特別企画

東芝「FlashAir」とともに春の撮影地巡り

千葉県・内房のおすすめスポットを紹介

 サクラの見ごろが一段落した関東地方では、日に日に新緑が勢いを増し、蝶が花々の間を飛び交っている。そんな朗らかな陽気の某日、房総半島の南端へと出かけてみた。

 と書くと、まるでのんびり気ままに一人旅をしたかのようであるが、実はこれ、あるデジタルカメラのレビュー企画のための撮影というのが真相。しかも納期に余裕がなく、急遽、編集者と担当営業にもご同行を請い、その場で企画を固めていくというあわただしさだったのである。

 そこで、時間のない現場で意見の交換が円滑にできるようにと、用意したのが東芝の無線LAN機能付きSDカード「FlashAir」とAndroidタブレットの「REGZA Tablet」である。手もちのデジタルカメラにFlashAirを装着することで簡単に写真のシェアができるため、気になったロケーションを撮影するごとに3人がREGZA Tabletで画像を確認。迅速に企画の内容を話し合いながら、つぎつぎに撮影地を回っていったのだった。

本誌読者におなじみのFlashAir。最新の32GBモデルはClass 10に対応。撮影レスポンスの面でも問題はない
REGZA Tabletは10型ワイドのAT503(左)と7型ワイドのAT374(右)を用意した

広い景色を撮るならここ!

 われわれ撮影隊一行が最初に向かったのが、鋸南町と富津市の境にある鋸山だ。鋸山の上には展望台があり、山麓からロープウェイに乗れば5分とかからずに見晴らしのよい撮影ポイントに行くことができる。

 展望台からの眺めは素晴らしく、東京湾から太平洋を一望の下に収めることができる。この日は快晴だったので房総半島の対岸にあたる三浦半島や、遠く太平洋に浮かぶ伊豆大島の影までを苦労せず撮影できた。

展望台まではロープウェイで。浦賀水道を一望できる最高のロケーションだ
鋸山展望台からの眺め。山麓の港は金谷漁港、正面対岸に三浦半島を望むことができる。東京湾の出入り口となる浦賀水道を行き来する大小の船が手に取るように見えて楽しい
久里浜と金谷を結ぶ東京湾フェリーが入港してきたところを焦点距離300mmの望遠レンズで狙った。こうした光景も撮影対象なので、どこで何が起こるか、必要なレンズは何か、三脚は使用可能か、などを確認していった。

 さて、景色をひと通り撮り終えたら、展望台に併設の建物内で編集者と写真をチェックだ。カメラ内に装填しているFlashAirと編集者がもっているREGZA Tablet AT503は素早く接続できるように設定しておいたので、その場ですぐにカメラ内の画像を閲覧することができる。

FlashAir内部の写真をREGZA Tabletで拡大表示。その場で手ブレの有無や周辺画質などをチェックした。カメラの液晶モニターでもできるが、10インチモニターでの作業は快適そのものだ。接続から表示までの速度も問題ない

 カメラの液晶モニターよりも大きく見やすい10インチのタブレットの画面で、風景の写真を隅々まで確認できるのは安心感がまったく違う。浦賀水道を航行する大小の船の様子が細部までよく分かり、わずかなブレやレンズ描写の特性なども詳細に見てとることができる。それに何といっても、無線LAN環境のない屋外でも使用可能なのがうれしい。

 大量の写真の中からアタリのカットをいくつか選択し、保存も兼ねてタブレット側にダウンロードした上で、次の撮影候補地へと向かった。

筆者は猫が大好きなので、出会うことができれば他の撮影中でも猫を撮ってしまう。FlashAirで自分のスマートフォンに接続して、たくさん撮影したカットの中から可愛く写っていた1枚を選択してダウンロード。大切に保存しておくことにした

 ちなみにロケハンは自動車で行き、運転手は筆者である。次の撮影地に向けて運転中に、隣の助手席では編集者がREGZA Tabletを開き、撮影済みカットを再確認しながら誌面の構成などを考え、さらには編集部にいるスタッフへと転送していた。

ここでFlashAirの使い方を解説!

操作ステップは簡単。まずはFlashAirをカメラにセット
カメラで撮影。ここまでは通常のSDカードと何ら変わらない
カメラの電源を入れたまま、タブレットやスマホのワイヤレス設定をONに。ネットワークから「flashair_〜」を選択、パスワードを入力する。FlashAirと接続したら、FlashAir専用アプリまたはブラウザ(http://flashair)を使い、好きな画像をタブレットやスマホに転送しよう
転送が終わったら、TwitterやFacebookなどにアップロード可能だ。デジカメで撮った写真をSNSでシェアできる

※専用アプリの情報はこちらで!
FlashAir(TM) iOSアプリ 東芝 Pocket Media
FlashAir(TM) Androidアプリ 東芝 Pocket Media

広い景色を撮るならここ!その2

 房総半島から海へ突き出して、こぢんまりと関東地方最南端の地を形成しているのが野島崎である。東京湾に出入りする重要な航路上にあり、周辺は八角形の美しい形をした野島崎灯台を中心に公園として整備されている。

 先端の岩礁にいけば180度を越える太平洋の雄大な景色を撮ることができる他、強い海風によって形作られた独特の景観や、公園にあちこちに設置されたモニュメントが目を楽しませてくれる。岬のようなところにいくと、なぜか突端まで行きたくなるのは人間の性、南房総に来たら是非押さえておきたい景勝地のひとつだ。

房総半島で最南端の野島崎。風と波に浸食された奇怪な形の岩が並ぶ
最南端の岩の上にはベンチが。見晴らしは良いが風が強くて怖かった
もちろん灯台も。低く横に伸びた松の枝が、遮るもののない岬の厳しい環境を物語る
ぐるりと視界を取り囲む水平線と、荒々しい波しぶき。地の果てまできたかのような絶景だ。

 ここでも、ひと通りの撮影を終えた後、公園の東屋で画像をチェック。編集者と担当営業、筆者がそれぞれもつREGZA Tabletやスマートフォンに、つぎつぎと表示される画像を確認していると、時間のなさゆえの緊張感も不思議とほぐれ、撮った写真についての話が盛り上がるようになった。この時点ですでに、FlashAirの活躍にかなりの満足を覚えるようになっていた。

担当営業と担当編集、2人のタブレットで同じ画像を同時に表示

 カメラからタブレットへの転送に使ったのは、主にFlashAirの専用アプリ。撮影画像がサムネイルで表示されるので、転送したい画像を選ぶ。このとき1枚だけでなく、複数の画像を選択したり、すべての画像を一気に選択することが可能だ。端末への保存だけでなく、メールへの添付や、TwitterまたはFacebookといったSNSへのアップロードも可能。サムネイルの表示速度も速く、使い勝手に感心することしきりだった。

必要な機能がシンプルにまとまったFlashAirの専用アプリ。表示速度も速くて使いやすい。無料でダウンロードできる(写真はiOS用)

花を撮るならここ!

 春の被写体といえば春咲きの花!ということで、次に向かった場所が「道の駅とみうら枇杷倶楽部」だった。ここは名称の通り道の駅であるが、施設に隣接して花を生育している圃場があり、施設内にもよく管理された花壇も多くあるので、一度にいろいろな花を撮影したいという場合にはオススメだ。

 特に圃場ではこの時期にナノハナを栽培しているので、春らしさ、房総らしさを色使いで表現したい場合にとても好都合である。広角レンズで周囲の空や山と一緒に広く写してもよし、望遠レンズで圧縮効果を利用して画面を黄色に染めてもよし、ここだけでも多彩な撮影手段を楽しむことが可能である。

「道の駅とみうら枇杷倶楽部」の建物。サクラ並木もあり花見を楽しむことも出来るが、行った時期はすでにピークを過ぎていた。それでも、周辺は親水整備がされて自然と触れ合うことができ、被写体は豊富だ
春らしさといえばナノハナだ。隣接するナノハナ畑で、広角から望遠まで、いろいろなアングルでの撮影を試すことができる。この場合はピントの手前にボケを入れ、なおかつ望遠レンズの圧縮効果を利用して密集した感じを出してみた。

 花壇では色とりどりの植物をさまざまなアングルで楽しむことができ、また、季節によって咲いている花の種類も顔を変えるということなので、是非また時期を変えてチャレンジしたいところでもある。

春になると南房総ではたくさんの花々を見ることができる。野草も多く見つけることができるが、地元の人が大切に育てている花も多い。初心者でも花の撮影にチャレンジしてみたいという人にはオススメの撮影地だ。

 ところで、望遠レンズやマクロレンズを使って被写界深度の浅い撮影をする機会の多い花の撮影では、ピント位置が狙ったところに来ているかどうかが非常に重要なポイントとなる。デジタルカメラは撮った画像をすぐに背面モニターで確認できるのが長所ではあるものの、望遠やマクロの極薄のピントとなると小さな背面液晶では心もとない時もある。極わずかなピントのズレを、家のパソコンモニターで開いて初めて気づいた何てことは、良くある話だ。

 だが、FlashAirとREGZA Tabletを組み合わせれば、すぐにタブレットで画像を確認できる。画像を高精細画面で拡大してシッカリとピントをチェックできる今回の機材選択なら、そうした失敗も格段に減らすことができ、これは非常に有効な手段だと感じた。撮影というのは常に確認の連続と言っても過言ではないので、その点、写真撮影とFlashAirは実に合理的で相性がよい。

春の陽気に誘われて、昆虫も忙しそうに花の周りを飛び交っていた。マクロレンズでの近接撮影のため被写界深度は極めて浅い。ピントがミツバチの目にピシッと合った写真を撮るために、なるべく多くのシャッターを切ってからREGZA Tabletで画像を拡大表示。目的の写真が撮れていることを確認してから次の被写体へと向かった。

 花の撮影で慎重なピント合わせに神経をつかい、すこし疲れたこともあったので食事休憩をとることにした。ここには花壇や土産物屋だけでなく、食事や喫茶のお店も充実しているので幸いだ。

この日に食べたのは地魚の漬け丼。あまりに美味しかったので、いつものクセで写真を撮ったあとFlashAirを利用してSNSにアップロードしようと思ったのだが…仕事が切迫していることを思い出し自粛した。プライベートで来た時にリベンジしようと思う。
FlashAirとREGZA Tabletを接続したままで撮影すると、アプリの画面に次々と写真のサムネイルが表示される。これはと思う画像を拡大して、構図やピントを確認する

 そうはいっても休んでばかりもいられないので、店内でコーヒーを飲んでいる間に、今度はFlashAirとノートPCを接続して、より綿密に画像の確認をする。ノートPCはFlashAirと同じく東芝製のdynabook KIRA V632を使用。写真向けに正確な色再現にこだわった機種だ。その性能は確かに高く、この手のウルトラブックのディスプレイとしてはかなり良い。ピントの確認はもちろん色味やコントラストの判断まで現場で簡単にできてしまうのには驚いた。

 KIRA V632はSDカードスロットを搭載しているので、FlashAirをカメラから取り出し、直接取り込んでも良いだろう。ただ、このときは担当編集と担当営業も画像をタブレットで同時に確認していたので、こちらもFlashAirの無線LAN経由で取り込む。こうしたシェアが可能なのも、FlashAirの特徴だ。

担当営業が注文したビワのムース&ゼリー。南房総はビワの生産が盛んである。綺麗な色をしていたので窓の外の花壇と合わせて撮らせてもらった。甘党の担当営業いわく「驚くほど美味しい」とのこと。筆者も食べておけばよかった。
撮影した画像を即座にdynabook KIRA V632で確認。確かな色再現と携行しやすい軽さ・薄さを両立したウルトラブックだ

 なおdynabook KIRAには、「思い出フォトビューア」というソフトがプリインストールされており、これを使えばFlashAirから自動的に写真をインポートすることもできる。「思い出フォトビューア」は東芝オリジナルの写真整理ソフトで、大量に保存された写真が探しやすくなるよう、自動で分類・整理してくれるもの。「時系列表示」、「カレンダー表示」、「季節で分類」、「顔ごとの分類・表示」といった切り替えが可能だ。

dynabook KIRAでは、「思い出フォトビューア」というソフトが最初から利用可能。撮影日時や人物の顔を認識して分類・表示できる

夕陽を撮るならここ!

 撮影→画像チェック→その場で打合せ、を繰り返しながらバタバタと南房総を巡っているうちに、そろそろ日没という時間になってしまった。ちょうど館山市内を走行していた頃、同行の編集者が近くの北条海岸で夕陽を撮影したことがある、というので行ってみることにした。

 北条海岸は館山湾の奥部にある砂浜で、周辺には駐車場やトイレが整備され、コンビニエンスストアなどの店舗も近いので撮影には便利なところだ。この海岸に限らず、内房と呼ばれる房総半島の西側は、多くの場所で東京湾を挟んで神奈川県方面に沈む夕陽を見ることができる。天気がよければ富士山も高確率で見えるので、夕陽を撮影するには絶好の撮影ポイントがたくさん点在しているといっていいだろう。

 特に、館山湾は別名を鏡ケ浦といい、春から秋にかけては鏡のように空を映す穏やかな水面も期待できる。あいにく撮影日は風が強く波も高かったのであるが、それでもたまたま湾内に停泊していた日本丸と富士山を一緒に写すことができたなど、行く度に何かしらの発見がありそうで楽しい。これからも機会があれば来てみよう、そう思わせてくれる嬉しい撮影地であった。

日本の夕日百選にも選ばれている北条海岸。内房には夕日スポットが多い
北条海岸から沈む夕陽を撮る。北条海岸は電車や自動車でのアクセスもよく、トイレなどの設備も整っているので砂浜からの夕陽を撮影したいならオススメの場所だ。霞の中に沈む見事なまでに赤く丸い夕陽を撮影することができた。季節や気候によってさまざまな夕景を楽しむことができる。

おまけ!

 ロケハンのあとはやっぱり打ち上げ!ここでもFlashAirが大活躍で、撮影した写真を各自のタブレットやスマートフォンに表示。話に花が咲いた。

東京に戻ってみんなで食事。でも写真を見返すのに夢中でタブレットから手を離せない

 始めの重苦しい空気はすっかり消えて、写真を肴に美味しい食事をいただくことができたのだった。撮った写真をすぐにシェアできるFlashAirの強みが、今日という日を支えてくれたのだな、と、3人でちょっと大げさに話したものである。

旅行やイベントにも応用可能

 最初はどうなることやらと不安に思っていたのであるが、正直ここまで上手くまわるとは思わなかった。これは撮った写真をすぐに仲間内でシェアできるという、FlashAirの基本的な特徴が効果的に働いてくれたおかげであるが、特に必要な写真だけを選択してスマホやタブレットにダウンロードできる機能には助けられた。今回の場合は、編集者や担当営業と速やかに意思の疎通を図れただけでなく、必要な写真を各自転送することで、現場でデータのバックアップまでできてしまう。

 FlashAirがなければ、最後に打ち上げなどする余裕はなく、撮影したデータを持ち帰った上で整理し、改めてクライアントに提案するという大作業がまっていた訳である。

 また、複数の人とシェアできるのもFlashAirの特徴だ。今回は担当編集・担当営業の2名に写真を確認してもらったが、旅行やイベントなどでの、プライベートな撮影でも応用して便利に使えそうである。家族や友人たちの旅行やイベントで、写真をその場でシェアできるのは盛り上がりそう。後から写真を送る面倒さもない。ポートレート撮影会などにも応用できそうだ。

 無線LAN機能を使わない時でも、通常のSDHCカードとして機能してくれるのであるから、カメラに挿しっ放しにしておけば便利でこそあれ無駄になることはない。多くの人がスマートフォンやタブレット、あるいはノートPCを携帯する今の時代であれば、あって当たり前の機能が自分のカメラにプラスされる、と考えることもできるのだ。

(制作協力:株式会社東芝)

曽根原昇

(そねはら のぼる)信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌等で執筆もしている。写真展に「エイレホンメ 白夜に過ぐ」(リコーイメージングスクエア新宿)など。