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富士フイルムGFレンズに初の電動パワーズーム

ズーム全域でT3.5 映像制作の現場を意識

富士フイルム株式会社は、ミラーレスカメラ「GFXシリーズ」用の交換レンズとして、「フジノンレンズ GF32-90mmT3.5 PZ OIS WR」を10月下旬に発売する。GFレンズとして初の電動パワーズームレンズで、質量約2.1kgの小型軽量ボディを実現した。希望小売価格はオープン。

35mm判換算で25-71mm相当の画角を持つパワーズームレンズ。同日発表した映像制作用カメラ「FUJIFILM GFX ETERNA 55」と組み合わせることで、カメラ側での電動ズーム操作が可能になる。

映像制作現場では近年、省力化と高品質化の両立が課題だという。1本のレンズで広角から標準域をカバーできる電動ズームレンズは、レンズ交換の手間を省き、少人数での撮影現場でその威力を発揮するとしている。

EDレンズ3枚、非球面レンズ3枚を含む19群25枚のレンズ構成を採用。収差を極限まで低減させることで、ズームレンズながら単焦点レンズと同等の高い解像力を実現したという。フレアやゴーストを抑えるナノGIコーティング技術を採用し、クリアな描写性能を確保した。

ズーム全域でT3.5の明るい開放値を維持し、制作者の意図に応じた細やかな露出調整を可能とする。

フォーカス、ズーム、絞りの各操作リングを搭載し、そのすべてに従来のFUJINONシネレンズと同一の0.8Mギアピッチを採用。フォローフォーカスやレンズモーターなど、映像制作に欠かせない標準的な周辺機器を使用できる。

フォーカスリングは200°の幅広い回転角を採用し、被写界深度の浅いシーンでも滑らかなトルクによる精緻なフォーカシングを実現。

手ブレ補正機能も強化した。手ブレのセンシング精度向上と補正機構の最適化により、ドキュメンタリーなど機動力が求められる撮影スタイルでの手ブレを効果的に抑制する。

  • レンズ構成: 19群25枚(非球面レンズ:3枚、EDレンズ3枚含む)
  • 絞り:T3.5〜32
  • 絞り羽根:13枚絞り
  • 最短撮影距離:0.8m(広角端、望遠端ともに)
  • 最大撮影倍率:0.06倍(広角端)
  • フィルター径:Φ111
  • 外形寸法:Φ123.5×222.5mm
  • 質量:2,150g
本誌:佐藤拓