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岩間しげる写真展「遠野 ひとり語り」

(オリンパスギャラリー東京)

©岩間 しげる

遠野は岩手県の内陸部にして、花巻と釜石の中間点に位置し交易の拠点として栄えた所です。

柳田國男の「遠野物語」で知られる地で、出版から百年を2010年に迎えました。私が、遠野に関心を覚えたのは、森山大道氏の文庫本「遠野物語」からで自分もその様な環境に身を置いてみたいと思うようになり、とにかく現地に行って撮影をしたい思いを決行した次第です。

山男・妖怪・もののけ・座敷わらし・カッパ・オシラサマ等々興味尽きない物語や言い伝えを背景に、山中・里中・町中を「幽(かそけ)きモノ」との遭遇を夢想しつつ浮遊してきました。

郊外の田園地帯で野焼きの煙を所どころで見かけましたので、話を聞きますと刈り取った草は本来なら家畜の餌になっているのですが今は燃やして処理するしかないという話でした。

同じ「見えないモノ」でも「遠野物語」にはない脅威が、この長閑な風景の中に浸透している事を、今更ながら思い知らされました。

そんな遠野は故郷そのものの存在で懐かしくも優しく、遠方から来た旅人を包んでくれました。

(写真展情報より)

岩間しげる写真展「遠野 ひとり語り」

  • 会場:オリンパスギャラリー東京
  • 住所:東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル
  • 開催日:2013年4月25日(木)~2013年5月2日(木)
  • 時間:10時~18時(最終日は15時まで)
  • 休館:日、祝日

(本誌:武石修)