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PHOTONEXT 2016にストロボの色温度が変えられるアダプターなど並ぶ

ソニーとシグマが初出展 フィルターを内蔵できるマウントアダプターも

フォトビジネスおよびプロフォトグラファーを対象としたイベント「PHOTONEXT 2016」が6月21日、パシフィコ横浜で開幕した。会期は6月22日(10時〜17時)まで。入場は無料。

プロ機材や撮影ソリューションなどの展示とプロ向けのセミナーが主なイベント。前回までの東京ビッグサイトからパシフィコ横浜に会場を移しての開催となったが、筆者の印象では初日はかなり混み合っており、多くのブースが大盛況といったところ。各ブースのセミナーも盛り上がっており聴衆が通路に溢れていた。

開場からしばらくは入場登録の列ができていた
無料セミナーは大勢の人が見入っていた

ソニーとシグマが初参加

今回注目を集めたのがソニーとシグマ。CP+などでは常連だが、PHOTONEXTは初参加となった。いずれもセミナーを開催し、自社製品をプロにアピールしていた。

ソニーブースでは、α7シリーズやα6300といったスチルカメラのほか、同社が得意とするムービーカメラも展示。プロサービスの入会案内も行うなど、サポート体制も訴求していた。

ソニーブース。デモシューティングやセミナーも実施

またソニーブースでは、海外で開発発表した電波式のストロボ制御アクセサリーを参考展示。発売時期は未定。送信機「FA-WRC1M」と受信機「FA-WRR1」からなり、最大15台までの同社製クリップオンストロボを制御できる。赤外線式と異なり、到達距離が30mと長いほか太陽光下でも正確に動作する。

電波式ワイヤレスコマンダー

一方シグマは、交換レンズを中心に展示。セミナーと合わせて新コンセプトのArtシリーズをプロに訴求した。

シグマブース。セミナーも盛況
Artシリーズのレンズが一同に並んでいた

よしみカメラ

クリップオンストロボの色温度を変えるアダプター(名称未定)の試作品を展示していた。8月中旬に5,000円程度(フィルター別)で発売する。クリップオンストロボに77mm径のフィルターを付けるためのアダプターになっており、バネでストロボに固定する仕組み。

ストロボに装着したところ

フィルターは台湾STCの「ICELAVE Warm-to-Cold FADER」で、アダプターとのセット販売も考えているという。ICELAVEのみよしみカメラが正規代理店となり、フィルターのみの販売も行う。このフィルターはもともとはレンズ用のフィルター。

フィルターを赤方向に調整したところ
同じく青方向にしたところ
バネで押さえる仕組み
背面から
使用していたフィルターはSTCの色温度可変フィルター
このフィルターは9Hの硬度などを謳う

また、「ポップアップメイト」という内蔵ポップアップストロボ用の反射板も展示。7月1日に税別2,480円で発売する。ホットシューに装着することで、内蔵ストロボの光を天井にバウンスできるアクセサリーとなっている。人物などのテカリなどを押さえて自然に写せるという。

ポップアップメイトを装着したところ
パッケージに効果の違いがプリントされていた

サイトロンジャパン

フィルターを内蔵できるDEOのマウントアダプター「OWL」シリーズを展示していた。発売時期や価格は未定。

DEOのマウントアダプター。写真はEOS-NEX

フィルターホルダーには市販の52mm径フィルターを装着できるほか、可変NDフィルターとC-PLフィルターをセットにしたパッケージも用意する。対応マウントも各社のタイプを用意するそうだ。アルカスイスタイプに対応した三脚座も着いている。電子接点は無い。

フィルターホルダー
パッケージ

またCP+2016で展示していたLAOWAのうち、発売時期が未定だった「105mm f/2 'the Bokeh Dreamer'」を6月下旬〜7月上旬に発売すると告知していた。価格はオープンで、店頭予想価格は税別11万円前後の見込み。アポダイゼーションフィルターを採用し、滑らかなボケ味を実現したという35mmフルサイズ対応のMFレンズだ。

105mm f/2 'the Bokeh Dreamer'

ニッシンジャパン

新型のワイヤレスコマンダー「Airプロ」を参考出品していた。発売時期や価格は未定。同社のワイヤレス制御規格NASに対応している。従来のコマンダーAir1は3グループまでだったが、新たに4グループに対応し、1/3段ステップで調光可能になった。

左からAirプロ、従来のAir1

TTLの調光値をマニュアル値に置き換えることもでき、調光を固定できるようにした。表示部分もAir1のLEDから液晶パネルに変更し、太陽光下でも見やすくなっているという。

リコーイメージング

発売したばかりの「PENTAX FILM DUPLICATOR 4×5」を展示していた。4×5判のフィルムをデジタル化できるアクセサリー。来場者の関心は高いようで、スタッフに説明を求める姿が多く見られた。

セッティング状態のPENTAX FILM DUPLICATOR 4×5
デモのカメラはPENTAX 645Z

スキャナよりも高速にデジタル化できるほか、フィルムの枠まで写せるのも特徴で、フィルムの銘柄なども記録可能となっている。税込73万円前後と高価だが、プロの使用に対応した耐久性なども考慮した結果の値段という。フィルムホルダーのアンチグレアガラス(2枚使用)も高い平面性が必要で、1枚数万円のコストとのこと。

フィルムホルダー
ポジフィルムを撮影したところ。フィルムの枠も写っている

写真館が導入し、フィルムのデジタル化という新ビジネスも提案していた。

新モデルのフルサイズ機PENTAX K-1も写真館などに向けて訴求。防塵防滴といった点で、屋外での撮影に適するという。またデジタルのPENTAX 645シリーズを使っている写真館などでは違和感なく使える操作性もメリットという。

PENTAX K-1のタッチ&トライコーナー

リコーグループのリコージャパンは、武藤工業の3Dスキャナを使った人物の3Dプリントを作成するシステムを提案している。このスキャナには、PENTAX K-3 IIが4台使われているとのこと。

作成した3Dプリント

ベルボン

高い伸縮比で知られる「ウルトラロック」を使った三脚のカーボンパイプ版を参考展示していた。秋〜冬の発売としている。ウルトラロックは、パイプを捻るだけでロックができるダイレクトコンタクトパイプを使ったシリーズ。これまでアルミパイプのみだった。

カーボンパイプの参考展示品

重量は大きく軽量化するものではないが、カーボンパイプにしたことで剛性が増したという。同じくウルトラロックのカーボンパイプを使用した一脚の発売も予定している。

また汎用のL型ブラケットも参考展示していた。同社が長く採用している独自クイックシュー規格のQRAシューに対応している。また、ベルボンの雲台で採用している別規格のシューに対応したタイプも予定しているそうだ。

QRAシュー対応のL型ブラケット

ケンコープロフェッショナルイメージング

Godoxのモノブロックストロボ「WITSTRO AD600」シリーズを展示していた。近日発売。価格はTTL対応モデルが税別11万8,000円、TTL非対応モデルが同8万6,000円。

WITSTRO AD600

出力600Wのバッテリー式でワイヤレスシンクロにも対応しながら比較的低価格を実現したモデル。LEDのモデリングランプも装備する。光量を変化させても色温度の変動が少ないことを謳っており、実測で5,600±200Kに収まるという。

側面に液晶パネルを備える

本体に液晶パネルを備えており設定が一目でわかる。閃光時間が表示されるのも特徴で、閃光時間を優先したセッティングも容易となっている。ソフトボックスなどのアクセサリーはGodoxのマウントだが、ボーエンズマウント版も特注で受け付ける。

dedolightのLEDライトでは小型ながら400W相当の「DLED7 TURBO」シリーズを展示。価格は税別12万8,000円から。新たにファンを内蔵したことで、光量を確保しながら小型化している。色温度を自在に変えられるのも特徴。

DLED7 TURBO

アウトレット販売も人気

カメラアクセサリーのアウトレット品を販売するコーナーも人気を集めており、開場直後は入場待ちの列ができていた。午後になると入場の列も解消し、比較的ゆっくり買い物ができそうな印象だった。

開場直後は待機列ができていた
午後は比較的空いていた
撮影用のアクセサリーといったPHOTONEXTならではのアイテムも販売されていた(サイレントビクトリーのコーナー)