フォトアプリガイド

ニコンのスマホ連携機能「SnapBridge」の使い方

Android/iOSとの接続手順をそれぞれ紹介

カメラとスマートフォン/タブレット端末がシームレスに繋がり、シャッターをきるたびに撮った写真を自動転送してくれるニコンのSnapBridge。面倒な操作不要で、気軽にお気に入りの写真を家族や友達とシェアして楽しめます。

以前、新製品レビューでD5600を取り扱った際にも紹介していますが、この時はAndroidスマートフォンのNFC接続について簡単に触れただけでした。そこで、今回はAndroidとiOSのそれぞれについて、接続手順を紹介していきたいと思います。

改めて「SnapBridge」とは

さて、接続手順の紹介に入る前に、そもそもSnapBridgeとは何か?いま一度確認しておきましょう。

SnapBridgeとは、デジタルカメラとスマートフォン/タブレット端末をリンクさせるアプリのことをいいます。つまりこの「SnapBridgeアプリ」に対応しているカメラが「SnapBridge搭載カメラ」ということになります。

従来の無線接続との大きな違いが、よく採用されているWi-Fi(無線LAN)ではなく、消費電力の少ないBLE(Bluetooth Low Energy)テクノロジーで接続を行う点。

  • 消費電力が少ないので、常にカメラとスマートフォン/タブレット端末を接続したままにできる。
  • Bluetooth接続なので、一度ペアリングすれば以降はカメラの電源を入れるだけで自動的にスマートフォン/タブレット端末と接続される。
  • 常時接続なので、カメラで撮った画像を次々にスマートフォン/タブレット端末へ自動転送できる。
  • スマートフォン/タブレット端末をリモコンがわりにしてリモート撮影(Wi-Fi接続)ができる。

といったところがSnapBridgeの特長で、他にもクラウドサービス「NIKON IMAGE SPACE」への自動アップロード、スマホGPSから撮影画像への位置情報付加、ファームウェアアップデートの通知など便利な機能がたくさんあります。

このように便利な無線接続を実現したSnapBridgeですが、なにはともあれSnapBridgeアプリがスマートフォン/タブレット端末にインストールされていなければ始まりません。まずはGoogle PlayまたはApp Storeから最新版のSnapBridgeアプリをダウンロードしておくようにしましょう。

もちろん、カメラ側のファームウェアを最新にアップデートしておくことも忘れずに。今回使用したニコンD5600のファームウェアは6月1日に更新されたばかりのVer.1.02です。

Androidで使用する

さて、SnapBridgeアプリをインストールしたら、次はカメラとスマートフォン/タブレット端末を接続します。まずはAndroidの場合ですが、端末によってはカメラにかざすだけで通信できるNFC(Near Field Communication)対応のものがありますので、以下でそれぞれについて説明していきたいと思います。

NFC対応端末の場合

接続作業の手始めは、MENUボタンを押し「セットアップメニュー」の「スマートフォンと接続」を選択します。

「スマートフォンと接続」を選択すると以下の画面が表示されます。OKボタンを押します。

すると次の画面が表示されます。NFCを使うか否かを尋ねている画面なのですが、NFC対応端末なら迷わずNFCを使いましょう。カメラ側のNFCマークに端末のNFCマークをかざすだけでペアリングが始まります。この時、忘れずにスマホ側のNFC機能もONにしておきます。

NFCが反応すると(すぐに反応します)、「カメラ名の取得ができました」という確認画面が表示されるので、OKを押して接続を切り替えます。

カメラ側の応答を待つ画面になります。今回の環境では2〜3秒でカメラ側が応答しました。

カメラ側が応答すると、カメラ名(この場合はD5600_2000119)と「Bluetoothペア設定コード」が表示されます。

同時に、カメラ側の液晶モニターには「認証コード」が表示されます。

「Bluetoothペア設定コード」と「認証コード」が同じであることを確認したら、SnapBridgeアプリの「ペア設定する」とカメラ側のOKを選択。接続が完了するはずです。

NFCを使用したSnapBridgeの初期接続は、基本的にNFCマークを合わせて画面の通りにOKを押していくだけ。びっくりするくらい簡単に接続完了しますので、NFC対応端末を持っているならイチ押しの方法です。

NFC非対応端末の場合

カメラのMENUボタンを押して、「セットアップメニュー」の「スマートフォンと接続」を選択します。NFC非対応端末でも最初にやることは同じです。違うのは以下の画面で、「NFCを使わない:OKボタンを押してください。」の指示通り、ここでカメラのOKボタンを押します。

OKボタンを押すと、アプリ名とカメラ名を示した以下の画面になります。

ここでSnapBridgeアプリを起動すると、接続設定画面が表示されるので「+」アイコンをタップします。

端末と接続するカメラを選択します。今回は1台のD5600との接続だったので他の選択肢はありませんが、SnapBridge対応カメラが複数台ある場合はその分選択肢も増えます

これ以降はNFCを使用した場合と同じで、カメラの応答を待った後、SnapBridgeアプリ側とカメラ側の両方でペア設定を確認すれば接続が完了します。

NFCを使用する場合に比べるとひと手間かかることになりますが、SnapBridgeアプリの接続設定からカメラを選択するという極簡単な作業なので、苦になるものではありません。カメラの応答速度なども非常にスムーズです。

いずれにしても、一度設定してしまえばあとはシャッターを押すたびに次々と写真が端末に転送されてきます。

カメラの電源をオフにしても画像転送が終了するまでは接続が維持されますし、カメラの電源を入れれば自動的に接続が再開します。スマホ側でSnapBridgeアプリを起動する必要もなく、「いつの間にかデジタルカメラで撮った写真がスマホに転送されていた!」というように、とても快適な感覚を味わえると思います。

iOSで使用する

iPhoneやiPadといったiOS端末の場合は、SnapBridgeアプリが6月1日にアップデートされ、仕様が大幅に変更されています。最新版iOS用SnapBridgeアプリをインストールして起動すると…果たして以下の画面が端末に表示されました。『カメラのメニューから「スマートフォンと接続」を選んで起動してください』とあります。

「スマートフォンと接続」というのは、Androidの場合と同じ、カメラ側の「セットアップメニュー」の「スマートフォンと接続」のことです。OSが異なってもまずはここから始まります。

「スマートフォンと接続」でOKを押すと、端末側のアプリにSnapBridge対応カメラが表示されますので、目的のカメラを選んでタップします。

カメラとの接続手順を説明する画面。本当に丁寧ですね。あるいは間違えやすいポイントだからこそ丁寧に説明してくれているとも取れますので、よく読んで理解したうえで「確認しました」をタップします。

すると表示されるのが「アクセサリを選択」画面です。先ほども目的のカメラを選択しているのになぜまた?と思うかも知れませんが、これはどうやらSnapBridgeアプリ側でなくiOS本体側のBluetooth設定のようです。

そして目的のアクセサリ(目的のカメラ)をタップすると表示されるのが「Bluetoothペアリング」の要求画面。これはAndroidの場合であった「Bluetoothペア設定コード」画面と同じです。カメラ側の認証コードとこの画面のコードが同じであることを確認したら、SnapBridge側の「ペアリング」をタップするとともに、カメラ側のOKボタンを押します(重要)。

SnapBridge側とカメラ側の双方でコードを確認すると……

繋がりました!これでBluetooth接続は完了して、SnapBridgeを楽しむことができます。同時にNikon IDの登録を促されますので、NIKON IMAGE SPACEのクラウドサービスと連携したい人はここで登録を済ませてしまいましょう。

SnapBridgeでiOS端末とカメラが接続されると「SnapBridgeの世界へようこそ」という画面が表示され、SnapBridgeでできることを簡潔に紹介してくれます。丁寧ですね!

以降は、SnapBridgeの醍醐味である「シャッターを押すたびに次々と写真がスマホに転送される」を存分に体験できます。

ただしAndroidと異なり、いったんカメラの電源をオフにしたり、カメラとiOS端末の距離が離れたりするなどしてBluetooth接続が解除されると、その後に自動で接続が再開されません。これはiOSの仕様なので仕方がありません。

まとめ

SnapBridgeの「シャッターを押すたびに次々と写真が端末に転送される」という機能は確かに便利です。SNSなどで写真をシェアしたいと考えているなら、SnapBridgeを決め手にニコンのカメラを選ぶ人も多いのではないのでしょうか。

2016年4月に発売されたD500から搭載されたSnapBridgeは、カメラ側のファームウェアと端末側のアプリを何度も更新することで、接続の容易さと操作性を確実に向上し、使いやすい無線接続へと進化しています。

また、SnapBridgeに対応したニコンのデジタル一眼レフは、現在のところD500、D7500、D5600、D3400の4機種ですが、そのうちD3400はBluetooth接続には対応しているものの、Wi-Fi接続には対応していません。したがって、同じSnapBridgeでも「リモートライブビュー撮影」や「オリジナルサイズでのお好み画像転送」、「動画の転送」など、Wi-Fi接続が必要な機能を利用しようとすると、Bluetooth接続のみに対応しているカメラでは機能が省略されていることもあります。

自分が使いたい機能を事前にしっかりチェックして、快適なSnapBridgeの世界を楽しんでもらいたいと思います。

曽根原昇

(そねはら のぼる)信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌等で執筆もしている。写真展に「イスタンブルの壁のなか」(オリンパスギャラリー)など。