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特別企画:「三脚のマナー」について考えてみよう

Reported by 吉住志穂



 三脚は夜景や花火、風景などの撮影には必須のアイテム。花のクローズアップ撮影がメインの私も三脚は欠かせません。カメラブレを防ぐだけでなく、緻密なフレーミングをするときに、カメラを安定させた状態でチェックできます。

 その一方で、三脚の使用に関して、他者とのトラブルも耳にします。三脚を使っている方も、これから購入を考えている方も、三脚を使用する上でのマナーについて考えてみましょう。




 もっとも注意したいのは三脚の使用を禁止されている場所で使うこと。わざとではなくても、入口などに看板や張り紙をうっかり見過ごしてしまうこともあるかも知れません。植物園の温室やビルの展望室などは使用を禁止されていることがほとんど。使用可能かがわからない場合は係員に確認をしておくといいでしょう。

 また、撮影に夢中になるあまり、細い通路で脚を広げたままの人をときどき見かけます。通路を塞いで脚を伸ばすのはNG。人が来る前に退くのならまだしも、「すいません」と声をかけられた上に「ちょっと待って」などとシャッターを切り終えるまで通行人を待たせるケースもあるとか。これでは苦情が出るのもあたりまえ。このような現状があるからこそ、三脚の使用が禁止されてしまうのです。通路や木道など、細い道で人とすれ違うようなところでは、人の邪魔にならないよう配慮し、混雑時には使用を控えましょう。


人が良く通る通路で撮るとき、このような通路を塞ぐようなセッティングは避けたいものです。

 花の撮影で気をつけたいのが、花壇に脚を入れてしまうこと。もっとクローズアップしたいからといって、脚を土に入れてしまうと、花の根が傷んでしまいます。もし、自分が育てた植物にだれかが三脚を突っ込んでいたらどう感じますか? 決して気持ちのいいものではありませんね。花壇に踏み込まないギリギリに脚を据えるようにしましょう。


根を痛めるため、花壇の土に脚を入れてはいけません。せめてこの写真のように、仕切りに脚をおく程度にとどめましょう。花壇の外から被写体を引き寄せたいときのため、中望遠マクロレンズや望遠マクロレンズを持っていると役立ちます

 撮影ポイントを移動するのに、いちいち脚をたたむのが面倒だからと、脚を伸ばしたまま肩に担いでいるのも危ないです。前側に飛び出した部分は見えているとしても、後ろ側は気づかぬうちに、周囲の人に当ててしまうかもしれません。自分が転んだときも思わぬ大けがをすることがありますので、移動時は脚を短くしましょう。


結構見かけるのがこれ。脚を伸ばしたまま移動すると周囲の人に当たって危険です

 広い屋外でも、三脚での場所取りは迷惑。朝日や夕陽、花火など、ポジションが限られている上、セッテイングから撮影開始までに時間がある場合、三脚を置いた状態で場所を確保する方がいるようです。しかし、他のお客さんからしてみれば邪魔のものでしかありません。子どもや高齢者がつまずいて、けがをさせてしまう恐れもあります。三脚の側から離れないようにして、広げたまま放置することはやめまましょう。

 せっかく気持ちよく撮影にでかけたのに、些細なことでトラブルになるのは避けたいですよね。三脚はシャープな写真を撮るのに欠かせないアイテム。うまく利用し、お互いにマナーを守って、楽しく、いい作品を撮りたいものですね。




 最後に、三脚がないと撮れない例を挙げておきましょう。夜景、花火、滝など長時間露光を必要とする作品ジャンルでは、三脚はまだまだ必要とされています。皆さんもチャレンジされてはいかがでしょうか。


高感度の画質の向上によって手持ちでも夜景は撮れますが、なるべく低ノイズで美しい写真を残したいなら、三脚は欠かせません

夏の夜を彩る花火。カメラを三脚にしっかり据えてじっくりと撮影に臨みましょう。花火大会の会場は暗い上に、人も多い。蹴飛ばされないように置き場所を考えるのはもちろん、迷惑にならないよう気を遣いたいものです

絞りを絞り込むことが多い風景撮影もシャッター速度が遅くなりがちです。特に滝や渓流など、1秒程度のスローシャッターを必要とする被写体では三脚を活用したいもの。水の流れを優美に表現することができますs

マクロレンズの等倍で水滴を撮影。水滴の中に花が映り込んでいるのがわかるでしょうか。被写界深度が極めて浅くなるので、前後のぶれによるピントのずれを防ぐにも三脚を使っています。





(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。日本自然科学写真協会(SSP)会員。

2012/9/28 13:01