“商品写真の撮り方 完全ガイド”より
その2「水槽の魚」の撮り方
(2015/3/3 07:00)
この連載は、MdN刊「商品写真の撮り方 完全ガイド プロがやさしく教えるブツ撮りの手引き」(著者:鈴木知子)から抜粋しています。5回にわたり様々な商品写真の撮り方を紹介しますので、どうぞお楽しみに!
水槽の中で泳ぐ魚を撮る場合、水槽への映り込みとシャッタースピードの設定に気をつけましょう。水槽のライトは光量がそれほどありません。絞りとISO感度の設定で魚がぶれないように撮影します。
Step 1 映り込みを解消するには
水槽に映り込みがあると、魚が見えづらくなり、きれいに写すことができません。まずはカメラをセッティングしたら、水槽に何が映り込んでいるかを確認しましょう。映り込んでいる対象がライトならば、可能であれば消しておきます。また映り込まない角度を探すようにします。
水槽には撮影者の姿が映り込んでしまうこともあります。そのような場合は、水槽とカメラの間に黒い布を垂らすようにしましょう。布を2枚上下に設置して、その間からレンズを出して撮影します。
Step 2 角度によって写り方が変わる
水槽のガラスやアクリルは、水槽が大きくなればなるほど厚みが出てきます。斜めに角度をつけて撮影をすると、ぼやけて見えるので気をつけましょう。
水槽が大きいときは、魚がなかなか近くに寄ってきません。カメラを三脚に取り付け、動かないようにじっと待っていると近づいてきます。アップでの撮影は、タイミングを逃すと、魚のいない写真になってしまいます。肉眼で魚の動きを見ながら、シャッターチャンスを逃さないようにしましょう。
Step 3 速いシャッタースピードで、ブレをなくす
光量が足りないときにストロボを使うと、ストロボの光が水槽に反射してしまいます。斜めに撮れば映り込みは避けられますが、光に魚が驚いてしまうことがあります。ストロボが内蔵されている機種では、発光禁止に設定しておきましょう。
泳いでいる魚をぶらさずに撮るためには、速いシャッタースピードに設定する必要があります。絞りを開放値にして、シャッタースピードがまだ遅いようならば、ISO感度を上げるようにしましょう。ぶらさずに撮る目安は1/100秒以上です。