キヤノン、業務用フォトプリンター第1弾「DreamLabo 5000」


 キヤノンは15日、業務用フォトプリンター市場に本格参入すると発表した。第1弾となる業務用インクジェットプリンター「DreamLabo 5000」を9月に発売する。価格は5,250万円。

DreamLabo 5000(オプションペーパーデッキ装着時)

 キヤノンが新たに参入するのは、店頭やWebサイトから受注して写真のプリントやアルバムなど付加価値を付けた写真商材の製作を行なう「リテイルフォト業界」と呼ばれる分野。同社がこれまで培ってきたインクジェット技術などを投入する。“総合的に銀塩写真を上回る色表現”という高画質と高生産性の両立を達成したとする。

 プリントヘッドには、均一な極小インク滴を正確に吐出して用紙の最適な位置に着弾させることが可能な「FINE」(Full-photolithography Inkjet Nozzle Engineering)を採用。ウエディングなどの高品位フォトアルバムに要求される画質を実現したとしている。印刷解像度は2,400×1,200dpi。印刷可能範囲は89×89mm~635×305mm。

 インクは染料でシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに、フォトシアン、フォトマゼンタ、グレーを加えた7色。グレーインクの採用で、CMYKのみよりも安定した色再現が可能という。明部では銀塩では表現が難しいという明るい交差度の青や黄色の再現性が向上。印刷画像に透明感を与えるとともに、暗部では暗く濃い色の表現力を高めた。

 撮影シーンを自動で解析し、シーン別に適正な補正を加える「写真補正」機能を用意(オプション)。手間のかかる色調整作業が不要だとする。

 なお、純正用紙のインク受容層には主材料としてアルミナを採用。染料のみを受容層の表面近くに定着させることが可能で、高濃度で鮮やかな色再現が可能という。なお純正用紙とインクを使用した場合、暗所保存で約300年の耐久性を謳う。

 FINEを応用した最大305mm幅の印刷が可能なプリントヘッドを新たに開発。ヘッドを固定したまま1回の用紙搬送で高速にプリントできる「ワンパス印刷」が可能。Lサイズを44枚/分のスピードで印刷できる。また、自動両面印刷機能も備え、A4サイズのフォトアルバム1冊(20ページ)分を72秒(50冊/時)で印刷可能。アルバム生産には、別途製本工程が必要。

 4本のロール紙を装填して、さらに長時間の連続印刷ができる「オプションペーパーデッキ」も525万円で用意する。

 サイズは3,430×1,600×1,540mm、最大重量は2,500kg(いずれもオプションペーパーデッキ含まず)。

【2011年2月15日】初出時、最大重量を「1,500g」と記載しておりましたが正しくは「2,500kg」です。


(本誌:武石修)

2011/2/15 16:05