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ニコンD600【第1回】

取り急ぎ、買ってきました報告であります。

Reported by 北村智史


 2008年の夏からずっとD700を使ってきて、正直、重さに閉口していた。なにしろ、D700は995g。電池を入れたら1kgオーバーである。後継モデルのD800は10%ほど軽量化したものの、画素数が大幅に増えた分、レンズへの要求レベルがぐっと上がってしまった。おかげで、重さとコストの面で納得できるシステムが組めそうになくなった。


今回ゲットしてきたのはD600ボディとAF-S 50mm F1.8 G、予備のバッテリー。あと、カメラとセットなら3割引といわれてサンディスクの64GBを買ってきたのはカミサンには内緒である。

 ということもあって、35mm判フルサイズをあきらめてAPS-Cサイズに移行しようかと考えていたわけだ。そんなところにD600のウワサが出はじめて、なんだかずいぶん軽くて安くなりそうなんていうものだから、ついよろめいてしまったわけだ。

 ウワサの時点よりもお値段はぐっとアップしたものの、軽さのほうは申し分ない数字。まあ、キヤノンのEOS 6Dに比べると、まだ80gも重いけれど、あのD700より235gも軽くなったのだ。手に持った印象は、まさに雲泥の差である。サイズも少しだけれど小さくなっていて、同じニコンのフルサイズ機とは思えないほどだ。

 それでいて、画素数はD700の約2倍。有効2,466万画素。D800は約3倍(有効3,630万画素)までいっちゃってるから、相応に神経を使わないといけない。その点、D600の画素数はほどがいい。もちろん、気楽に撮ったら細かいブレやボケにめげることになるだろうが、D800よりはずっと楽に撮れるはずだ。と、勝手に期待しているのである。

 個人的には高感度はもう1段欲しかったけれど、まあ悪いスペックではない。連写も少しだけ速くなった(D700みたいにグリップ付けて速くなるとかのオプションはなしである)。まあ、動きものをばりばり撮るような機会はほとんどないから文句はない。

 ただ、眼鏡おやじの筆者としては、ファインダー接眼部が角窓になったのがちょっとばかり物足りない。上位モデルで標準装備の丸窓ファインダー(D700もこれだった)は、眼鏡をかけていてもケラレがほとんどないが、角窓はケラレが生じやすい。だから、発表されたブツ画像を見たときはけっこうがっかりしたのだ。

 実際、ファインダーをのぞいてみると、裸眼ならもちろん平気なのだが、眼鏡をかけた状態だと四隅がちょっぴり欠けてしまう。まあ、そういうのも含めて安くなっているのだから、愚痴るのは今回かぎりにしておくつもりだけれど、やっぱりフルサイズ機には丸窓ファインダーをおごってもらいたかったなぁと思う。

 あと、シャッター音の歯切れがいまいちよくないとか、グリップの感触がやや固い(厚みのあるゴムの弾力が欲しいんですってば)のとかも気になったが、いちばんさびしかったのは、測距点のカバーエリアが狭くなったこと。D800の51点測距に比べると、上下左右ともに測距点ひとつ分くらいずつ狭いのである。

 とはいえ、カバーエリアを広くするにはAFセンサーモジュールを大型化したり、光路長を伸ばしたりとかしないといけないはずだから、小型化と低価格化を重視するなら、我慢しないといけなくなる部分ではある。

 なんだかんだいって、D600は廉価版フルサイズ機なのだから、ケチをつけはじめたらキリはない。それに、スペックだとかフィールの良さだとかを求めるならD800がいいに決まっている。価格差だってそんなに大きくない。それを承知で、あえてD600を選んだのは、D800にはない軽快さが欲しかったから。なので、多少のことには目をつぶりまくる覚悟でいるのである。

 正式発表まではAF-S 24-85mm F3.5-4.5 G ED VR付きのキットを候補にしていたのだが、キット割引が小さくて(単体+24-85mmとキットの価格差が6,000円弱しかないのだ)、あまりおいしそうに見えない。どうしても手に入れたいレンズというわけでもないし、標準ズームならAF-S VR ED 24-120mm F3.5-5.6 Gを持っている(古いけどね)。そのうちに中古でも見つけたら買ってみてもいいかなって感じである。

 で、まあ、ボディ単体と予備のバッテリーを買って、そのポイントでAF-S 50mm F1.8 Gをもらってきたような次第。発売初日の天気はいまいち冴えなかったが、とりあえずの試し撮りである。ピクチャーコントロールはスタンダード、アクティブD-ライティングはオフ、ヴィネットコントロールは標準に設定して撮ってみた。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

F1.8の標準レンズで開き気味の絞りで寄って撮ったら背景はボケる。当たり前の話だけれど、フルサイズのボケ具合は格別だと思う。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/640秒 / F2.5 / 1.0EV / ISO100 / WB:AUTO1

民家の外壁にこういうのがくっついていたりするのは、やっぱりとても謎な気分である。意表を突いて新聞受けとかだったり……。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/250秒 / F3.5 / 0.7EV / ISO100 / WB:AUTO1

曇っているせいもあるかもしれないが、もう少しコントラストがあってもよさそうな印象。ピクチャーコントロールもいじらないと。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/100秒 / F4.5 / 0.3EV / ISO100 / WB:AUTO1

わざわざ顔にする必要もないと思うけどね。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/320秒 / F4 / 0.3EV / ISO100 / WB:AUTO1

開放から2/3段絞っただけだが、まずまずのシャープさ。背景のボケは少し固い気もするが、悪い印象ではない。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/250秒 / F2.2 / 1.0EV / ISO100 / WB:AUTO1

こういう青が支配的な画面だと、以前はオートホワイトバランスがへんてこなことになりやすかったが、ずいぶん転びにくくなった。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/200秒 / F3.2 / 0EV / ISO100 / WB:AUTO1

まだ残っていたヒマワリ。花は終わっているけれど、茎にはまだ力がある。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/250秒 / F2.2 / 1.3EV / ISO100 / WB:AUTO1

集合住宅らしい建物のエントランスになぜか狛犬。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/100秒 / F2.8 / 1.0EV / ISO100 / WB:AUTO1

ちょっと古い機種だとオートホワイトバランスがだまされて真っ青になっていた条件。最新モデルらしい進化である。D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 1/100秒 / F5 / -1EV / ISO100 / WB:AUTO1




北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。

2012/10/2 08:03