【記録メディア転送速度テスト】シリコンパワー「SP016GBCFC600V10」(CF 600x)

  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。
SP016GBCFC600V10 16GB

 シリコンパワーが3月に発売した600倍速シリーズは、UDMA mode6に対応した同社製CFのフラッグシップモデル。「Turbo MLC」なるNANDコントローラー高速化技術を使用しているという。公称速度は、読み出しが90MB/秒。書き込みに関しては明記していない。

 同社製SDHCメモリーカード同様、このクラスにしては比較的リーズナブルな価格となっている。

 今回比較するサンディスクExtreme Pro(16GB)およびレキサーProfessional UDMA(16GB)の実勢価格はともに2万9,800円前後。対してSP016GBCFC600V10 16GBは、1万9,800円前後で推移している。

 それぞれスペック的に大きな差はないが、価格は1万円程度違うことになる。また、書き込み速度を明らかにしていないことから、実測値にも注目したい。

 なお、今回よりUDMA mode6対応のExpressCard型CFアダプターによる速度計測結果も掲載する。


ニコン「D700」による書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、RAWデータ(ファイルサイズ約8MB)とJPEGデータ(ファイルサイズ約300KB)の同時記録で連写し、レリーズ回数を調べた。途中でバッファがフルになってもシャッターボタンを押し続けている。また、パワーバッテリーグリップなどのオプションは使用していない。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに、撮影開始から30秒間のレリーズ回数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズは装着せず、ボディキャップを装着した。
  • 露出はマニュアルモードで、シャッタースピードは1/2,000秒に固定。

各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)
製品名容量発売元区分レリーズ回数
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF67.6
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF67.0
TS16GCF60016GBトランセンドCF66.4
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF66.2
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF56.0
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF55.8
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF51.4


USBカードリーダーでのテスト

  • 「CrystalDiskMark Ver.2.2.0」の連続書き込みと連続読み出し(Sequential)で5回ずつ計測し、各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
  • テスト環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Quad@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。
  • USBカードリーダーはバッファローの「BSCRA38U2」。Turbo USBはON。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF33,97041,644
TS16GCF60016GBトランセンドCF33,53241,382
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF32,60040,742
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF30,77038,334
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF26,42636,114
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF20,63835,660
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF19,04036,374


ExpressCard型CFアダプターでのテスト

  • 使用ソフトおよび計測方法はUSBカードリーダーと同様。
  • テスト環境は、Windows 7 Professional、Core i5 M540@2.53GHz、メモリ2GB、SATA200GBのノートPC。
  • ExpressCard型CFアダプターはサンディスク「エクストリーム・プロExpressCardアダプター」。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF78,94298,323
TS16GCF60016GBトランセンドCF73,82378,635
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF72,39289,935
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF72,16691,291
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF43,61843,099
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF32,53359,871
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF19,14745,463


まとめ

 デジタル一眼レフカメラとUSBカードリーダーでのテストでは、Extreme Proを抑えて最も高速な数値を記録した。また、ExpressCard型CFアダプターによる計測結果では、同クラスのモデルとほぼ横並びの結果となった。

 当コーナーのテスト方法で計測結果が公称速度に届くことはまれだが、ExpressCard型CFアダプターの速度を見る限り、SP016GBCFC600V10に関してはきっちりとクリアしてきている。

 これに実売1万9,800円前後という価格を加味すると、かなり優秀な結果といえる。特に高速書き込みがアピールポイントではないようだが、他社製品の数値を見ると、書き出し速度もこのクラスとしては標準的なレベルのようだ。

 比較的気軽に手を出せる価格だが、高速連写にも耐えうる性能を持っている製品だ。RAW撮り派のユーザーには魅力的な選択肢になりうるだろう。






2010/6/15 00:00