ニュース

ザクティ、ウェアラブルカメラ&配信サービスの事業向けソリューション「Xacti LIVE」

株式会社ザクティは10月3日、業務用途のウェアラブルライブ映像デバイス&配信サービス「Xacti LIVE」を発表した。ウェアラブルライブ映像デバイスの「CX-WL100」と、遠隔支援用アプリケーションサービス「Xacti Booster Package」を用意する。

撮影者の目線映像を、リアルタイムで遠隔地に共有できるシステムおよびサービス。少子高齢化による人手不足など社会が抱える課題を解決し、働き方改革の推進に有効なソリューションとして訴求する。例えば建設現場における遠隔による検査・指示、不動産の遠隔内覧などを可能とすることで、業務の効率を大幅に向上できるという。

ウェアラブルライブ映像デバイス「CX-WL100」

映像デバイスの「CX-WL100」は、映像記録および通信機能を持たないため、スマートフォンに接続しての利用が基本となる(iOS/Android両対応)。通信にはスマートフォン回線を利用。映像の記録については、スマートフォンに保存するか、アプリケーションサービスに含まれるクラウド保存(100GB)が利用できる。

CX-WL100の特徴は、「ブレ補正」と「水平維持」機能を搭載している点。これにより、撮影者の体勢に影響されない安定した映像が遠隔地に送られる。防塵防水性能も備えている。

外形寸法は26×34×35mm、本体重量は29g(カメラヘッド部分)。映像の記録・通信機能をカメラ本体から排したことで小型・軽量化を実現。工事現場のヘルメットへの装着を想定した従来モデル「CX-WE100/WE110」からは容積が1/7以下に、重量が1/3以下になった。眼鏡や衣服、帽子など様々な場所への装着に対応し、あらゆるビジネス用途へのニーズに応えたという。

連続使用可能時間は、スマートフォンからの給電を利用した場合で2~3時間程度、別途モバイルバッテリー(1万mAh)を接続した場合で8時間程度としている。

ブレ補正比較動画
水平維持 比較動画

遠隔支援用アプリケーションサービス「Xacti Booster Package」はサブスクリプション制での提供となる。主な機能として、「スマートコントロール」「スーパーズーム」「マルチビュー・マルチアクセス」の3種類のサービスが利用できる。

スマートコントロールは、現場の通信状況に応じて最適な画質設定に自動調整するというもの。遠隔による現場確認などにおいては、高画質の映像を送り続けるよりも、カクつきのない映像が重要視されるという。CX-WL100はFHDでの撮影を可能としているが、状況により画質・フレームレートを調整しながらスムーズな映像配信を可能にするとしている。

スーパーズームは、遠隔地から映像デバイスを制御する機能。マルチビュー・マルチアクセスは、複数の現場映像をGPSの位置情報とともに1画面に表示、あるいは1つの映像デバイスに複数の拠点から同時にアクセスできるという機能となっている。

なお、Xacti Booster Packageを契約しない場合、CX-WL100はスマートフォンの外付けカメラとして利用できるという。

Xacti Booster Package:スマートコントロール機能紹介
Xacti Booster Package:スーパーズーム機能紹介

価格は、CX-WL100の単体購入で税込19万8,000円。Xacti Booster Packageを12カ月以上の条件で契約(4,378円/月)すると、CX-WLを10万8,900円で購入できる基本プランも用意する。

元は三洋電機株式会社の映像デバイス開発・生産部門だった同社。2013年にパナソニック・三洋電機グループから分離独立して株式会社ザクティとして事業を開始した。デジタルカメラのODM生産などを展開しながら、2019年からは主に企業向けにXactiブランドの製造およびソリューション販売事業を行っている。

「Xacti LIVE」においても主に業務用途向けとしているが、例えばYouTubeの配信やSNSでの活用方法など、コンシューマー向けの用途についても可能性があると同社は想定している。利用者の声を聞きながら、今後もサービスの幅を広げていく構えだ。

本誌:宮本義朗