“プロはこう使う。キヤノン EOS 7D Mark II”より
野鳥が飛び立つ瞬間を撮る
ゾーンAF+高速連写を活用
(2015/4/10 07:00)
この連載は、インプレス刊デジタルカメラマガジン別冊ムック「プロはこう使う。キヤノン EOS 7D Mark II」から抜粋しています。3回にわたり、同書の柱である「航空機」、「鉄道」、「野鳥」の撮り方からシチュエーションを1つずつ紹介します。
夕方、コハクチョウが飛び立つ瞬間を狙う。逆光のためオート露出だと背景によって露出が変わる。マニュアル露出で固定すると、翼と水しぶきが光輝く写真が撮れた。
ゾーンAFで大きめに網を張り水面から羽ばたく一瞬を連写
- 難易度:1(最高5)
- レンズ:超望遠
- 光:斜光
- 季節:1年中
- シャッター速度:高速
- 絞り:開ける
飛び立つ瞬間のシーンを撮りたいがために、ひと昔前は石をぶつけるような困った人が多かった、しかし、野鳥がどういうときに飛ぶのかが分かれば、この撮影はそれほど難しくはない。飛ぶときは風上に向かって飛び、水鳥の場合、ハクチョウなどの大型の鳥は、滑走路が必要になる。そのため、進行方向にスペースを作ることがポイントとなる。さらに、飛び立つ前には首を伸び縮みさせたり(猛禽類の場合はフンをする)などのサインが必ずあるので見逃さないようにしたい。
逆光や背景がごちゃごちゃしている場所では、レンズを大きく振るたびにオート露出だと明るさが変わって失敗する危険性が上がる。露出はマニュアルで決めてしまうと良いだろう。動きを止めたい場合は絞りを開放にして、できるだけ速いシャッター速度を確保したい。それでクリアできない場合は、躊躇なくISO感度を上げよう。高感度に強いEOS 7D Mark IIの実力が遺憾なく発揮される場面だ。また、ISO感度を上げて、1〜2段絞り込むのもありだろう。そのぶん、被写界深度を稼げるので超望遠レンズ利用時には有利となる。
AFセッティング
NG Cut:構図を作るときは余裕をもつことも大事
エサを狙っていたダイサギを撮影していたとき、突然飛び立った。反射的にシャッターボタンを押したが、残念ながら顔や翼がフレームからはみ出してしまった。エサをとるシーンを狙っていたので露出やシャッター速度は問題ないのだが、肝心の構図がダメ。飛び立つ瞬間のシーンは、必ず進行方向にスペースを空けることが重要になる。そうすることで安定感のある構図が得られる。