順次展示される予定としている。