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撮る喜びと、持つ喜びを追求…「LUMIX S9」に新色追加で計21パターンのカラバリに
LUMIX BASE TOKYOで先行展示品を見てきた
2024年10月11日 07:00
パナソニックの「LUMIX S9」(以下、S9)は、ファインダーを省略したフラットトップデザインを採用するなどフルサイズ機でありながらコンパクトな「初めてのカメラに最適な1台」として、今年6月に投入されたミラーレスカメラだ。そのS9に、発売から4カ月を経て新たなカラーバリエーションが追加された。
ということで、さっそく同社のショールーム「LUMIX BASE TOKYO」(東京・港区)に先行展示品を見に行った。
貼り革は計7色に
そもそもS9は発売当初より「エクステリア張り替えサービス」として、ベースモデルのダークシルバーとジェットブラックから、「ダークオリーブ」「クリムゾンレッド」「ナイトブルー」の3色に変更できる有償サービスを展開していた。これはエクステリアと呼ばれる貼り革の部分を張り替えるというものだ。
で、新色の話だが、この変更できる貼り革に「キャメルオレンジ」「ターコイズブルー」「スモーキーホワイト」「ジェットブラック」の4色が追加された。既存カラーと合わせて計7色のラインアップとなる。
新色は、既存色と比べて見た目にも軽やかな明るいカラーを選定したという。言われてみれば、当初このサービスの話をきいたとき「暗めの渋い色が多いな」と感じたことを思い出す。
同社によると、このエクステリア張替サービスは6月に開始して以降、「自分だけの1台を作るカスタマイズ性」を評価され、多くのユーザーが利用してきたそうだ。自分のカメラをカスタムすることで「持つ喜び」を楽しんでもらいたい。今回のカラー追加でそれをより高められるとして、「撮る喜びも、持つ喜びも」を提供していく考えなのだという。
「キャメルオレンジ」は新レンズキットにも
なかでも「キャメルオレンジ」は、同じく新たに追加されるレンズキット「Nキット(LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3同梱)」のベールモデルにも設定された。
LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3については、単体販売はブラックモデルのみだが、「キャメルオレンジ」のレンズキットだけシルバーモデルが付属する。
パナソニックは過去のモデルにも“オレンジ”を採用した実績があり、このカラーに思い出のあるユーザーもいることだろう。
その象徴ともいえるのが、2013年に登場した「LUMIX DMC-GM1」(以下、GM1)。S9はGM1と比較するとボディサイズが大きいことや、価格帯も異なることを踏まえ、今回追加した「キャメルオレンジ」はより“しっとりと上質感のある模様と色合い”を目指したという。
GM1のほかにも、LUMIX GF7(2015年)、LUMIX GF9(2017年)、LUMIX GF10(2018年)で採用歴のある“オレンジ”。同社によると、そのアイコニックな見た目で多くのLUMIXファンに愛されてきたという。とくに女性からも多くの支持を得てきたのだそうだ。
そこで改めて、今回追加された4色のうち、「キャメルオレンジ」のみ「エクステリア張替サービス」に限定しない販売方法とした理由を聞いてみた。以下がその回答である。
「最近のカメラデザインを見ると黒色が多く、このような明るいカラーリングのカメラは、これからカメラを始める方にはとても新鮮に見えるのではないかと思います。今回、弊社フルサイズのSシリーズでは初めてのフラットデザインで、皆様に支持されたオレンジを登場させることでこれまでLUMIXをお使いいただいている方には懐かしさと、初めてカメラを購入される方には新鮮さを提供できると考えキャメルオレンジを導入しました」
ちなみにS9の購入層は30代以下が4割程で、レンズ交換式のフルサイズミラーレスカメラにおける歴代LUMIX機の中でも、若いユーザーがこれほどの割合を占めるのは珍しいのだとか。
デザインのコダワリ
Nキットのベースモデルの「キャメルオレンジ」はボディ色にシルバーを採用しているが、実はこれが既存カラーのダークシルバーに採用されたものとは異なる色味となっている。「キャメルオレンジ」の方はより明るく輝度感を感じられる色味で、貼り革にマッチするよう仕上げたという。
「ターコイズブルー」「スモーキーホワイト」「ジェットブラック」に関しては、ベースモデルのダークシルバーとジェットブラックの両方に合うカラーとした。
とくに「スモーキーホワイト」は、ダークシルバーのボディに合わせるとグレーに、ジェットブラックのボディに合わせると白に見えるような絶妙な色合いを目指したのだそうだ。
ベースモデルのボディ3色(ブラック、暗いシルバー、明るいシルバー)×貼り革7色で、その組み合わせは21パターンになる。
S9は、レンズ交換式カメラを初めて購入するSNSアクティブユーザーをメインターゲットに据えている。そうした層はSNSで人生を豊かにしたいという想いがあるとし、同社は「ユーザーの生活をさらに豊かなものにする」ことをS9の開発意図としている。
「撮る喜びも、持つ喜びも」を追求するひとつの回答として、カラーバリエーションを拡充したことは興味深い。ハイエンドモデルの競争が盛り上がりを見せるフルサイズ機にあって、機能を厳選しつつ手に取りやすい価格帯にするなど特異な存在感を放つS9は、今後どのような展開をみせるのだろうか。