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オリンパス交換レンズ特別レビュー(その3)
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
単焦点レンズの楽しさを教えてくれる、高性能かつ使いどころの多い名玉!
Reported by 赤城耕一(2014/8/20 12:00)
その1「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」、その2「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」はこちらバックナンバーから!
オリンパスのマイクロフォーサーズ用の交換レンズは、プロフェッショナルレンズシリーズのM.ZUIKO PRO、高画質単焦点レンズシリーズのM.ZUIKO PREMIUM、スタンダードのM.ZUIKOと3系列になっているが、今回紹介するM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8は、M.ズイコープレミアムのシリーズに属する単焦点広角レンズである。
単焦点レンズのメリットは、高性能を維持しながら同時に小型軽量のまま大口径化が見込めることだ。本レンズは金属外装の鏡胴で、ブラックもシルバー仕上げも高品質だが、重量は120gほどしかなく携行性も抜群である。
精度な製造技術が必要なDSAレンズ、球面収差の補正能力が高いHR(高屈折率)レンズを採用。レンズ構成は6群9枚となっている。全長も35.5mmしかないので、OM-D E-M1ほかペンシリーズともマッチングも良好である。丸形の金属製フードも仕上げが美しく遮光効果もあると思う。
絞り開放から見事な性能
描写性能はどうだろう。F1.8の開放絞りでも、合焦点のシャープネスは見事でコントラストも高い。また広角レンズだが、ボケ味にクセがないことも大きな特徴といえる。
また画面の均質性がよいうことも特筆したいところである。逆光にも強く、撮影距離によっても性能変化を感じさせないので描写性能を向上させるために絞り込む必要はまったくないと言っていいだろう。
本レンズを装着したOM-D E-M1のAFの動作は素早く使いやすい。大口径の広角レンズを開放値近くで使用するような場合は明らかに一眼レフよりもこちらのほうが合焦精度は高く、顔認識+瞳認識の組み合わせは、ポートレートでは最強とも思えるのである。
また、本レンズにはM.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0と同様に、「スナップショットフォーカス機構」が搭載されている。フォーカスリングを軽く手前に引くだけで、MFに切り替えることができると同時にフォーカスリングには距離指標が出現する。スナップ撮影での目測、置きピン撮影でも使いやすい。
単焦点レンズならではの使いこなしも
本レンズの画角は35mm判換算で34mm相当だが、17mmという実焦点距離からみると被写界深度はかなり深い。スナップショットフォーカス機構は、祭りの撮影など、カメラを両手で捧げ持ってノーファインダーで撮影する場合など便利に使うことができる。少し絞り込むことでパンフォーカスになるため、フォーカスの中抜けのようなトラブルが発生しないからである。
また開放値近辺での撮影では開放F値が明るいことからボケを生かすこともできる。円形絞りにより光源のボケも丸く再現され、クセのないボケを生かすことができることも大きなメリットになるだろう。高性能で高い評判のM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROともまた異なる仕事をしてくれるのである。
時にはあえてズームレンズを排し、単焦点レンズのみを使い、撮影者自身が被写体に対して、近寄ってたり遠ざかったりして、見たいものを切り取ってゆく訓練をすることも必要だ。慣れれば、ファインダーを覗くことなく瞬時に被写体を切り取れるようになるはず。つまり、あえて視覚(画角)を固定化することでレンズは次第に自分の目として機能してゆくわけである。
藤本真理子(モデル)
制作協力:オリンパスイメージング株式会社
デジタルカメラマガジンでも連載中!
8月20日発売の「デジタルカメラマガジン 2014年9月号」でも、M.ZUIKO PRO & PREMIUMをテーマにした連載が掲載されています。あわせてどうぞ!