中古カメラのススメ

中古カメラのススメ(第6回)カメラを売ってみよう!編

元箱はあった方がいい?売る場合に注意すべきこと

これまで5回に渡り中古のカメラ・交換レンズの実情などを紹介してきた本コーナー。中古カメラに対する理解は深まっただろうか。

最終回となる今回は、所有するカメラなどを中古ショップに売ることをテーマに展開したい。お話は株式会社ナニワ商会心斎橋本店の池田高博さんに伺った。

今回お話を伺った株式会社ナニワ商会心斎橋本店の池田高博さん。「最新デジタル一眼からオールドカメラまで、さらに交換レンズなど積極的に買い取りいたします。カメラや交換レンズを処分されるときは、お気軽にご相談ください」
心斎橋本店のすぐ近くにある中古買取センターの様子。専門のスタッフが納得いく買取り価格を提示してくれる。

買い取りに有利な条件とは?

新しいカメラを手に入れようと考えるとき、所有するカメラを売りに出し、そのお金を元に新しいカメラを買う、いわゆる「下取り交換」という方法がある。愛用するカメラを売ってしまうのは忍びないが、そのままもう1台買い増しするよりはぐっと予算を抑えることができる。また、急にまとまったお金が必要になったときなどは、単にショップに買い取りしてもらい、現金を手に入れる方法もある。

では、どのようなカメラが買い取りの対象となるのだろうか。

「基本はカメラ全般となります。古いフィルムカメラから最新のデジタルカメラまでです。ただし、買い取りできない商品もあります。例えばフィルム時代のAFコンパクトカメラや、古いフィルムAF一眼レフなどです」

たしかにプラスチック製のAFコンパクトカメラや、初期の頃のフィルムAF一眼レフは、中古カメラショップの店頭などにジャンクとして驚くほど安い価格で売れられていることも多い。そういう値段で売られているわけだから、買取り価格はあってないものといえるし、ショップによっては買い取りの対象とならないのだろう。

「フィルムのコンパクトやAF一眼レフでもお値段のつくものもあります。コンパクトではリコーGRシリーズやコンタックスTシリーズなどプレミアム性の高い金属外装のもの、フィルムAF一眼レフではキヤノンEOS-1VやニコンF5、F6、ミノルタα9などトップエンドのカメラやそれに準ずるカメラとなります。またクラシックに分類されるような古いカメラなどもお値段の付くことが多いですね」

買い取りの対象となるカメラの判断は、ショップによって対応が異なる。そのため売りたいカメラがあるときは事前に問い合わせておくとよい。

中古で売れているカメラは相対的に買取り価格も高くなる、中古市場で人気のキヤノンEOS 5D Mark IIやEOS 7Dも買取り価格は比較的高いほうだ。
FUJIFILM X100Sのブラックリミテッドエディションもレギュラーモデルよりも買い取りの相場は高い。

なお、買い取りのみと、下取り交換の場合では、その価格は最終的に異なってくることも多い。ナニワ商会では買い換えの場合、下取りの買取り価格に応じて5,000円もしくは3,000円のプラスアルファが付くとのこと。他のカメラショップでも似たようなサービスを行っているところは多く、そのため買い取りよりも下取り交換のほうがお得と考えてよいだろう。

売りたいカメラに不具合がある場合はどうなのだろう。買い取ってもらえるのだろうか。

「買取り価格の出せる商品で尚かつ修理可能であること、さらに修理代を差し引いても買取り価格が残る場合であれば不具合があっても買い取りいたします。例えば交換レンズとなりますが、ニッコールのAi AF-S ED28-70mmF2.8Dは経年によりトラブルが発生しやすいのですが、人気があるため買取り価格が比較的よく、修理代がかかってもほとんどの場合買い取りが可能です」

古い機械式のカメラでは、例えメーカーで修理できなくても専門の業者などで対応できる場合もある。そのため、ショップによっては壊れていても買い取ってくれることもある。このことについても事前に電話などで確認しておくとよいだろう。

充電器を忘れずに!

デジタルカメラはバッテリーや充電器(チャージャー)、USBケーブルなど付属品が多い。これらは買取り価格にどのように影響するのか気になるところだ。

「基本は一式揃っていたほうが当然買取り価格は高くなります。特に充電器と取扱説明書は重要で、無い場合は査定に響きます。理想は買った状態のものが全て揃っていることですね」

デジタルカメラの場合、フィルムカメラと異なり多機能であるため取扱説明書は特に必要である。これがあるのとないのでは、ショップでの売れ行きを大きく左右するからだ。カメラの扱いに慣れると取扱説明書はないがしろにされやすいが、必ず大切に保管しておくようにしておきたい。

一方充電器は、買い取り時の機材チェックの際に重要。というのも、その機材のバッテリーを必要とする充電器が店にない場合、バッテリーが切れたらチェック不能となるからだ。場合によっては査定を行えなくなる。

カメラのナニワ心斎橋本店の様子。ショーケースにはずらりと中古のカメラ、交換レンズなどが並ぶ。

新品のカメラを買うと元箱(化粧箱)が必ず付いてくる。カメラを売る場合も元箱があったほうが有利に思えるが、それについては、池田さんは次のように語る。

「基本的に元箱の有無は買取り価格に関係ありません。お店としてはあったほうがうれしいですが。ただし、限定モデルや古いカメラは元箱があったほうがいいですね。特に限定モデルは元箱がない場合、買取り価格がダウンすることもあります」

限定モデルを手に入れたら元箱は大事にとっておくとよいだろう。なお、限定モデルはレギュラーモデルよりも買取り価格は一般に高い場合が多い。

フードや予備バッテリー、フィルターなど、アクセサリーを付けて売る場合はどうなのだろう。買取り価格に影響するのだろうか。

「基本的には予備のバッテリーやフィルターなどはお値段が付きません。そのため、フィルターだけとかバッテリーだけの買い取りは致しておりません」

「ただし、高額のアクセサリーであるストロボや露出計などは買い取らせていただいています。また、ライカのフードや高級コンパクトデジタルカメラの1万円を越すようなフードも値段がつきます」

ちなみにナニワ商会では、三脚やカメラバッグの買い取りも行っている。買い取り対象は三脚の場合ジッツオやマンフロットなど、カメラバッグはタムラック、アルティザン&アーチスト、ドンケなど。不要なアイテムがあったらぜひ相談してみるとよい。

ブランドは限定されるが、ナニワ商会では三脚やカメラバッグの買い取りも行う。

デジタルカメラなら買い取りもスピーディー

買い取りの際、査定に時間を要することが多い。ではどのくらいかかるのだろうか。また、すぐに現金化してもらえるのか不安に思えるところである。

「査定にかかる時間は正直カメラ次第のところがあります。ただし、数点であれば5分から10分でできます。新しいカメラのほうが査定にかかる時間は短く、古いカメラになるとちょっと時間を頂きます。また、デジタルのほうが、フィルムよりも時間がかかりません」

「買取り価格に納得していただければ、すぐに代金をお支払いいたしますのでご安心ください。なおお手元のカメラを売る場合は免許証、保険証、パスポートなど身分を証明するものを合わせてお持ちください」

なお、Web上で査定をしてくれる中古カメラ店もある。カメラのナニワの場合は、機材の情報をこちらのページで入力すると、暫定での査定額が表示される。こうしたサービスを利用してから、店舗に持ち込む方法もあるだろう。

さらに現在、多くの中古カメラ店では宅配での買取りを行っている。買い取って欲しい機材を中古カメラ店に送るもので、これなら店舗に足を運べない地方在住者でも気軽に利用できる。梱包セットを事前に送ってくれるところもあり、積極的に活用したい。

自分のカメラを売ることに後ろめたく思う人もいるだろう。しかし、防湿庫やカメラバッグの中などでカメラを眠らせておくのはあまりにも勿体ない話であり、カメラにとって不幸。それよりも新しいユーザーに渡り積極的に使われたほうがカメラは幸せに思えるし、何よりユーザーにとっても売って活用したほうがプラスだ。

もちろん思い入れのあるカメラや大事にとっておきたいカメラまで売る必要はないが、買い換えや買い取りを上手に活用すれば、より充実したカメラライフが送れるはずだ。

編集協力:株式会社玄光社 カメラファン
取材協力:株式会社ナニワ商会(カメラファン加盟店)

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。