岡嶋和幸の「あとで買う」

878点目:ソニーのデジタルカメラの歩みを振り返る本

山中浩之『ソニー デジカメ戦記』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

山中浩之『ソニー デジカメ戦記』

日経BPの『日経ビジネス電子版』で『ソニー デジカメ戦記』という連載があり、本書はそれをまとめたものです。

「初めて語られるソニーのデジカメ部隊のインサイド・ストーリー」ということで、とても興味深い内容です。ソニーのデジタルカメラを草創期から率いてきた、元ソニーグループ副会長の石塚茂樹さんへのインタビューで構成されています。

コニカミノルタのデジタル一眼レフから今のミラーレスに至るまでのエピソードはもちろん、デジタルマビカやサイバーショットなど、パソコン雑誌やカメラ雑誌でレビュー記事を担当した懐かしい機種が次々に登場し読み応えがありました。

ヒット商品の開発秘話や数々の失敗談などが惜しみなく語られていて、ソニーユーザーのみならず、多くのデジタルカメラユーザーが楽しめる1冊だと思います。販売価格は1,870円で、Kindle版もあります。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。