デジカメドレスアップ主義:クラシックフードで装う最新MFレンズ

オリンパス・ペンE-P2(ブラック) + フォクトレンダーNOKTON 25mm F0.95
Reported by澤村徹

  • ボディ:オリンパス・ペンE-P2(ブラック)
  • レンズ:フォクトレンダーNOKTON 25mm F0.95
  • レンズフード:旧フォクトレンダー 310/54
  • レンズフード:フォクトレンダー LH-3
  • レンズフード:ニコン ニッコール50mm F1.4用
  • レンズフード:ミノルタ D54KE
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 2010年11月25日、待望のNOKTON 25mm F0.95がコシナから発売になった。サードパーティー初のマイクロフォーサーズ専用レンズであり、なおかつ開放F0.95という突き抜けた大口径っぷりが話題のレンズだ。大きなボケへの期待はもちろん、クラシカルな佇まいも魅力のひとつになっている。クラカメ系ドレスアップが好きな人には、かなり気になるレンズだろう。そこで今回は、このレンズとオリンパス・ペンE-P2ブラックを組み合わせ、オールドレンズのフードでドレスアップしてみた。

 NOKTON 25mm F0.95は35mm判換算50mm相当で、フィルター径は52mmだ。標準でねじ込み式のメタルフードが付属しており、フード先端に装着するレンズキャップも用意されている。レンズの造形に合わせ、ほどよいクラシックフィーリングをまとったフードだ。社外品フードを付けるのであれば、純正フードと異なる雰囲気のものを選びたい。

 標準レンズ用の52mm径フードは種類が多く、様々なパターンが考えられる。具体的には35〜50mm用フードがターゲットになり、標準画角なのでフードによるケラレもさほどナーバスにならずに済むはずだ。手はじめはフォクトレンダーつながりで、旧フォクトレンダーのゼプトン50mm F2用フード「310/54」を装着してみた。ゼプトン50mm F2は1960年代のレンズで、デッケルマウントの標準レンズとして有名だ。丸型フードの上下をつぶしたようなデザインで、両サイドにえぐりを設けた凝った造りのフードだ。カブセ式になっており、フィルター径52mmのレンズ(外径54mm相当)に装着できる。ただし、レンズに直接付けると鏡胴を傷つけかねないので、ここでは52mm径の保護フィルターを付け、その上からかぶせている。

310/54はフィルター径52mm(外径54mm)のレンズに装着できる。中古価格は4,000円程度だ塗装の質感が似ているため、違和感なく装着できる。新旧フォクトレンダ-の合作だ
締め付けの強いカブセ式なので、レンズが傷つかないように52mm径保護フィルターの上から装着する純正レンズフードはキャップが付属している。実用性に配慮した仕様が好印象だ

 2例目は古いニッコール50mm F1.4用のフードを選んでみた。国産レンズのフードなので、流通量が多く入手しやすい。取り付けはフィルター径の内側に装着するハメコミ式だ。

ニッコール50mm F1.4用フードはレンズと連なりが自然で、一体感のあるドレスアップだハメコミ式を採用しており、両サイドにあるボタンを押し込んでレンズに装着する

 3つめはミノルタのD54KEを装着してみた。オートロッコールPF 55mm F1.8、MCロッコールPF 55mm F1.7用のフードで、先端に向けてラッパ型になっている。レンズ鏡胴がそのまま伸びたようなスリムな佇まいが特徴だ。取り付けは固定ネジを用いたカブセ式となる。

D54KEは固定ネジを用いたシンプルなカブセ式フードだ。「minolta」のロゴデザインがいまあえて新鮮だわずかにテーパーのかかったスリムなデザインだ。単なる円筒形よりも洗練を感じる

 最後はフォクトレンダーのLH-3だ。ノクトン35mm F1.2 アスフェリカル用のオプションフードで、現在でも新品購入できる。ライカファンに人気の三穴スリットタイプで、カブセ式となっている。縮緬塗装でレンズと雰囲気が異なるが、クラカメテイストが好きな人には貴重な選択肢だ。

フォクトレンダーの「LH-3」は1万2,000円。ライカM型向けの三穴スリットフードだ塗装のテイストが異なるものの、クラカメ風ドレスアップの王道をいくスタイルだ

 NOKTON 25mm F0.95は外観こそクラシカルだが、れっきとした最新現行レンズである。オリンパス・ペンE-P2/E-P1との組み合わせでは、濃厚ながらもほどよい地味さのある発色が好印象だ。大口径レンズだけあってマイクロフォーサーズとしては大きなボケが楽しめるが、焦点距離25mmのレンズなので、ライカMレンズのノクティルクスのようなボケを期待すると肩すかしをくらう。中遠距離になると、開放撮影でもボケはさほど大きくない。ボケの大きさを強調したいときは、近距離で被写体をとらえるなど、ちょっとした工夫が必要だろう。なお、作例撮影はE-P1とE-P2を使い、RAWデータをLightroomでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
E-P1 / NOKTON 25mm F0.95 / 3,024×4,032 / 1/1,600秒 / F0.95 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mmE-P1 / NOKTON 25mm F0.95 / 3,024×4,032 / 1/1,250秒 / F0.95 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mm
E-P1 / NOKTON 25mm F0.95 / 3,024×4,032 / 1/1,600秒 / F0.95 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mmE-P2 / NOKTON 25mm F0.95 / 3,024×4,032 / 1/200秒 / F1.4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mm
E-P1 / NOKTON 25mm F0.95 / 3,024×4,032 / 1/1,250秒 / F0.95 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mmE-P2 / NOKTON 25mm F0.95 / 3,024×4,032 / 1/4,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/12/15 00:00