写真展
鈴木康史写真展「Photosynthesis」
(ニコンサロン)
2016年7月26日 15:00
太陽が現れると、館内の温度や湿度は一気に上昇する。輝く光が集められ、いや応なしに成長の加速を促す。不自然に囲われた人工物の内側で、植物たちはさまざまな姿を見せつけてくる。
当初、光にもたらされる植物の形の変化や色の際立ちを捉えるつもりで撮影を始めたように作者は思っていたが、光線が厚板ガラスを透過あるいは反射し、葉や枝や幹に照り映える様を撮り進めることで、次第に、温室という装置を介して、朧げで漠とした光の姿を、より具体的に可視化しようと試みていった気がしている。
密集した枝を通り抜ける細く絞られた光。バナナやパパイアの大きな葉に遮られてできるくっきりと濃い影。水面に結ぶ光の粒。ありとあらゆる光のかたちを定着できたら。そんな思いが、作者の温室通いの頻度をさらに上げていった。
カラー約40点。
会場・スケジュールなど
- ・会場:新宿ニコンサロン
- ・住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
- ・会期:2016年8月2日(火)~8月15日(月)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
作者プロフィール
1968年大阪府生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。中島清一氏に師事した後、フリーランスのカメラマンとして独立。