気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

OLYMPUS PEN E-P5【第2回】

いっしょに買った「ED 60mm F2.8 Macro」のこと

 前回も書いたけど、「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」付きのキットと同時に、「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」も手に入れた。前から買わねばと思いつつ、ずっと手をこまねいていたレンズである。

 なんだかんだ言って、職業柄、マクロレンズは欠かせない。マイクロフォーサーズ用のマクロレンズは、このM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroのほかに、パナソニックの「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.」があるが、「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」を持っているので焦点距離がかぶってしまう。それと、少しでもワーキングディスタンスが稼げるほうがいいだろうというのもある。

 一応、フォーサーズ用「SIGMA APO Macro 150mm F2.8 EX DG HSM」は持っているが、AFは使えないし(動くけどピントは合わない)、焦点距離は長すぎる。部分カットを撮るのにはすごく便利だけど、引いて撮りたいときに引きが足りなくて困る(ようはスペースに余裕がないのが問題なのだが)。外で使うには大きすぎの重すぎで、常用は無理。そんなわけで、事実上の“一択”状態だったのである。

 なのに、どうして手をこまねいていたのかと言えば、見た目が好みじゃないからである。個人的には、こういうひょろっとした細っこいレンズには食指が動かない(どっちかと言うと、寸胴もしくはずんぐりむっくり系のが好みである)。もちろん、開発者の方々は、1gでも軽く、1mmでも小さく、と努力を重ねておられるのだろうし、それはそれでありがたいことなのだけれど、個人の好き嫌いに合うかどうかと言うのはまた別問題なので、そのへんはご容赦いただきたい。

 でまあ、世間の評判がいいのを知りつつも、見ない振りをつづけてきたのだが、資金捻出のためにあれこれしたのが思いのほかいいお値段になったので、ついでに、と言うと失礼だが、まとめて買っちゃった次第である。

 遠距離での画質はわりと普通だと思う。と言っても、オリンパスの“普通”だから、きっちりファインディテールである。ただ、JPEGの画像をピクセル等倍で見ると、もうちょっと物足りない感がある。解像はしているのに、それがちゃんと出てくれていないような、微妙にもどかしい感じがするのである。シャープネスの設定を少し上げ目にしてもよさそうな気がしないでもない。このあたりは試してみないといけないだろう。

 一方、マクロ域のキレっぷりはものすごい。まあ、マクロレンズはたいていどれもキレのいい描写が楽しめるのだけれど、この60mm Macroのキレは、今まで見たのとちょっと違う気がするのだ。もしかすると、撮像素子が小さい分、被写界深度が深くて、それが画面全体のシャープ感を高めているのかもしれない。そのうえ、ヌケのよさも見事だし、コントラストもいい。遠目の距離でのボケがちょっとリングっぽくなっているのが気になったけど、近距離でのボケはばっちりだ。とにかくもう「見た目で好き嫌い言ってた私が悪うございました」とひれ伏さなきゃいけないレベルのスゴサなのだ。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
今回は、石山緑地というところに行ってきた。札幌軟石という石材の石切場の跡地を利用した公園で、およそ日本っぽくない景観が楽しめる。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/1,600秒 / F6.3 / -0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 9mm
園内にはこんなアートなオブジェもごろごろしていて、超広角じゃないときびしいかったりするので、「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6」も使っている。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/500秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 9mm
ここはぐるぐる渦巻き状の水路があって、そういうアートな空間の中で子どもたちが水遊びをしていたりする。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/320秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 9mm
嘘みたいな青空だけど、天気のいい日はおおむねこんな感じ。PLフィルターいらずである。M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 1/500秒 / F9 / -1.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 9mm
ここからM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroの作例。これは石造りの休憩所。上面はぴかぴかに磨き上げられている。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/80秒 / F4 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 60mm
遠景も十分にシャープである。が、オリンパスではシャープなのが普通なので、そんなに驚いたりはしない。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/2,500秒 / F6.3 / -1EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 60mm
石の壁の下には、四角いオブジェがごろごろ。石の存在感もすごいんだけど、緑もけっこうパワフル。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/1,000秒 / F6.3 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 60mm
背景の葉っぱのボケのエッジがちょっと強い感じがする。手前の石のボケ具合はそんなでもないから、あまり気にしなくていいのかもしれないが。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/800秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 60mm
近接域のキレは遠景よりも数段上に感じる。花粉の粒が数えられそうなシャープさ。絞り開放でこれかよって思ってしまう。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/3,200秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 60mm
円内の照明の根本にも石が使われていて、しかも工業製品の一様さがない。いろんなものがアートになっている空間なのである。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/2,000秒 / F2.8 / -1EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 60mm
絞り開放と言っても、マイクロフォーサーズのF2.8だから、被写界深度はそれなりにある。その分シャープ感を強く感じるのかもしれない。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/500秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 60mm
E-P5は5軸手ブレ補正だし、半押し中手ブレ補正が使えるからマクロ域の撮影はけっこう快適。でもまだ画角と距離感がうまくつかめてないので要練習である。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro / 1/200秒 / F5.6 / +1.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 60mm

 画角と撮影距離の感覚とかは慣れが必要そうだし、フォーカスリングの回し方でピントの動き方が変わるところも気をつけないといけない点。なにせぐいっと回したときとちみちみ回したときの差がものすごいのだ。勢いよく回すと無限遠から至近まで1回転ぐらいなのだが、ゆっくりじっくり回したら8周半ほど。操作に対する敏感度を可変式にすることで、素早い操作と微調整のしやすさを両立させているわけで、実用的でいい工夫だと思うのだが、気付かずにフォーカスリングをぐりぐり回したのに、いっこうにピントが合わなくて焦ってしまった。そういうのは使用説明書にも書いておいて欲しかったぞ、って思うのだ。

 それはさておき、マクロ域での撮影にはEVFがあったほうが断然有利。カメラを顔で支えられる分手ブレを抑えやすいし、目線とレンズ光軸が平行にできる分、被写体を捕捉しやすいメリットもある(モニター撮影だと、カメラアングルのちょっとしたズレに気づきにくいせいで、被写体が行方不明になりやすいのだ)。

 それと、半押し中手ブレ補正機能を忘れずにONにしておくこと。この機能は、5軸手ブレ補正のオマケみたいな感じだが、ライブビュー映像が安定するのでピント合わせがやりやすいうえに、フレーミングも楽ちんになる。結果的にはだけど、EVF「VF-4」が同梱のE-P5のキットといっしょに買ってしまったのは正解だったなぁと思っているのである。

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら