写真展告知

有野永霧写真展「日本人景 ビニール」

(ニコンサロン)

「日本人景」は、人が自然とかかわり合いながら作りだす風景をみつめて、日本人のものの見方や考え方を探ってみようとするシリーズです。

農家の人は生き物を飼育し植物を栽培するために、自然を管理し、制御し、支配しなければならない。ところが、自然は人間の思い通りに従うものでなく、自己の存在を強く主張し、一歩も引かない。自然力は絶大で、巨大であり、不死鳥のごとく循環を繰り返しては、人の努力の前に立ちはだかる。

人間は自然の力に防戦一方となる。人間力は自然時間の中で劣化していき、最後は跳ね返され、自然の力に屈服するかに見える。しかし人間も簡単に撤退せず、飽くことのないチャレンジを繰り返し、再生しては自然を制御すべく試み続ける。

村は人間と自然の主導権争いの場となって、壮絶な戦いが繰り広げられる。その攻防の場で登場するのが化学合成品のビニールである。ビニールは、農村という戦場では、人間の攻守の要であり、最強の武器の一つである。  (有野永霧)

銀座ニコンサロン 2017年2月 - 写真展 - ニコンサロン

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2017年2月15日(木)~2月28日(火)
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1941年兵庫県生まれ。大阪学芸大学(現大阪教育大学)卒業。

ニコンサロンでの写真展に、78年「there WAS … ヨーロッパにて」、80年「虚実空間・都市 日本編」、83年「虚実空間・都市 ロンドン編」、同年「虚実空間・都市 ニューヨーク編」、89年「空蝉の都市 日本編」、94年「空蝉の都市 ヨーロッパ編」、96年「空蝉の都市 アメリカ編」、97年「無名のアースワーク シーサイド編」、99年「無名のアースワーク 国道筋編」、03年「虚実空間・日本人景」、06年「無名のアースワーク 地中海編」、07年「無名のアースワーク アメリカ編」、09年「日本人景 温泉川」、10年「日本人景 三角地」、14年「マイナスの人景」、15年「日本人景 借景の村」がある。

写真集に、「虚実空間・都市」、「虚実空間・空蝉の都市」、「虚実空間・空蝉の風景」、「日本人景・温泉川」がある。

受賞歴に、81年タイムライフ写真年鑑新人賞、94年第19回伊奈信男賞がある。