リコーとJAXA、共同開発カメラで宇宙船外での360度撮影に成功

株式会社リコーと国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）は10月17日、共同開発した小型全天球カメラを利用し、宇宙船外での360度の全天球静止画・動画の撮影に成功したと発表した。

なお、撮影した全天球静止画・動画については、JAXAが運営する「JAXAデジタルアーカイブス」（JDA）および、リコーが運営するサイト「THETA LAB」で公開されている。

Webブラウザ上から360度の全方位を自由な視点でみることができるほか、VRゴーグルなどを利用することで、臨場感あふれる全天球イメージで宇宙空間を疑似体験可能。

今回使用されたカメラは、リコーが市販する小型の全天球カメラ「RICOH THETA」をベースに共同で開発。宇宙空間の温度、放射線など、宇宙環境に耐えるための措置を施しているという。

また、小型衛星光通信実験装置「SOLISS」の2軸ジンバル部の動作確認のためのモニタカメラとしても採用されているという。

2019年9月25日に打ち上げられた宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機で国際宇宙ステーション（ISS）へ送り届けられ、「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームから360度の全天球静止画・動画の撮影が行われた。

宇宙で使われる世界最小の360度カメラとなっており、民生品の360度カメラが宇宙船外で全天球型の撮影を行ったのは国内で初めてとなる。