キャルム |
フォックスファイヤーが2月に発売したトートタイプのカメラバッグ「キャルム」(1万6,590円)は、シティユースを想定したカジュアルモデルだ。
フォックスファイヤーといえば、トレッキングやフライフィッシングなど、アウトドアにフォーカスしたバッグや衣料品を主に取扱うブランドだ。写真関連では、アウトドアでの写真撮影を想定した「フォトレック」が知られている。
そのフォトレックに、シティーユースをコンセプトとしたモデルが登場したのは2009年。今回紹介するキャルムもその流れを汲む新製品のひとつ。例えば同クラスのフォックスファイヤー製バッグで同様のコンセプトを持ったものとしては「フォトレックハーフムーン」があるが、キャルムでは外部にポケットなどの収納を備えず、従来製品と比べてもシンプルなスタイリングとなっている。
カメラ収納部にあたるクッションボックスは着脱可能で、カメラバッグとして使用しないときは普通のトートバッグとしても使える。クッションボックス以外の収納は内部にポケットを備えるのみで、「このバッグに入っているはずなんだけど、あのメモリーカードはどこに入れたっけ?」というような状況は回避しやすい作りだ。
クッションボックスの内寸は310×105×150mm(幅×奥行き×高さ)。クッションボックスは5枚の仕切り板を有し、標準状態では6つのコンパートメントに分かれている。標準状態ではエントリークラスのデジタル一眼レフカメラといった小型モデルであっても、レンズを装着したままでは収納しづらく感じた。機材の収納にあたっては、仕切り板をこまめに配置し直すことになるだろう。
なお、クッションボックスはバッグの半分程度の高さしかないため、収納物によっては縦方向にはみ出る可能性がある。気になる場合は、他メーカーのクッションボックスやカメララップなどを活用する手も考えられる。
持ち手部分は長さを調節できる | クッションボックスは取り外せる |
クッションボックスは6つに仕切られている | クッションボックスを外したところ |
DA L 18-55mm F3.5-5.6 ALを装着したK-x、DA 15mm F4 ED AL Limited、DA 21mm F3.2 AL Limited、DA 55-300mm F4-5.8 EDを収納したところ | K-xの標準レンズキットを横向きに収納したところ。このほか、D FA MACRO 50mm F2.8とDA 55-300mm F4-5.8 EDを収納している |
DA 17-70mm F4 AL [IF] SDMを装着したK-7とDA 55-300mm F4-5.8 EDを収納したところ。機材が小さめならば、自由度はそれなりにある | クッションボックスの脇にはA4サイズの雑誌くらいなら差し込んでおけるスペースがある |
肩に掛けたところ | 手に持ったところ |
表面素材にはPVCを採用し、持ち手部分や開口部などの縁取りは合成皮革製。実際に使ってみた印象では、小雨に降られた程度では内部に影響しない程度の防水性は確保しているようだ。ただしメーカーでは防水性能について何ら保証はしていないので、気をつけてほしい。
開口部はジッパー式。完全に開いた状態にすると内側に折り畳むことができる。収納物を視認しやすいので、片手で機材を取り出すときに、手探りにならずに済む点はうれしい工夫だ。
開口部は全開にしたあと、内側に折り畳むことができる |
機材を取り出しているところ | 底部には4つの鋲が打ってある |
キャルムの特徴として、余計なポケットのないシンプルな構造が挙げられる。また、開口部に施された一工夫で、とっさのときに機材を取り出しやすいというメリットもある。
さらに、トートバッグであるキャルム自体の深さは30cm程度になる。70-200mm F2.8といった長めの交換レンズも、クッションボックスからはみ出すとはいえ、縦にした状態で収納できる深さだ。このあたりの自由度も、トートバッグならではの利点といえる。
普段はクッションボックスを取り出して普通のトートバッグとして使い、休日に撮影へ出かける時はクッションボックスを入れる、といった使い方が考えられそうだ。
2010/3/30 00:00