原芳市写真展「光あるうちに」(銀座ニコンサロン)


トルストイが著した『光あるうち光の中を歩め』は、古代キリスト教に生きる2人の若者を通して描く、著者晩年の思想を色濃く示した小説である。
作者はこの小説を知らずに、15年ほど前から「光あるうちに」とタイトルした写真を撮影しはじめていた。
ある日、何気なく古本屋の書棚を見ていた時、作者は薄っぺらな文庫本のタイトルに釘付けになった。それは『光あるうち光の中を歩め』で、作者の「光あるうちに」という作者自身の問に対する解答が、トルストイによって与えられているような衝撃であった。
その後は、トルストイのその小説とは無関係に、そのタイトルだけが作者の脳裏に渦巻くようになり、何を見ても、何をやっていても、常にそのタイトルがリフレインし、何気なく気になって撮影した光景や人やモノは、そのタイトルに導かれて撮影したのだ、と撮影後に思ったりするという。
モノクロ70点。
(写真展情報より)

  • 名称:原芳市写真展「光あるうちに」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • 開催日:2012年2月15日~2011年2月28日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)

2012/2/1 00:00