シグマ「70-300mm F4-5.6 DG OS」
EOS 7D / 70-300mm F4-5.6 DG OS / 約5.4MB / 5,184×3,456 / 1/320秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 300mm |
EOS 7Dに装着した状態。価格は6万1,950円 |
フルサイズ対応の望遠ズームレンズである。APS-Cサイズのデジタル一眼レフに装着した場合では、フルサイズ判換算で105〜450mm相当の画角を持つ(キヤノンの場合は112〜480mm相当)。1月19日に掲載した17-70mm F2.8-4 DC Macro OS HSMとの組み合わせなら、高倍率ズームを凌ぐ17mmから300mmまでの広い焦点距離をカバーできる。メーカー希望価格は6万1,950円、執筆時における大手量販店の実勢価格は4万9,800円前後となる。
シグマには同じ焦点距離を持つレンズが以前から2本あるが(70-300mm F4-5.6 DG MacroとAPO 70-300mm F4-5.6 DG Macro)、本レンズの一番のアドバンテージは手ブレ補正機構を搭載していることだろう。特にボディに手ブレ補正機能を内蔵していないキヤノンやニコンのユーザーにとっては朗報といえるもので、いうまでもなく今後はこのレンズが主流となるはずだ。手ブレ補正の効果は、近接撮影でなければシャッター速度に換算して約4段分が得られる。
鏡銅の大きさ・重さは、76.5×126.5mm・610g(いずれもシグママウントの場合)。これまでの2本はズームリングが他の部分よりも一回り太いデザインを採用していたが、本レンズでは手ブレ補正を内蔵していることもあり先端のフォーカスリングを除いた全てが太くなっている。レンズ全長に関しては、テレ端までズーミングするとさすがに前玉がグッと繰り出してくるものの、ワイド端で留めている状態なら思いのほかコンパクトだ。フィルター径は62mm、最短撮影距離はズーム全域で150cmを実現している。
AFは比較的速やかに合焦するものの、駆動はDCコアモーターのため静粛性にはやや欠ける。また、AFからMFへシームレスに切り変わる機構は内蔵されていないため、ピントの微調整が行なえないのは望遠レンズとしては少々つらいかもしれない。
望遠レンズで遠景を撮る場合は大気の影響を受けやすく、一概にいえないところもあるが、解像感やコントラストについては比較的良好な描写が得られる。気になるような色のにじみの発生も、ズーム全域とも見受けることは少ない。ただし、画面周辺部に関して解像感の低下が見受けられることがあるのは少々残念だ。そのほかとして、周辺光量の低下やフレアの発生などに関しては比較的よく抑えられている。ボケ味もズームレンズとしては濁りも少なく、キレイなほうだ。
入門用の望遠ズームとして考えれば、つくりや質感にも不足を感じさせないレンズである。所有するレンズがまだ標準ズームレンズだけというユーザーは、2本目として検討してみるとよいだろう。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。
EOS 7D / 70-300mm F4-5.6 DG OS / 約3.8MB / 5,184×3,456 / 1/60秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 145mm | EOS 7D / 70-300mm F4-5.6 DG OS / 約5.7MB / 5,184×3,456 / 1/800秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 88mm |
EOS 7D / 70-300mm F4-5.6 DG OS / 約6.2MB / 5,184×3,456 / 1/400秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 70mm | EOS 7D / 70-300mm F4-5.6 DG OS / 約4.1MB / 3,456×5,184 / 1/125秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 300mm |
EOS 7D / 70-300mm F4-5.6 DG OS / 約6.8MB / 5,184×3,456 / 1/800秒 / F8 / +0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 300mm |
2010/1/28 00:00