写真展

上原ゼンジ写真展「My Neighbor Cosmos となりの宇宙」

(ソニーイメージングギャラリー銀座)

自分のすぐそばにある小さな宇宙を発見したい。身近過ぎて、当たり前過ぎて気づかないものへ、惑星探査をするような客観的な視線を送り、新たな星を見出す。そして、それらの新星を今までになかったような方法で再現するのだ。

禅には「芥子の中に須弥山あり」という考え方がある。須弥山とは古代インドの聖なる山のことで世界の中心を表し、芥子粒は小さなもののたとえだ。つまり、芥子の種のような小さなものの中にも、宇宙的な存在が含まれているということになる。

私には手のひらの細胞のずっとずっと奥のミクロの世界は、自分を取り巻く宇宙の涯へとつながっているんじゃないか、というような感覚が小さな頃からあった。だから小さな世界を探求すれば、それはその向こう側の大きな宇宙へとつながり、より本質的な部分へとたどりつけるのではないかと感じるのだ。

目の前の現実よりも自分のすぐ隣にある宇宙に、よりリアリティを感じる瞬間がある。その小さな宇宙の中には、日々の屈託や喜び、そしてすべての問題が詰まっているのだ。

上原ゼンジ 作品展

会場・スケジュールなど

  • ・会場:ソニーイメージングギャラリー銀座 ギャラリー1
  • ・住所:東京都中央区銀座5-3-1 ソニービル6F
  • ・会期:2015年12月18日金曜日~2016年1月14日木曜日
  • ・時間:11時~19時(12月31日、1月2日、1月3日は18時まで)
  • ・休館:1月1日

ギャラリートーク

12月19日土曜日の16時30分~17時15分にギャラリートークを開催する。予約は不要。

作者プロフィール

1961年さいたま市生まれ。実験写真家。美学校考現学研究室にて赤瀬川原平に学ぶ。超芸術トマソンの探査に参加することにより写真に興味を持つ。同時期に本の雑誌社に”助っ人”として出入りし、そのまま編集者として入社。

「あやしい探検隊」にも“ドレイ”として参加する。1986年、写真集団「FOTO SESSION '86」に参加。森山大道に2年間写真を見てもらう。森山の影響から写真家を志し、本の雑誌社を退職する。2001年、JPCカラーマネージメント部会およびMD研究会に所属し、他のメンバーとともにカラーマネージメント知識の普及に務める。

2009年、「宙玉レンズ」を考案。現在は製品化され、海外でも販売されている。

(本誌:武石修)