私がOM-Dを使う理由。- My Style, My Olympus -
Vol.06:世界を切り取り、シーンを残す面白さ〜大門美奈さん
被写体をどう見るのか、どう見せるのか
(2016/4/25 11:40)
若手写真家に登場してもらうインタビュー企画「私がOM-Dを使う理由。」。自分の写真のルーツや写真に対する考え方、そして撮影機材のOM-Dについて語ってもらいます。
今回登場するのは、「本日の箱庭」展をはじめ、積極的な作家活動で知られる大門美奈さん。大門さんが考える写真の世界とは?(編集部)
写真・キャプション:大門美奈
現在、どのような写真関連の仕事をされていますか?
現在はフリーランスで活動しています。制作会社や個人から依頼を受けての撮影や、カメラ関連誌の仕事に加え、最近では代官山のギャルデ・コレクティブというアパレルブランドに提供した作品が洋服として製品化されるなど、いろいろなことに挑戦させていただいています。グラフィック関連の仕事を依頼いただくこともあります。
写真を撮るようになったきっかけは?
直接のきっかけとなったのは大学生の頃卒論を書くためにフィルム一眼レフカメラを手に入れたこと。当時はまだフィルム優位の時代で、発表のためにリバーサルフィルムで撮影することが必須でした。撮影先がスペインだったということも大きかったと思います。
もちろん資料用の写真も撮りましたが、魅力的な被写体を自分の思い通りに撮れるのがとにかく楽しくて、常にカメラを持ち歩いていました。
影響を受けた写真家、写真集、メディアは?
石元泰博氏にセイケトミオさん、Wynn Bullock、Eliiott Erwitt、三好耕三さんのほか、憧れる写真家は沢山います。
被写体に対する温かい目が感じられて、プリントがとにかく美しいこと。影響を受けるのは写真そのものよりも映画のほうが多いように感じます。今まで見たことのない場面を他人の目を通して見ることはとても勉強になります。
印象に残っているのは小津安二郎の晩春とNadine LabakiのCaramel。ミュージックビデオなどでも印象的な場面を見つけると、何度も観るようにしています。
その影響は自分の作品のどんなところに現れていると思いますか?
モノクロ写真に関しては、先に挙げた方々の写真を見ていれば自然と目は鍛えられると思います。現在モノクロのみの作品にも取り組んでいますが、ようやく自分の基準となるものが見えてきたように思います。
カラーに関しては写真からというよりも絵画から学んだことが大きいですね。私が小学生の頃から油絵を描いていた伯母が、小学生くらいから絵画の展覧会にかなりの頻度で連れて行ってくれていたことや、私自身もアートスクールで学んでいたことが影響していると思います。
今回の作品で使った機材の印象は?
OLYMPUS OM-D EM-1はフラッグシップモデルだけあって、しっかりと細部まで作りこまれたカメラという印象です。誤操作しにくいダイヤル配置や、道具としての美しさを備えながらも、タフな条件下での使用にも耐えうる小さな優等生。「ちょっとそこまで」の気軽な印象だったミラーレスカメラですが、EM-1は大きな一眼レフにまったく引けをとらない。プロユースのミラーレスカメラであり、ひとつひとつの機能が非常に高いレベルで集約されたカメラです。
大門さんにとって写真を撮ることとは?
写真は被写体ありきの表現手法ですが、それをどう見るのか、どう見せたいのかで全く異なってくるところが面白いと思っています。写真は目の前の世界の一部を選択して切り取る作業。心を動かされた場面を紙なりデータなりで留めておくことができるのはとても幸せなことです。
今後取り組みたいシリーズやテーマは?
アイデアのストックばかり増えていって、現在は撮影が追いついていない状況です。でもそれ以前に現在進行形のテーマが4つほどあるのでそろそろ完成させたいですね。何をもって完成とするかを判断するのは非常に難しいところですが、目標を決めて引き続き取り組んでいきたいと思います。