デジカメドレスアップ主義

地金で魅せる金属エイジング

OLYMPUS PEN E-P5 + Elmar 5cm F3.5

  • ボディ:OLYMPUS PEN E-P5(ブラック)
  • レンズ:ライツ エルマー5cm F3.5
  • レンズ塗装:ルミエール ブラックペイント(ウェザリング加工)
  • レンズフード:ライツVALOO
  • マウントアダプター:三晃精機 マイクロフォーサーズ用ライカMマウントアダプター(愛称:私のお気に入り)
  • マウントアダプター:レイクオールL-Mリング 50・75mm(半欠きタイプ)
  • ケース:リコイル E-P5スタンダードスタイルケースN0.3/Military
  • ストラップ:リコイル ハンドストラップ(参考商品)

 ミラーレス機にオールドレンズを付けると、どうしても気になることがある。レンズとフードは年季が入っているのに、マウントアダプターは新品。このギャップがどうにも気になるのだ。

 レンズとフードはさておき、問題はマウントアダプターだ。当然ながら現行製品なので、地金が露出するには相当の年月が必要となる。しかし、あきらめることはない。三晃精機から、塗装を簡単に剥がせるマウントアダプターが登場した。今回はこのマウントアダプターを軸に、金属エイジングを楽しんでみよう。

※この記事を読んで行なった行為によって生じた損害はデジカメWatch編集部、澤村徹および、メーカー、購入店もその責を負いません。また、デジカメWatch編集部および澤村徹は、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

 今回のドレスアップは、フード、レンズ、マウントアダプターを、三位一体のごとく地金を露出させるのが狙いだ。まず、フード(ライツVALOO)は実際に年季の入ったものを用意した。本来VALOOは引き伸ばし機の絞りセット用リングだが、沈胴エルマーの撮影用フードとしても使える。1949年に登場した製品で、この個体もエッジ部分の塗装が剥げ、地金が露出していい雰囲気だ。

 レンズはルミエールでブラックペイントしたものを用いた。そもそも沈胴エルマーはシルバー鏡胴だが、本来のメッキを剥がし、ブラックペイントを施している。ウェザリング加工によってところどころ地金を露出させ、使い込んだ風合いを再現している。ペイント加工はそれ相応のコストがかかるものの、地金の真鍮が見え隠れする姿は格別である。

フード、レンズ、マウントアダプター、それぞれ地金が露出している
フードは天然モノのエイジングだ。塗装は光沢を失い、地金もくすんでいる
沈胴エルマーはルミエールでウェザリング加工を施した。費用は3万6,750円

 さて、極めつけは三晃精機のマウントアダプターだ。「私のお気に入り」と名付けられたこの製品は、布ヤスリが付属し、これでマウントアダプターの側面をこすって地金を露出させる。剥がれやすい塗装を施してあるので、10分ほど作業するだけで十年以上使い込んだような金属エイジングが再現可能だ。

 本製品の製造工程はかなり手が込んでいる。はじめに通常通りの強固な塗装を行ない、その後側面を削って剥がれやすい塗装を改めて施している。なぜこのような工程が必要なのかというと、マウント面の塗装が剥がれやすいと、使ううちにガタが生じてしまうからだ。レンズやボディと接触する部分はあくまでも通常通りの塗装で、側面のみ剥がれやすくなっている。趣味性の高いマウントアダプターだが、実用面にも考慮した製品だ。

三晃精機の剥がせるマウントアダプターは1万8,000円。布ヤスリが付属している
マウントアダプターの側面を、10〜15分ほど削るだけで随所に真鍮が顔を出す
エッジを中心にヤスリをかける。ありそうでなかったセルフエイジングだ

 レザーケースはリコイルのE-P5スタンダードスタイルケースN0.3/Militaryを選んでみた。このケースはステッチワークが特徴で、グリップ部分のダブルステッチ、底部のクロスロールステッチがデザイン上のアクセントになっている。滑り止めもかねた小粋な仕様だ。

 リコイルからはもうひとつE-P5用ケースが登場した。ヘビーウェイトレザーケースと名付けられたこの製品は、通常よりも厚みのあるレザーを用いているのが特徴だ。グリップ形状にそってレザーをフォーミング(成形)し、分厚いレザーがしっくりとボディに沿う。染めはリコイルが得意とするアンティークカラーを採用し、レザーの質感をじっくりと堪能できるカメラケースだ。

リコイルのNO.3/ミリタリーは1万6,800円。グリップのダブルステッチが映える
向かって右側にはDリングを装備する。レンズキャップを紐で結んでおくとよいだろう
背面は大きく開き、液晶チルトを妨げない仕様になっている
底面の前後にはクロスロールステッチを施す。付属の真鍮ネジで三脚穴に固定する
ヘビーウェイトレザーケースは2万2,000円。ハイパーポリッシュコートで仕上げてある
ひと目見てわかるほどに分厚いレザーを用いている。革好きの心をくすぐる
レザーをフォーミングすることで、グリップ形状がそのまま浮き上がってみえる

 沈胴エルマーはライカLマウントの定番オールドレンズだが、よく知られているように操作性はかなりクセがある。絞りレバーがレンズの前面にあるため、絞り調整のたびに前玉をのぞき込まなくてはならない。今回装着したVALOOは、先端がクリックストップ式の絞りリングになっていて、これをまわすとレンズの絞りを調整できる。いちいち前玉をのぞく手間が省け、沈胴エルマーを快適に使うためのマストアイテムといったところだ。

  • ・作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • ・縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

PEN E-P5 / Elmar 5cm F3.5 / 4,608×3,456 / 1/400秒 / F3.5 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
PEN E-P5 / Elmar 5cm F3.5 / 4,608×3,456 / 1/400秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
PEN E-P5 / Elmar 5cm F3.5 / 4,608×3,456 / 1/640秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
PEN E-P5 / Elmar 5cm F3.5 / 4,608×3,456 / 1/100秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
PEN E-P5 / Elmar 5cm F3.5 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
PEN E-P5 / Elmar 5cm F3.5 / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F3.5 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 50mm

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、ひと癖あるカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。近著は「オールドレンズ・ライフ Vol.2」(玄光社)、「オールドレンズレジェンド」(翔泳社)他。http://metalmickey.jp