特集
「東京の今を残すフォトコンテスト」結果発表!
(2013/12/26 12:00)
11月8日より応募を開始しました、「東京の今を残すフォトコンテスト」の結果発表を行ないます。
応募総数は150点。数多くの力作を投稿いただき、ありがとうございました。今回は、優秀賞1名、準優秀賞2名、入選4名、佳作10名を、写真家の種清豊さんに選考してもらいました。
以下、選考いただいた種清豊さんのコメントとともに、各賞の作品をご覧下さい。
優秀賞
みっこさん「月島路地裏 変わらぬ風景」
戦時中の空襲による被害も軽微で昔ながらの風情が数多く残る月島、佃島周辺。ポイントとなるおばあさんの後姿と宅配員の様子によって、細い路地とその両脇に佇む民家の様子を上手く表現できています。しゃがんだ位置からの低いカメラポジションも民家が並ぶ路地ならではの雑多な雰囲気を演出してくれています。「変わらぬ風景」というタイトル通り、何時までも残しておきたい東京ならではの風景です。
準優秀賞
鋲屋敷さん「ゲートブリッジ 7年後に向けて」
東京港埋立地、中央防波堤は2020年オリンピック施設建設予定地ということで、この先東京の景色の中で最も変化を臨むことができるポイントです。いまは、ゴミ処理施設があるのみですが、果たしてこの先行き着くところに一体どのような変化が待っているのか。変貌を遂げる東京の景色を見ることの絶好のポイントになるでしょう。
ひろさん「築地 エンジンターレ、まもなく消え行く景色」
築地市場の風物詩ともいえるターレット。移転が決まっている築地場内市場ですが、やはり人々の記憶にとどまる「築地市場」のイメージはこの先も現在眼にすることのできる景色が残っていくのでしょう。そんな築地市場の一つの象徴ともいえるターレット。シンプルな画面構成で、ターレットに乗る市場関係者のどことなく切ないようなイメージを感じさせる写真です。
入選
Blueheroさん「上野・店先で」
アメヤ横丁あたりでしょうか。戦後の露天から発展していった、上野から御徒町にかけて伸びる商店街は今も健在です。年末の買出し風景などは東京を代表する風物詩にもなっています。スイカやメロン、パイナップルなど一切れごとに裸で陳列し売買する景色などアメ横ならではの風景です。
Mahalさん「柴又、帝釈天参道」
お正月や庚申の日になれば朝早くから多くの人で賑わう帝釈天の参道。普段は静かな参道脇のお店も活気付きます。東京には帝釈天のほかにも数多くの参道があり、特別な日にはその賑わいを感じることができます。低い位置から差し込む陽の光とシルエットを望遠気味で狙うことで、参道の凝縮感と人々の重なりを上手く表現できています。
totyanさん「柳橋の屋形船」
かつては花街として栄えた柳橋。新橋か柳橋かと言われるほど東京を代表する名所も、今では屋形船の船宿とわずかな料亭の跡地を残すだけになっています。写真はその柳橋から神田川沿いに停泊する屋形船を捉えた1枚ですが、西に伸びる神田川にちょうど陽が落ちて屋形船と川面にオレンジの光を与えています。日中撮影してもフラットな光で目立たない場所にもコントラストがついて、懐かしさを感じさせてくれる一枚に仕上がっています。
Yuji Furuyaさん「京島にて、古きと新しきと」
東京の新しいランドマークとなったスカイツリー周辺も再開発が進み一気に近代化しました。ただ、少し離れるとすぐに下町の景色に逆戻りします。京島地区はいまも昔ながらの住宅が密集し、夕方には子供たちが公園で遊び、路地を駆け回る風景に出会います。本来は夜の静けさを保ちたい下町に、夜に浮かび上がるカラフルなスカイツリーが光を伸ばしているような新旧のアンバランスな雰囲気が表現されています。