【新製品レビュー】ペンタックス「Optio WS80」

~実売3万円を切る防塵・防滴デジカメ
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Optio WS80

 ペンタックスのコンパクトデジタルカメラ「Optio WS80」は、7月発売の「Optio W80」に続く防塵・防滴対応モデル。発売は8月27日。実勢価格は2万7,800円前後。本体カラーはブラックプラスオレンジとホワイトプラスパープルをラインナップしている。

 ラインナップ上の位置付けとしては、「Optio W80」の弟分といったところ。防水性能をはじめとしたタフネス性能についても差がついており、たとえば耐圧水深は、Optio W80が5m、Optio WS80が1.5mとなっている。Optio W80はこれに加えて、1mの耐落下衝撃と-10度の耐寒性能も有する。市場で同様のポジションにある製品としては、富士フイルムの「FinePix Z33WP」(実勢価格2万2,400円)が挙げられる。

 外観は、横長のボディにメタリックな塗装を施したOptio W80から一転、クレジットカードを思わせる扁平なシルエットになった。コントラストの強いカラーリングとあわせ、よりカジュアルな印象を受ける。本体サイズは約91.5×22×59.5mm(幅×奥行き×高さ)。電池とSDメモリーカードを含む重量は、Optio WS80が約125g、Optio W80が約150g。

グリーンボタンの機能割り当てを継承

 背面液晶モニターは約23万ドットの2.7型。背面のボタン配置はOptio Wシリーズを踏襲しており、シンプルな操作系は健在だ。

 撮像素子は1/2.3型有効1,000万画素CCD。720p、30fpsのHD動画も記録可能だが、HDMI端子は非搭載となっている。記録形式はMotion JPEG(AVI)。

 レンズは35mm判換算で35~175mm相当の光学5倍ズーム。開放F値はF3.8~4.7。正面から向かって右上に位置しており、屈曲光学系を採用していると見られる。

レンズ横にあるのがマイクで、本体上面にあるのがスピーカー内蔵ストロボ
バッテリー室とメモリーカードスロットの蓋にシーリングを施す

 グリーンボタンには1つの機能を割り当てられる。グリーンボタンといえば、Optio W80ではグリーンボタンを押した後に十字キーの上下左右へそれぞれ1つの機能を割り当てることができたが、Optio WS80では省略されている。

 ボタンが一番下のわかりやすい位置にあるということもあり、割り当てた機能をすぐに使える点は大変便利だ。筆者は主に露出補正、またはISO感度を割り当てて使用していたが、操作ステップが少ないのに加え、ボタン操作のレスポンスもよく、ストレスなく使用することができた。ちなみに、割り当て可能な機能は、グリーンモード、記録サイズ、ホワイトバランス、AFエリア、測光方式、ISO感度、露出補正、ハイライト補正、シャドー補正、シャープネス、彩度、コントラスト、ボイスレコーディングとなっている。

操作ボタンは向かって右側に集中しているグリーンボタンに各種機能を割り当てられる。Optio W80のような十字キー割り当ては非対応

 ただ、割り当てられる機能が1種類だけというのはやはり少々物足りなく感じた。操作ステップは1つ増えるものの、割り当て方式を1種類と4種類で選択できたらよかったかもしれない。

バッテリー室とメモリーカードスロット電源はリチウムイオン充電池「D-LI88」

顔を小さく見せる「小顔フィルター」

 同時期に登場したスタイリッシュモデル「Optio P80」にも搭載している「小顔フィルター」は、撮影画像から人間の顔として認識した部分に対してエフェクトをかける機能。具体的には、デジタルフィルターの「フィッシュアイ」と逆の処理を適用する。

 小顔フィルターは3段階の強度でかけられるが、さすがに強くかけすぎると違和感が出てくる。パーティなどで使うと盛り上がりそうな機能だ。

フィルターをかけたい撮影画像で「MODE」キーを押すと呼び出せる顔と認識した部分を黄色い枠で表示する
元画像

まとめ

 耐衝撃や耐寒などのタフネス性能はOptip W80に一歩譲るとはいえ、カメラが汚れたら丸洗いできるという防塵・防滴性能は大変魅力的だ。プールサイドやガーデニングなど、普通のカメラでは少々心配なシーンでも、アクティブに使えるカメラに仕上がっている。

 また、上級機種「Optio W80」をはじめとした防塵・防滴デジカメと比べて手頃な価格も魅力の1つ。この手のタフネスモデルは、大手量販店で3万円台後半から4万円前後で販売されている。Optio W80もご多分にもれず、実勢価格3万9,800円前後で推移しているが、Optio WS80は発売当初から2万7,800円と比較的手の届きやすい価格帯で販売されている。

 HD動画記録や光学5倍ズームレンズを備え、かつ3万円を切る価格帯の防水モデルとしては、現状Optio WS80以外に選択肢がないのではなかろうか。今まで防水コンパクトデジカメというジャンルに興味のなかった人も、この機会に手に取ってみれば、撮影のフィールドがぐんと広がることに間違いはないだろう。


作例

  • ※サムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を表示します。

・画角

広角端
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F6.3 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
望遠端
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F4.7 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 31.2mm

・歪曲収差

 歪曲収差は広角端・望遠端ともによく補正されていて、周辺部の流れもあまり気にならないレベル。

 描写に関しては、周辺部まで破綻なく解像していると思うが、周辺部付近では粗くなってくる。また、広角端に比べて望遠端は若干ソフトな描写になる傾向があるように感じた。

広角端
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F3.8 / 0EV / ISO200 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
望遠端
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F4.7 / 0EV / ISO800 / プログラムAE / WB:オート / 31.2mm

・ISO感度

 ISO感度はISO64~6400の範囲で設定可能。フル画素で撮影できるのはISO1600までで、ISO3200と6400は約500万画素相当での記録となる。等倍で見た場合、ISO200の時点でざらつきが感じられるが、細部まできっちりと描写している。ISO400では暗部にカラーノイズが目立ち始めるものの、プリントには堪えるだろう。ISO800になると全体的にノイズが目立ち、ディティールの劣化が顕著になる。

ISO64
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/6秒 / F3.8 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
ISO100
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/10秒 / F3.8 / 0EV / ISO100 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
ISO200
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/20秒 / F3.8 / 0EV / ISO200 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
ISO400
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/40秒 / F3.8 / 0EV / ISO400 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
ISO800
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F3.8 / 0EV / ISO800 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
ISO1600
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F3.8 / 0EV / ISO1600 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
ISO3200
Optio WS80 / 2,592×1,944 / 1/320秒 / F3.8 / 0EV / ISO3200 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
ISO6400
Optio WS80 / 2,592×1,944 / 1/200秒 / F6.3 / 0EV / ISO6400 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm

・自由作例

Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F4.1 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 10.2mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F4.1 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 10.2mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F6.3 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/640秒 / F4.5 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 18.1mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F3.8 / -0.3EV / ISO125 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F4.7 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 31.2mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F6.8 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 10.2mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F4.3 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 13mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F4.4 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 15.3mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F3.8 / -0.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 6.2mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F4.6 / -0.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 21.1mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F4.7 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 31.2mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F7.1 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 13mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F4.3 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 13mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F4.4 / -0.3EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 15.3mmOptio WS80 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F4.3 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 13mm
Optio WS80 / 3,648×2,736 / 1/400秒 / F4.6 / 0.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート / 21.1mm




2009/10/6 21:24