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モーターボートに乗って海の上から撮影してみた

ヤマハのモーターボートレンタルサービス「Sea-Style」体験記

ヤマハ発動機が運営している「Sea-Style」というサービスをご存知だろうか。簡単にいうと、各地のマリーナに係留してあるモーターボートをレンタルできる会員制サービス。個人では簡単に購入できないモーターボートを、3時間4100円からレンタルできるサービスだ。

つまりこのサービスを利用すると、海の上から撮影が可能になるわけ。陸上からでは得られない視点で撮れるのはもちろん、クルーズ撮影会とは違い、自分のアングルやタイミングで撮影できるようになることが予想される。

そんなSea-Styleの説明会があったので、おっかなびっくり参加してみた。当方、モーターボートに乗るのは初めてである。

説明によると、Sea-Styleは11年前にスタート。在籍会員数は約2万人で、毎年右肩上がりで増えているそうだ。年間約6万3,000人が利用しているとのこと。意外にポピュラーなサービスで驚いた。

とはいうものの、モーターボートなんて一般人の筆者にとって馴染みのない世界。「どうせ医者や弁護士向けのサービスでしょ? サラリーマンのおれっちには関係ないね」と斜に構えて聞いてたら、実は会員の約半数が普通の会社員だとか。なぜなら、自分でボートを所有するより圧倒的に安いから。具体的な費用を見てみると……

入会金:2万1,600円
月会費:3,240円
利用料:3時間4,100円〜(ボートによって異なる)
※いずれも税込

といった具合。ボートの定員は8名〜10名といったところなので、友人や2〜3家族でシェアするなどすれば、1人あたりの利用料はさらに下がってお得になる。

ただし!

ボートを操るには船舶免許が必要だ。海に出られるのは2級船舶免許からで、ヤマハボート免許教室の場合、取得費用はレギュラーコースが9万9,000円。まあ、クルマの免許よりは安いか。取得までの所要日数はレギュラーコースの場合、学科講習1日、実技講習1日、試験が1日の3日間。

なおヤマハではオンラインで座学を受けられる「スマ免コース」もあり、そちらはレギュラーコースで8万8,900円と廉価になっている。

また、免許がなくても会員になれる「Sea-Style Light」も用意されており、こちらはキャプテン(船長)が操船する。

晴れて船舶免許を取得しSea-Styleに入会すると、いよいよマリーナでボートをレンタルできるようになる。予約はWebからも可能だ。

Sea-Styleが利用できるマリーナは、北は北海道から南は沖縄まで全国約140カ所。さらにハワイとタイにもSea-Styleのホームマリーナがある。

実際にボートを所有するとなると、基本的に1カ所のマリーナに係留することになり、出発はそのマリーナに限られる。その点Sea-Styleは様々なマリーナを選ぶことができ、旅行と組み合わせやすい。

以上がSea-Styleの説明会で聞いた概要。

説明の後は実際にボートを体験してみる。筆者が乗り込んだのはAR240というモデルで、スクリューではなくジェット噴流で推進するタイプ。スポーツボートと銘打たれていた。速度は時速約80km/hまで出せるという。ひえ〜! 購入価格は約900万円。さらにひえ〜!

若干緊張の面持ちでスタート。

ボートは天王洲アイルから出発し、東京モノレールに沿って南に向かう。船内は驚くほど安定しており、立ったり歩いたりできた。

ボートから見た東京はとても新鮮。思わずシャッターを切ってしまう。

桜もこの通り、誰にも邪魔されず取り放題だ。

そうこうしているうちに東京モノレールが隣にやってきた。陸上からだと建物に阻まれ編成が撮りづらい東京モノレールだが、ボートからだと丸見え。こうも簡単に撮れるとは。レンズはVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS。焦点距離は62mm。

AR240の俊足を生かし、せっかくなので東京モノレールと並走してもらった。結構速いでしょ。それにしても我がカメラのイメージセンサー、汚くてすみません。あと風切り音、申し訳ございません。

運河を出た我々は、心地よい海風に包まれた。この体験会の目的地、羽田空港沖に到着。

もちろん狙うはボートの上からの旅客機。今回は説明会の都合により、ほぼ真下からのアングルになってしまったが、場所を考慮すればもっとかっこよく撮れるはず。レンズはFE 70-200mm F4 GM OSS。

ボートからの撮影を体験して思ったのは、撮影の自由度がすこぶる高いこと。場所やタイミングを自由に選べるので、クルーズ船での撮影会より小回りがきく。今回は時間の都合上「もう少し近づければ」「あの位置で待っていれば」といった事態もいくつか生じたが、自分で操船すればそんなの関係なくなる。撮影の幅が広がる実感を持てた体験会だった。

本誌:折本幸治