写真家が監修したフォトグラファー向けPCが登場!
写真家 礒村浩一プロデュースPC「マスターズモデル」がめでたくリニューアル!!
一番驚いている本人がさっそく試用! RAWデータ1,000枚の現像に挑戦
2016年12月9日 10:11
デジタルカメラの高画素化に伴い、それを快適に処理するためにもよりパワフルなPCの要望が高まっている。それを受けて昨年、写真編集(RAW現像)に特化したPCをプロデュースさせていただき、それを実際にBTOパソコンメーカーのツクモからリリースされた。
その際、プロ写真家としてかなり無茶な要望を出したのだが、それがもとになり、ハイエンドの「マスターズモデル」、ハイパフォーマンスの「プレミアムモデル」、コストパフォーマンスに優れた「エントリーモデル」の3つが製品化された。
写真家 礒村浩一プロデュースPC
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/isopc/index2015.html
そこに、同じく写真家の桃井一至氏プロデュースによる「スタンダードモデル」が加わり、「エントリーモデル」は若子jet氏プロデュースでさらに小型・低価格化。現在4モデルがラインナップされている。
写真家が監修したフォトグラファー向けPCが登場!
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/photopc/
そして早いもので、最初の写真編集PCの発売から1周年を控え、このたびマスターズモデルのバージョンアップがなされることとなったのだ。発売から1年が経とうとしていることも驚きだが、写真編集に特化したPCが、これほどまでに支持されセカンドバージョンまで発売されることになるとは、正直思ってもいなかったことにびっくりしている。
写真編集PCをプロデュースするにあたり、当時、PCを実際に組み立てて製品化してくれたツクモに要望したことはただひとつ。「バカっ早いの組んでください」であった。そう、このマスターズモデルに求めたのは圧倒的な処理の速さである。それを真に受けて本当に実現してしまったツクモの気合の入り方に、なかばあきれ……いや、感銘したことをいまでも覚えている。
そして、満を持して登場するセカンドバージョンは、更なる快適さを実現した構成で登場することとなった。はたして人はどこまで貪欲なのかと思ってしまうが、そこはなによりやはり、速さは正義なのである。
さらなる快適さを求めて
さてここからは、新しいマスターズモデルのスペックを見ていくことにしよう。まずは前モデルとセカンドバージョンモデルとの変更点を表にしてあるのでご覧いただきたい。
旧マスターズモデル | 新マスターズモデル | |
CPU | インテル Xeon プロセッサーE5-2630v3 8コア | インテル Xeon プロセッサーE5-2640v4 10コア |
マザーボード | ASUS X99-A | ASUS X99-A II |
メモリ | PC4-17000 DDR4 32GB 最大64GB | PC4-19200 DDR4 32GB 最大128GB |
グラフィックカード | NVIDIA Quadro K1200 | (変更なし) |
起動ドライブ | 256GB SSD SATAIII接続 / 6Gbps | 480GB SSD SATAIII接続 / 6Gbps |
ストレージドライブ | 400GB NVMe SSD PCI-Express接続 | (変更なし) |
拡張スロット | PCI Express x16スロット×4(空き2) PCI Express x1スロット×2(空き1) | PCI Express x16スロットx4(空き3) PCI Express x4スロット x2(空き1) |
ごらんのように、大きな変更点はマザーボードとCPUの組み合わせが新しいものに変更された点と、起動ドライブのSSDが256GBから480GBへと容量が増えたことだ。またメモリが購入時はどちらも32GBだが、セカンドバージョンでは最大積載容量が128GBまで拡張できるようになった。もはやモンスターを超えたモンスターだ。
最新デジタル一眼レフカメラにも最適なパフォーマンス
さて、パワーアップしたマスターズモデルだが、この1年間にデジタルカメラも新型機が発売されている。私の撮影環境でもあらたにキヤノンのEOS 5D Mark IVを導入。すでに多くの撮影を行っている。そこで新マスターズPCを使用して、EOS 5D Mark IVのRAW画像を処理してみることにする。
EOS 5D Mark IVは有効3,040万画素のフルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラだ。RAWデータは1ファイルでおよそ30〜50MB前後にもなる。
このRAWデータ1,000枚あわせて46.4GB分のデータをLightroom CCに読み込ませ、JPEGへの現像処理を一気に行った。終了までの時間は約29分。これまでのマスターズモデルと同様、かなりの好成績といえる。
また、同じ1,000枚のRAWデータをAdobe Bridge CCのCamera RAWで現像処理を行ったところ、こちらは約41分でJPEGへの現像処理が完了となった。
ところでEOS 5D Mark IVで新たに採用されたRAW形式として、デュアルピクセルRAW(DPRAW)と呼ばれるものがある。これはEOS 5D Mark IVに搭載されたデュアルピクセルCMOSセンサーの特徴を活用したもので、RAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4」(DPP4)を用いることで、解像感補正、ボケシフト、ゴースト低減を行うことができるものだ。
ただしこのDPRAWは通常のRAWデータよりも大きなサイズとなっているため、その処理にもより大きなPCのマシンパワーが必要となる。マシンパワーの低いPCだと、操作に対してレスポンスが追いつかず、画像の表示も大きくずれることがある。
そこで新マスターズPCにインストールしたDPP4を使用しDPRAWの処理を行ってみたところ、設定値のスライダーを動かすとほぼリニアに画像も変化することを確認できた。画像の変化に遅れはほぼなく、ストレスを感じずにDPRAWを処理することができる。最新の画像処理にも余裕をもって対応が可能というのは心強い限りだ。
eX.computer 写真編集PCの快進撃は続く!
発売1周年を間近に控えた「eX.computer 写真編集RAW現像」シリーズ。マスターズモデルもリニュアールされるなど、まさに予想外の展開となっている。これもひとえに読者およびPCを購入していただいたみなさんのおかげである。
それと同時に発売以来おおくの方々から改良点のご指摘もいただいている。今後はその貴重なご意見を参考とさせていただき、各モデルのリニューアルが続けば、さらに面白い展開のPCが生まれてくるのではないだろうか。もっとも現段階ではまったく未定ではあるが、もしかすると、いや、本当にもしかするかもしれない(笑)。
協力:株式会社Project White(TSUKUMO)