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上田晃司さんが第二世代フルサイズZのポイントを整理・解説

14日21時公開の公式動画より

ニコンは10月14日、35mm判フルサイズミラーレスカメラZ 7IIとZ 6IIを発表。かねてより予告していたとおり、21時に両機種に関するコンテンツを公開した。

コンテンツは今後も随時更新を進めていくとしているが、第一弾として同日発表の両機種のお披露目として、約30分ほどの映像が公開された。

映像冒頭では、ニコンの若尾郁之氏と大石啓二氏が登場し、第二世代となったフルサイズZへの意気込みを語った。両氏からの挨拶の後では、写真家の上田晃司さんが登場して、新機種のポイントと感想を語った。ここでは、上田さんのプレゼンを中心に内容をお伝えしていきたい。

若尾郁之氏
大石啓二氏

キーワードは進化とブラッシュアップ

第2世代目フルサイズZの特徴を、端的に「進化&ブラッシュアップ」と整理した上田さん。初代Zから使用してきた中で「もうちょっとこうだったら、より使いやすいかも」と感じていた点がブラッシュアップされているほか、ユーザーからの細かい要望も解決し、本当に使いやすくなった、とコメントした。

上田晃司さん

続けて、進化したポイントをいくつかピックアップした上田さん。

Z 7IIの進化ポイント
Z 6IIの進化ポイント

まず最初に挙げたのは「高速性」。Z 7IIとZ 6IIでは、映像処理エンジンであるEXPEED 6を2基搭載している。これにより高い処理性能を獲得したことで、連写速度とコマ速度が大きく向上した。この新型機を携えて航空機などの動きモノも撮影してきたという上田さん。連写時のコマ間表示フレームが増えたことで、EVFによる撮影でも、こうした動きモノが快適に撮影できたと振り返った。

次に挙げたのが「信頼性の向上」。初代機はCFexpress Type B(XQD互換)の1スロットのみとなっていたが、今回の新モデルではCFexpress Type B(XQD互換)に加えてUHS-II対応のSDカードスロットも新設。デュアルスロットとなったことと、ユーザーが自身の用途に応じて、それぞれ記録方式なども選べるようになった点に言及。同時記録や順次記録などが可能となった利便性をとりあげた。

また、要望の多かった要素として、縦位置グリップ(パワーバッテリーパック「MB-N11」)についても紹介。今回、航空機などは、この縦位置グリップとNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sと、2倍のテレコンバーター「Z TELECONVERTER TC-2.0x」の組み合わせで撮影したという。

この縦位置グリップの使用感について、大型のレンズを使用した際のバランスがよくなることのほか、縦位置でも横位置の操作系同様の使い勝手が得られるとポイントを説明。これにより縦位置撮影が多くなりがちなポートレートなどにも向くと、メリットを整理した。

またこの縦位置グリップの特徴として、ホットスワップへの対応についても言及。片方のバッテリーが切れても、電源を落とすことなく、片方を新しいバッテリーと入れ替えることで撮影を継続できるとして、インターバル撮影などで便利に使える点もポイントとなる、と説明した。

片方のバッテリーを抜いてみせる上田さん

瞳AF・動物AFの向上と長時間撮影への対応

このほかの撮影性能の進化に関する掘り下げもあった。大きな進化点として瞳AFおよび動物AFの性能向上に言及した上田さん。ワイドエリアAFに対応したこの機能について、愛犬を被写体として動作例を披露。犬の顔を捕捉したAFが、さらに瞳も検出している場面を示す。これは被写体を検出して、さらに枠を狭める制御によって、より高精度なAFを実現しているのだという。

また、長時間露光への対応も注目ポイントとして解説。最長で900秒の長時間露光(一眼レフカメラD780で採用していた)が可能になったことで、撮影シーンが拡大。また右肩部の情報表示パネルに、露光の残時間が表示されるようになったことも利便性を高めるポイントになっていると説明した。

このほかの進化点として、低照度でのAF性能向上にもスポットを当てた。Z 7IIではマイナス3EVに、Z 6IIではマイナス4.5EVの状況下でもAFが利用できるとして、暗いシーンや高濃度のNDフィルターを利用した撮影での利便性もポイントだと整理した。

ブラッシュアップポイントとしては、ライブビュー撮影中の背面モニター表示で情報表示をオフにできるようになったことや、背面モニターをチルトした際にEVFのアイセンサーが反応しないようになったこと、水準器の表示線が細くなったことなど、ユーザーからの細かな要望をくんだ調整が加えられて、使い勝手が向上していると、あらためて操作性の良さを強調した。またUSB Type-C端子経由での充電および給電への対応もブラッシュアップポイントの一つとして紹介があった。

動画撮影性能の強化も

動画撮影性能で、とくに上田さんが強調したポイントは2つ。ひとつめは動画撮影中の瞳AF・動物AFへの対応だ。これについては、フォーカスブリージングが抑えられているZマウントレンズの良さにふれつつ、使いやすくなったポイントのひとつとして強調した。

2つめのポイントは、10ビットによるHDR(HLG)撮影への対応。外部レコーダーを使用する必要はあるものの、広い階調性をいかした映像記録ができる点に、大きなメリットがあるとコメントした。

作例の撮影で使用した機材セットを披露する上田さん。ジンバルと外部レコーダーを使用している

ファームウェアアップグレードの強化点を予告

最後に、ファームウェアによるアップグレードポイントについても説明があった。Z 7IIでは初期から対応している機能だが、Z 6IIでもファームウェアのアップデートにより4K 60pによる動画記録が可能となる。

また、AtmosのNinja VやBlackmagic DesignのVideo Assist 12G HDRへの対応も予定されていると案内。これらで12ビットのRAW動画出力(HDMI)も可能になる見通しだと、具体的な日程に関するアナウンスはないものの、その予定が紹介された。

また、これまでPC経由で行なっていたファームウェアアップデートがSnapBridge(Ver.2.7)経由でも実施可能になると案内。PCレスでアップデートができると、利便性を語った。

今回の動画はここまで。最後に上田さんが撮影したスナップや航空機のカットの紹介があり、第一弾の映像は幕を閉じた。

本誌:宮澤孝周