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キヤノン「EOS 7D」の動画機能を試す

〜編集機能の搭載など、使いやすさをブラッシュアップ
Reported by 上田晃司

EOS 7D

 キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS 7D」は、画像処理エンジンにデュアルDIGIC 4を搭載し、最高で約8コマ/秒の連写が可能APS-Cサイズの最上位機種にあたる機種。撮像素子は、有効1,800万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載している。

 ボディーのボタン類も大型化され、操作ボタンのカスタマイズも容易に行なうことができる。ライブビュー撮影/動画撮影切り替えスイッチが搭載されておりライブビュー撮影と動画撮影が非常に行ないやすくなっている。動画撮影がワンタッチでできるようになり、液晶モニター上には2軸の水準器なども表示可能だ。また、動画関連の機能もEOS 5D Mark IIの時にくらべブラッシュアップされさらに使いやすくなっている。今回は、このEOS 7Dの動画についてレビューしていこう。

 デジタル一眼レフカメラで撮影する動画の魅力は、なんといっても大きな撮像素子を活かした撮影ができる点だろう。EOS 7Dの撮像素子はEOS 5D Mark IIの撮像素子と比べるとやや小さいが、それでも一般的なカムコーダーに比べ数倍大きな撮像素子を搭載しているため、カムコーダーでは苦手とされている高感度撮影に強くノイズの少ない美しい映像を撮影することが可能だ。

今回、電車の作例に使用した「EF-S 17-55mm F2.8 IS USM」を装着したところ 同じく、花と木の作例に使用した「EF-S 60mm F2.8 Macro USM」を装着したところ

 また、デジタル一眼レフカメラのメリットでもある豊富な交換レンズ群を使って動画撮影できる点も魅力の1つだろう。EOS 7Dには豊富なEFレンズやEF-Sレンズを装着できるため撮影条件や被写体に合わせてレンズを交換することができる。EOS 7DはEF-Sレンズも使用可能な点がメリットだ。ボケ味は、EOS 5D Mark IIに比べれば若干劣るかもしれないが、EF-Sレンズを使用できることにより多くの高倍率ズームを使用できるので、旅などで手軽に動画を撮影する時には楽そうだ。

 それに加え、交換レンズには、F1.2やF1.4などの明るい単焦点やシフトレンズ、超望遠レンズ、フィッシュアイレンズなど特殊なレンズのバリエーションも多く、レンズを活かした映像を撮影することもできる。また、明るいレンズと優れた高感度性能を活かして一般的なカムコーダーでは撮影不可能な暗い撮影条件下でもISO感度を必要最低限に設定して撮影できる上、大きな撮像素子のメリットでもある背景のボケを活かした撮影が可能になる。明るいレンズと大きな撮像素子によって得られる綺麗なボケを一般的な1/6型や1/3型などのセンサーを搭載するカムコーダーで得るには、DOFアダプターなどが必要になり全く手軽ではなくなってしまう。しかし、デジタル一眼レフでは写真同様に動画でも綺麗なボケを同じように得ることができるので手軽にハイクオリティーな映像を撮影できてしまう。

新たに「ライブビュー撮影/動画撮影スイッチ スタート・ストップボタン」を新設した。迅速に録画を開始できる
モードダイヤルを「M」にすることで、マニュアル露出も可能 ボディ前面にモノラルマイクを搭載
外部ステレオマイクが使用可能なマイク端子のほか、HDMI出力端子も装備する

 EOS 7Dでは、EOS 5D Mark IIに比べ動画撮影機能が充実しており、1,920×1,080ピクセルのフルHD動画と640×480ピクセルに加え、新たに1,280×720ピクセルの動画撮影が可能となっている。フレームレートに関しても、24Pと60P(フルHDを除く)が追加され24P、30P、60Pから選択できるのでプロジェクトに応じてさまざまなフレームレートで撮影できる点は大きい。60Pのオーバークランク(早回し)撮影した画像を30Pで再生して2倍のスローモーションにして楽しむといったこともできるので映像制作の幅が広がりそうだ。また、動画出力設定を変更することで、NTSCやPALなどの設定も変更可能だ。PALに設定するとフレームレートは、25Pか50Pを選択できるようになる。

 また、EOS 5D Mark II同様にボディーにモノラルマイクを搭載。それに加えステレオ外部マイク入力端子を搭載している。さらに、撮影した画像の前後をカットする簡易編集機能も備わっているのでさらに動画に向いたモデルになっている。撮影モードに関しても、P、Av、Tvではカメラ任せのオート撮影になってしまうが、EOS 5D Mark II では、ファームアップで対応だったMモードに関しても、EOS 7Dでは最初から搭載しているためシャッター速度や絞り値、ISO感度などライブビュー画面を見ながら設定できるのでとても便利だ。

 ボディ内での動画編集は今回からの新機能で、動画の前後の不要な部分のカット編集が可能になった。操作は簡単でサブ電子ダイヤルと設定ボタンだけで操作可能。直感的にカット編集ができるので便利。1秒単位でカットできる。編集した動画は、上書き保存か新規保存か選ぶこともできる。動画の再生に関しても、通常の再生に加えスロー再生なども搭載している。

撮影中の様子

・動画編集画面

再生時 フレーム送り
ハサミのアイコンで編集モードに入る カット編集が可能だ
カットしたところ 編集した動画は、上書き保存か新規保存が選べる

 操作面では、「ライブビュー撮影/動画撮影スイッチ スタート・ストップボタン」を搭載したことが大きい。最初は、EOS 5D Mark IIの動画撮影方法に慣れていたため少し戸惑ったが、このスイッチを搭載したことにより瞬時に撮影を開始できるようになった。また、レバーが動画撮影スイッチに入っている場合は、メニュータブが動画の設定になるので設定の変更が容易。このタブが搭載されたことにより、今までメニューの奥にあった動画設定やライブビューの設定も簡単に行なえるようになったので便利だ。

今回からフルHDの24fpsと720pでの60fpsに対応した 24/50fpsといったPAL規格でも撮影可能になった
動画撮影中の顔検出も引き続き搭載 2種類のグリッドを録画中に表示できる

まとめ

 動画の画質に関しては、EOS 5D Mark IIとくらべほとんど差はないようだ。ただし、高感度のノイズレベルは1段ほどEOS 5D Mark IIの方が少ない印象。そのため、夜景などの撮影はEOS 5D Mark IIの方が少し有利に感じた。とはいえ、ISO3200でも十分使用可能な印象だった。そのほかは、EOS 5D Marl IIに引けをとらないほど高画質。ディテールまで綺麗に表現されており、階調も豊かでまったく不満はない印象。フレームレート別に作例を見てみると、24Pは映画製作などに向いたフレームレートで30PはTVなど標準的なフォーマット、24fpsは30fpsと見比べると少しカクカクしたように見えるかもしれない、60fpsは滑らかな映像になる。個々の作例を見てフレームレートによる動きを確認していただきたい。

 新しい機種が出るごとに使いやすさや機能がブラッシュアップされるEOSムービーだが、今回EOS 7Dが発売され、24Pや60Pに加え簡単なボディ内編集が可能になっておりさらに動画撮影の幅が広がった気がする。個人的な意見だが、ライブビューのグリッド表示にTVセーフなどの表示などが追加されるとさらに使いやすくなる気がする。また、外部音声入力にもマニュアルで調整する機能やVUメーターなどの搭載やタイムコードなどの機能を搭載するとさらに使いやすい気がする。ここまで搭載してしまうとかなり業務用のカムコーダーのようになってしまうが、今後のデジタル一眼レフムービーの発展はとても楽しみだ。


作例(フレームレート比較)

※サムネイルをクリックすると、オリジナルの動画をダウンロードします。

・シーン1

使用レンズ:EF-S 17-55mm F2.8 IS USM(ND8フィルター使用)

※共通設定: 1/125秒 / F5 / ISO100 / 55mm

1,920×1,080ピクセル、30fps(29.97fps)、90MB 1,920×1,080ピクセル、24fps(23.98fps)、86MB
1,280×720ピクセル、60fps(59.94fps)、86MB

・シーン2

使用レンズ:EF-S 60mm F2.8 Macro USM

※共通設定: 1/250秒 / F4.5 / ISO100 / 60mm 

1,920×1,080ピクセル、30fps(29.97fps)、59MB 1,920×1,080ピクセル、24fps(23.98fps)、57MB
1,280×720ピクセル、60fps(59.94fps)、51MB

・シーン3

使用レンズ:EF-S 60mm F2.8 Macro USM

※共通設定: 1/125秒 / F3.2 / ISO100 / 60mm 

1,920×1,080ピクセル、30fps(29.97fps)、63MB 1,920×1,080ピクセル、24fps(23.98fps)、59MB
1,280×720ピクセル、60fps(59.94fps)、53MB



上田晃司
(うえだこうじ)1982年広島県生まれ。アメリカ、サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強をする。学生時代にTV 番組やCMを制作するものの人物写真に目覚め、写真家を目指すことを決意。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントしながらフリーランスのカメラマン、ライターとしても活動を開始。

2009/11/2 12:31


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