クルマとカメラ、車中泊

1万円以下で買える電動インパクトレンチは使えるのか? 実際に試してわかった注意点

今回の1枚
新宿駅西口前、再開発ですごいことになってますね。駅ビルもすっかりなくなっちゃったんで、なんともヌケのいい長閑な空が見えました。新宿に限らず再開発が進む都心ですが、なんだかどんどん知らない街になっちゃうなあ。

特に日常田舎に引っ込んだ暮らしをしてしまうと浦島感ハンパないです。この日も駅前の道を何周も回ってしまうハメになりましたよ、とほほ。いつも現着30分前を心がけてますが、再開発中のところは特に注意しなくっちゃね!

後回しにしていた工具、ついに購入

内容物は本体のほか充電器、バッテリー×1、ソケット×4、延長シャフト×1

機材でも工具でもず〜っと前から欲しいんだけどず〜っと後回しになっちゃってるものってありませんか? そんなものいくらでもあるぜっ! と思うんですがね、そんな後回しになっちゃってた工具の1つインパクトレンチを買ってみました。

選んだのは中国製、決め手はケースと最大トルク

アマゾンで探すとたくさんあるんですよね。信頼性ならマキタを買えば間違い無いんですが、まあ、お財布と相談してこれです。というか随分安く買えるようになったんだなあっと思ったのが購入の動機ですが。

インパクトレンチは瞬間的に大きなトルクをかけて固着したボルトを外すってのが1番の用途ですよね。まあ、クルマ・バイクをいじったりDIYしたりしてると、この作業、つまり固着したボルトを外すってのに1番時間が取られていたりしますから。あと、あれですね、ネジロックで固定されたボルトなんかはインパクトレンチがないとそれはそれは苦労しますよねえ。

それにしてもたくさん中国製電動インパクトレンチがラインアップされてるわけですが、これにした理由はなんと1,300N・mの最大トルク。ほんまかいなとついツッこんでしまいますね。そして立派なケースに入っていること。しかもこのケースは専用品ではなく汎用品に緩衝材っていう構成なので、ケースだけでも使えます。ワタクシ、こういうケースがついてる製品に弱いでんすよ。だからこの製品にものすごく思い入れがあったとかそういうわけでは無いんです。ごめんなさい。

立派なケースが魅力的だったんです。とほほ

ピンとOリングは別途購入が必要

さて、開封して見ると中国製品の通例と言える、たくさん付属品が入っているんですね。届いてすぐ使えるっていうのが売りでもあります。が! 大切なものが入っていませんでした。インパクトレンチは大きなトルクがかかるのでソケットには抜けどめのピンを挿します。ピンを抑えるためにOリングも必要なんですがこれらが入っていませんでした。なので別途購入しましょうね。ピンの太さは2.5mmでした。

ピンのほかにOリングも必要

この製品は3段階のトルク調整があること、無段階変速できることも特徴です。ただし、これは正回転の時のみで、逆回転時は最大トルクのみ、無段階変速にもなりません。インパクトレンチの使用用途を考えるとこれで良いので、多くの類似製品と同じ仕様なのだと思います。まあ、正回転はネジ・ボルトを締めすぎないようにトルク調整が必要ですが、外す方は一気に回すので調整いらないですもんね。

いざ実験。どのくらいのトルクで締まるのか検証

とはいえ、せっかくですからネジ・ボルトを締めるときにも使いたいわけですが、強力であるがゆえ締めすぎが怖い。なので実験です。どれ位のトルクで締め付けるのか。まずボルトをこのインパクトレンチで締めて、トルクレンチで外してみます。

6mm厚の鉄板にした穴を開ける
10mmのタップでネジを切る。1つ目の穴は別の実験に使ったので2個目
ホームセンターで10mmボルトを買ってきた
インパクトレンチで締める

結果は写真の通りです。手持ちのトルクレンチがKgf表示なのでそこはご勘弁を。まずまず1番低いトルクで締めた場合は、3kgf(約29N・m)で緩めることができました。

Low Powerで締める→3kgf(約29N・m)で緩められた

真ん中では6kgf(約59N・m)。

Mid Powerで締める→6kgf(約59N・m)で緩められた

最大トルクではネジを舐めてしまいました。

High Powerで締める→ネジが舐めた

写真を見てわかると思いますが、オネジ側はまだ残っているものの、メネジはすっかり崩れ去っています。舐めちゃったときボルトは10mmにもなると外すさいにはだいぶ苦労するもので、試しに手動のレンチで外そうとしたら上手く力が入らず外せませんでした。

まあ、時間かければ外れるんですが。そこで、このインパクトレンチを逆転で使ったところ、あっさりと外すことができました。なんといっても1,300N・mですからね、トラックやバスでも無い限り、締める方向で最大トルクは使っちゃいけません。真ん中でも危険だと思いますよ。

締める時は必ずLow Powerで仮止めに

いずれにしても、最後はトルクレンチを使ってトルク管理をするわけなので、この電動インパクトレンチでボルトを締めるときは、常にLow Powerにして仮止めに使うというのが正解だと思います。外すほうはどっちみち変えられないので、ボルトの状態をしっかり見極めないとまずいことになります。サビが進行しているようなボルトだとあっという間に頭が飛んでしまいますから。

一番使う回数が多そうなのはタイヤ交換ですが、サクサクナットをはずせて、取り付け時も仮止めまではサクッと終わるので、DIY派にとってはありがたい工具であることは間違い無いです。

だけどね、こいつでは必ず仮止めだけ。最後はきちんとトルクレンチを使いましょう。

ホイールナットを締め付けるときは必ずLow Powerで

パンタグラフジャッキ用省力レバーが超便利

そしてもう1つ、パンタグラフジャッキ用省力レバーなるものを買いました。電動インパクトレンチをポチったときにでてきた、おすすめ商品なんですがね。あいや〜、これは便利です!

十字穴の部分が簡易なラチェットになっている。付属品は鉄のプレートとネジ

ご存知の通り、多くのクルマで車載工具のジャッキといえばパンタグラフジャッキですよね。1度でも使ったことがあれば、わかりみ深いと思うんですが、あれ持ち上げるの大変ですよねえ。細いクランクがついてて、一生懸命まわさなければクルマが上っていきません。一生懸命やってたら手にマメできちゃったりするし。

試しにこの省力レバーでジャッキアップしてみたら軽いこと軽いこと。お値段も軽いので猛烈におすすめです。ただまあ、かなり雑な造りをしてるので耐久性については期待しない方がいいでしょ。出先でのタイヤ交換とかですね、そんな時のために車載工具として積みっぱなしにしておくのがおすすめです。

ジャッキの先が二股になっている場合は付属のプレートを取り付け、そこにラチェットをかける
ラチェットレバーを上下させれば本当に軽く、車体があがってゆく
本誌:佐藤拓