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Xperia Z5 Premiumでオールドレンズ撮影

(Turtlebackジャケット+DOF for Canon EOSマウント)

人気の高いスマートフォンのXperiaシリーズに、4Kディスプレイを搭載した「Xperia Z5 Premium」というハイスペック端末が登場した。今回はそんな最新技術を駆使したスマートフォンにオールドレンズを組み合わせるという、ひと味違った撮影を楽しんでみた。

世界初の4Kディスプレイと、高性能な内蔵カメラ

スマートフォンの世界にも「4K」の波が押し寄せており、4K動画撮影に対応した機種が出始めている。そして、ディスプレイの表示解像度が4KになったスマートフォンがNTTドコモよりリリースされた。ソニーモバイルコミュニケーションズ製のXperia Z5 Premiumだ。

Xperia Z5 Premium

このXperia Z5 Premiumに搭載されたディスプレイは約5.5型3,840×2,160ドット。4K解像度のディスプレイがスマートフォンに搭載されるのは世界初だという(2015年12月現在)。フルHDディスプレイの1,920×1,080画素と比べて、一層の高精細さに驚きを感じる。

4KディスプレイとHDディスプレイの比較(NTTドコモ2015年冬春モデル発表会にて)

そして、このXperia Z5 Premiumはカメラ機能もハイエンド。内蔵メインカメラは約2,300万画素で、現在世界最速の0.03秒を謳うAFシステムを搭載している。これはコントラストAFと像面位相差AFを組み合わせたハイブリッドAFで、ソニーαシリーズの技術が活かされている。レンズは広角な24mm相当F2で、センサーサイズは1/2.3型だ。

Xperia Z5 Premiumでの通常撮影例

プレミアムおまかせオート / 5,520×4,140 / ISO40 / F2.0 / 1/1,000秒 / ±0EV / 24mm相当
プレミアムおまかせオート / 5,520×4,140 / ISO40 / F2.0 / 1/125秒 / +0.3EV / 24mm相当

オールドレンズをTurtlebackジャケットで活用

さて、上記の通りXperia Z5 Premiumで普通に撮った写真はもちろん美しいのだが、筆者はここでオールドレンズとの組み合わせを試してみた。使用したのは、以前にも「iPhoneでオールドレンズ撮影を楽しむには」にて紹介したTurtlebackの「iPhone6/6Plus/5/5s対応 コンバージョンレンズ用ジャケット」と「DOF for Canon EOSマウント」だ。

Turtlebackジャケット

簡単に仕組みをおさらいすると、「iPhone 6/6 Plus/5/5s対応 コンバージョンレンズ用ジャケット」にスマートフォンを装着。さらに、「DOF for Canon EOSマウント」に交換レンズを装着。これらを合体させることで、「DOF for Canon EOSマウント」上のフォーカシングスクリーンに写った画像をスマートフォンのカメラにて撮影する、というシステムになっている。レンズ側のオートフォーカスは使用できずMFのみとなるが、これで一眼レフ用の交換レンズを通した絵を撮影できるようになる。

Xperia Z5 Premiumは約5.5型のディスプレイなので、「iPhone 6/6 Plus/5/5s対応 コンバージョンレンズ用ジャケット」にギリギリのサイズではあるが、装着できた。これよりディスプレイサイズが大きなスマートフォンに取り付けるのは難しいだろう。

撮影方法としては、Xperia Z5 Premiumのカメラアプリを起動し、上下逆像でフォーカシングスクリーンに投影された像を内蔵カメラで撮影する。レンズのマニュアルフォーカスである程度フォーカスを合わせると、あとはカメラアプリのAFで合焦可能。マニュアルとオートが組み合わさった撮影手順となる。

なお、Xperia Z5 Premiumの内蔵カメラは24mmと広角なため、そのまま撮影すると上下左右がケラレてしまう。そこで、内蔵カメラのデジタルズームで1.2倍程度の画角にしてみると、ケラレは気にならなくなる。「DOF for Canon EOSマウント」にレンズを装着するとAPS-Cカメラ相当の1.5倍の焦点距離相当となるため、1.2倍のデジタルズームを組み合わせることでレンズ表記の1.8倍相当の焦点距離となる。

上下がケラレる例

ちなみにXperia Z5 Premiumのデジタルズーム機能は、ソニーのデジタルカメラでもお馴染みの全画素超解像ズームで、通常のデジタルズームより解像感の劣化を抑えているため、1.2倍程度のズームで使用しても影響は少ない。

4本のオールドレンズで実写

今回の撮影では4本のレンズを使用した。キヤノンEF 50mm F1.8 II(キヤノンEFマウント)、Carl Zeiss Planar 50mm F1.7(コンタックスヤシカマウント)、ロシア製Jupiter-9 85mm F2(M42マウント)、ニコンAi NIKKOR 35mm F2S(ニコンFマウント)の4本だ。

「DOF for Canon EOSマウント」への装着は、各マウントをEFマウントに変換するマウントアダプターを使用した。

各種マウントアダプター(左からNIKON Fマウント-EFマウントアダプター、コンタックスヤシカマウント-EFマウントアダプター、M42マウント-EFマウントアダプター)

キヤノンEF 50mm F1.8 II

Turtlebackジャケットはキヤノン50mm F1.8 IIの装着を想定して作られており、一番使いやすいレンズとなる。ただし、絞りは開放F1.8に固定となる。AFレンズのためピントリングの操作は多少やりにくい部分はあるが、軽量なレンズなのて、Turtlebackジャケットに装着しても使いやすい。

プレミアムおまかせオート / 5,520×4,140 / ISO160 / レンズF1.8、カメラF2.0 / 1/32秒 / -0.7EV / 75mm相当(デジタルズーム使用せず)

Jupiter-9 85mm F2

Jupiter-9 85mm F2

ロシア製Jupiter-9 85mm F2(M42マウント)は、ポートレートレンズとして人気の高いレンズだ。絞り開放での滲みはポートレート撮影で真価を発揮する。今回のTurtlebackジャケットにて使用すると、絞り開放の滲みがさらに強調されて、不思議な雰囲気となった。

プレミアムおまかせオート / 5,520×4,140 / ISO100 / レンズF2.0、カメラF2.0 / 1/32秒 / +0.7EV / 127.5mm相当(デジタルズーム使用せず)

Carl Zeiss Planar 50mm F1.7

Carl Zeiss Planar 50mm F1.7は解像度の高いオールドレンズのため、Turtlebackジャケットでもピントの山は見やすい。中央に焦点が合い、周辺が淡く流れていく雰囲気は、PlanarとTurtlebackの絶妙な味わいとなる。

プレミアムおまかせオート / 5,520×4,140 / ISO40 / レンズF1.7、カメラF2.0 / 1/40秒 / -0.7EV / 90mm相当(デジタルズーム1.2倍使用)

ニコンAi NIKKOR 35mm F2S

Turtlebackジャケットだと周辺部が流れるため、広角レンズは使い方が難しい。ニコンAi NIKKOR 35mm F2Sを使用すると、焦点距離63mm相当となり標準レンズに近い使い勝手となるが、ピントを合わせるのが難しく感じた。

プレミアムおまかせオート / 4,140×5,520 / ISO64 / レンズF2.0、カメラF2.0 / 1/32秒 / +0.3EV / 63mm相当(デジタルズーム1.2倍使用)

まとめ:最新スマホとオールドレンズ描写の融合

今回のテーマは最新のスマホカメラにオールドレンズを取り付けるという異端な組み合わせだが、内蔵カメラの高速AFが幸いした。MFで大まかにフォーカシングした後、すぐにAFで追いこめるのだ。普通のオールドレンズ撮影にはAFという文化がなく、フォーカシングは最後までマニュアルなので、こうしてオートの助けを借りると想像以上に軽快なテンポで撮れるのが新鮮だ。

写真データとしては、フォーカシングスクリーンをスマホ内蔵カメラで撮影している原理的な問題もあり、それほど解像感は高くない。しかしながら、内蔵カメラでは得られないボケやレンズの味を写真に反映できるのは、このTurtlebackならではの面白さだろう。

そして、特にXperia Z5 Premiumは4K解像度のディスプレイという特徴があるので、撮影画像をより詳細に確認できる。写真データをチェックするデバイスとしても、4Kディスプレイ搭載のスマートフォンはなかなか実用的な印象だ。

4Kディスプレイにて写真データを確認

こうした高機能なスマートフォンとオールドレンズの組み合わせは、現代ならではの一風変わった遊び方と言えるだろう。

伊藤浩一

モバイル情報ブロガー、ITライター。ブログ「伊藤浩一のWindows Phone応援団(旧W-ZERO3応援団)」やIT系WEB連載にてモバイル端末などのレビューを執筆。カメラは、ソニーα7を中心にオールドレンズの活用をしている。