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速写ストラップユーザーが三脚を使うなら

CustomSLR「M-PLATE PRO マルチクイックリリース カメラプレート」

M-PLATE PRO マルチクイックリリース カメラプレート

“速写ストラップ”とよばれる、長さ調節が容易で斜めがけも可能なショルダータイプのカメラストラップを使うユーザーが増えているようだ。速写ストラップは、カメラ底面の三脚穴を利用するものが多い。ユーザーの大半は手持ち撮影が主だろうだが、ときには三脚を使いたいこともあるのではないか。

「三脚を使うたびに速写ストラップを外すのも手間がかかるなあ……」などと思っている速写ストラップユーザー、あるいは、そう思って速写ストラップの導入をためらっているユーザーに検討していただきたいのが、BLaKPIXELが取り扱うこの米CustomSLR社「M-PLATE PRO マルチクイックリリース カメラプレート」(以下、M-PLATE PROと略)だ。

マンフロットRC2とアルカスイス規格に対応

このM-PLATE PROは、同社製の回転ストラップマウント「C-Loop」をつけたまま雲台に固定するためのプレートだ。アームが設けられており、そこにC-Loop用の固定穴がある。そして、マンフロット雲台RC2クイックリリースシステム対応モデル(200PLプレートを使用する機種)と、アルカスイスタイプの雲台にそのまま固定できる。いずれか(または両者)を使うなら、M-PLATE PROにさらにクイックリリースプレートを装着する必要がない。

M-PLATE PRO(税別8,780円)。カメラの三脚穴に固定するねじは可動式。ストラップアダプターC-Loopを装着できるアームがある。

M-PLATE PRO自体の重さは約63g。航空機グレードのアルミ削り出しで、複数の三脚穴が開けられている。M-PLATE PROとカメラを固定する固定ネジには可動域が設けられているので微調整が可能だ。固定用の六角レンチが付属し、この六角レンチはキーホルダーにつけられるようになっている。

カメラ底面に装着する側はラバーが貼られていて、カメラにしっかり固定できる
カメラに固定したところ。六角レンチが付属するので、使用時はキーホルダーにつけて持ち歩くといい
マンフロットのクラシックボール雲台「498RC2」にM-PLATE PROのみを装着したところ。マンフロット雲台のうち、RC2クイックリリースシステム対応モデルであれば、そのまま装着できる
アルカスイス規格のクイックリリースプレートにも対応する。写真はジッツオのアルカスイス型「Dプロファイル」プレートのトラベラー雲台「GH1781TQD」とマウンテニア三脚「GT0532」
ただし、雲台の形状には要注意。M-PLATE PROのアーム部分が干渉しないものならば装着できる。ジッツオのアルカスイス型「Dプロファイル」プレートのトラベラー雲台「GH1781TQD」は装着可能だが、M-PLATE PROのアーム部分がC-Loopをつけたままでは取り付けにくかった

M-PLATE PROの厚さは9.3mm。もしレンズが太いなどの理由でM-PLATE PROのアーム部分と干渉する場合は、別売専用スペーサー「M-PLATE PRO Riser」(税別2,480円)を使用すると約6mmほどかさ上げすることができる。

また、M-PLATE PROにはハンドストラップを装着するための別売アタッチメント「M-PLATE PRO/Slim用オプション ハンドストラップアタッチメント」(税別1,280円)も用意されている。

回転式ストラップマウントC-Loopをアーム部分に装着したところ
C-Loopをつけてカメラ固定したところ
C-LoopにCustom SLRの伸縮エアーストラップを装着した
三脚座のある大口径ズームレンズなどは、三脚座の側にM-PLATE PROを装着しよう
雲台には、クイックリリースシューと同じようにはめることができる
アーム部分が前に来るので、ストラップは三脚前面に。邪魔になるならば三脚にくくりつけるといいだろう。風がある場合は多少のブレ防止にもなる
ハンドストラップ用アダプターも別売で用意されている
M-PLATE PROがレンズと干渉する場合は、別売のライザーを使用する

肩からおろして雲台に「ぱちん!」

筆者はM-PLATE PROにC-Loopをつけ、さらに「伸縮エアーストラップ」を組み合わせて試用した。たすきがけでカメラを提げつつ三脚を持ち、撮影現場でセッティングする際に、通常のクイックリリースプレートを使用するのと同様にM-PLATE PROを雲台にあてがい、ぱちん!と固定できるのは便利だった。

精度も高くがたつかない印象だ。なにをするにも焦りは禁物なのだが、ときには急いで三脚をセッティングしたいことがある。そのときに、雲台やクイックリリースプレートをカメラの三脚穴にねじ込むのが、一発でうまくできずにあたふたすることがあるのだ。もちろん、撤収時も容易だ。

さらには、望遠ズームの望遠端で狙った瞬間を撮りつつ、被写体がより近接して、広角端に収まらなくなった際には、三脚からカメラを離して手持ち撮影で向きを変えて追う、などということも慣れれば可能かもしれない。筆者は列車撮影をするさい、ときにそういう無理なことをしたくなるのだ。また、アーム部分にC-Loopおよびストラップを固定できるので、カメラを置く際にも安定させやすい。

M-PLATEにC-Loopをつけ、伸縮エアーストラップを使用
そのまま雲台にぱちんと装着できるのは便利だ

さらには、M-PLATE PROをカメラに常時装着しておけば、クイックリリースプレートを自宅に忘れて現場で泣くことも防げるだろう。筆者はさすがにそれは経験していないが、自宅を出る際に忘れていることに気づき、汗をかいたことは複数回ある。あぶないな。

なお、マンフロットRC2雲台とアルカスイス規格雲台に対応したM-PLATEシリーズには、アームのない「M-PLATE Slim マルチクイックリリース カメラプレート」(税別6,880円)と、より小型の「M-PLATE Mini マルチクイックリリース カメラプレート」(税別4,980円)も用意されている。いずれもC-Loopはベース部分の複数の拡張穴にとりつける。三脚の使用頻度やお使いの機材とのバランスで選ぶといいだろう。

M-PLATE PROのアーム部分のないM-PLATE Slimとより小さい同Miniもある。いずれもマンフロットRC2およびアルカスイス規格雲台に使用可能で、C-Loopを接続できる。雲台に装着する場合はC-Loopを外す必要があるので、三脚の使用頻度に応じて選択したい

「速写ストラップによるカメラの三脚穴占有問題」は各社それぞれに知恵を絞っているようだが、マンフロットRC2とアルカスイス規格の両方に対応したM-PLATE PROもその解消方法のひとつといえる。三脚使用頻度が高い速写ストラップユーザーは、ぜひチェックしてみてほしい。

協力:BLaKPIXEL(ブラックピクセル)

秋山薫

(あきやま かおる)1973年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。月刊カメラ誌編集部員、季刊カメラ誌編集長を経験。編集者・写真家として活動中。現在は私鉄沿線情報誌編集部に勤務。Kindle電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」の執筆・編集も行っている。