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ケルンメッセ、「フォトキナ」の主催を当面中止。事実上の終了宣言に【12/2追記あり】

フォトキナが開催される「ケルンメッセ」。2016年撮影

※12月2日19時:日本語サイトの更新に伴い、記事末に追記しました。

ケルンメッセは11月27日、写真映像関連の見本市「フォトキナ」の主催を当面中止すると発表した。

イメージング市場の大幅減少が続いていることを受け、フォトキナの会場である主催のケルンメッセと、ドイツ写真工業会との連携で決定したという。新型コロナウイルス感染症の影響を受ける以前から毎年二桁台の市場減少があり、特に2020年は50%台の減少だとしている。

プレスリリースでは、オンライン形式といった新しいスタイルでのフォトキナ開催に関する言及などもなく、70年の歴史を持つフォトキナが、この決定により事実上の終わりを迎える形になっている。なお、2019年と2020年の開催はいずれも中止となったため、2018年9月がケルンメッセにおける最後のフォトキナ開催だった。

12月2日追記:日本語サイトも更新

ケルンメッセ株式会社の日本語Webサイトが更新。今後のフォトキナ開催を見合わせるに至った経緯が記載されている。

「フォトキナ」は、70年の歴史の幕を閉じます。

今年のCOVID-19の影響を受け、予定していた2020年5月開催を2022年に延期し再開に向けて準備を進めて参りました。

しかし、低迷が続くカメラ・イメージング市場における世界的な傾向に加え、COVID-19による各業界への影響により、関連産業との新たな連携や、業界の期待に応えられるグローバル見本市としてのプラットフォームの再構築が、昨今の市場環境では非常に困難であるとの結論に至りました。苦渋の決断ではありますが、このことから「フォトキナ」は今後の開催を見合わせる事となりました。

70年に渡り、皆さまのご支援のもと、カメラ業界のサミットとして、また数多くの革新技術や新商品、コンセプトの発表の場として、「フォトキナ」は大きな役割を果たしてきました。単にドイツでのイベントという枠に留まらず、ドイツ国内市場、そしてヨーロッパ市場の開放にも大きく貢献し、欧州域外からのメーカーにとっては市場参入の足掛かりとして、また大きな付加価値を生み出す原動力として機能してきました。

一方ではドイツ国内メーカーの市場シェアの縮小にもつながりましたが、自由な市場環境下で「フォトキナ」を通して、ドイツ、ヨーロッパをはじめ世界中の消費者が良品を選ぶ選択肢を広げることができたのも事実です。

これまでフォトキナにご参加頂きました多くの方々には心より御礼申し上げます。

ケルンメッセ株式会社の「フォトキナ」Webページより

本誌:鈴木誠